舞台「キオスク」感想 ナチス時代のウィーンで 素敵な隣人たちの輝き
大空ゆうひさんと、先輩・一路真輝さんが出演しているという事で、観てまいりました。
イチロが超久しぶりでした、私。
懐かしい、でも全然お変わりないっ😆!
本当に素敵な母親役でした。ちょっと艶っぽく、可愛らしいお母さん。
その息子フランツ君(林 翔太)が、田舎からウィーンのキオスク(タバコ等なんでも屋)で働く事になります。
キオスクの店主(橋本さとし)は、第1次世界大戦で片足を失ってしまった。ウイーンのためにキオスクで一生懸命働いている。
近くに精神分析学者フロイト教授(山路和弘)が娘アンナ(大空ゆうひ)と共に暮らしている。
フランツ君が出会って初めて恋をしたボヘミアの女の子は、売春宿で働く娘だった。
1937年のウィーンの街角を切り取ったような、宝物のようなワンシーンを沢山集めた、丁寧なお芝居が続きます。
母と息子の手紙のやり取り、店に行きかうお客から人生を学ぶ店主と若造のやり取り、フロイト先生に淡い恋心や素朴な疑問などを投げかけ、大人に成長していくやり取り。
恋をしなさい。
夢をノートに書き続けなさい。
フランツ君は少しづつ大人になって行きます。
そして、やはり避けて通れない鍵十字の赤い旗。ナチスドイツのユダヤ人差別が日に日に激しくなっていきます。あの有名なフロイトはユダヤ人。そのフロイトが贔屓にしているキオスクは、いたずらされ、店主はゲシュタポに連れていかれます。
ああ。。。辛い。この展開は分かっていたけど、やっぱり今の私には辛い…。
アンナは実在のフロイトの娘で、彼女も同じ道を志している研究者。知的で、父の助手で、自立した素敵な女性として描かれていました。
出演者が色々な役割をして、このウィーンの街並みや、遊園地、飲み屋、売春宿、色々な風景をおしゃれに見せてくれます。
劇団☆新感線の吉田メタルさんを外部の舞台で観るのが初めてでした!
なんという肉体美💪☆彡鋼のような喉を持つメタルさん。
ゆうひさんと2人で、SMごっこは、刺激が強すぎ💦(笑)。
ゲシュタポ・黒づくめのコート姿は、はい、ここは男役芸が、いきてます😍。
めちゃ怖い🕵 背が高くて威圧的。
(ゆうひさん、男性に負けてまへん)
最後は余韻を残すような、辛い終わり方だったかな。
演出の石丸さち子さんが、エンターテイメントに仕上げています!というコメントがありまして、うーん、どうかなあ、、なんて思ったんだけど。でも観劇後何日か経つと、色々楽しい場面が沢山あったと思い返していました。
確かに、エンターテイメントが沢山詰まっているお芝居です✨。
もしこの時代の事をあまり知らない方がいらしたら、是非観て欲しい。お若い方に特に。
そこで感じ取ったものから、色々自分で調べて、不安定で暗い世の中で、自分が自分らしく、恋したり、隣人を愛したり、思いやったりしながら生きていくことは、どいう言う事かって、考えて欲しい。
そして、少しでも幸せな時間を、エンターテイメント性を感じ取れたら、心は豊かになり、辛くても自分に恥じない選択をしていけると思う。
そんなことをツラツラと、後日思い返したりしました。
出演者の方々の小さな輝き・煌めきが沢山詰まった、素敵なお芝居だったな~。
とりとめもない感想でした。21日(日)まで東京で上演中です!
「キオスク」
演出:石丸さち子
出演:林 翔太 橋本さとし/大空ゆうひ 上西星来(東京パフォーマンスドール) 吉田メタル 堀 文明 /一路真輝 山路和弘
第1幕65分、休憩15分、第2幕85分(合計2時間45分)
【東京公演】2/11(木・祝)〜2/21(日) ※静岡・愛知・広島公演あり