『バロンの末裔』あらすじと感想2 スコットランド貴族の転身 真風涼帆&潤花の熱い演技
宙組全ツ『バロンの末裔』、じっくりしっとりと、大人のお芝居を見たな~と感じました。
しかも正塚先生演出の、シンプルで且つ笑いを欠かさない、大人の男と大人の女(面白い男とカワイイ女も)を堪能しました😀。
それはやっぱり 真風涼帆&潤花 のコンビだからこそ、なのかなと思います。貴族(バロン)の末裔の風格があって、見ていてとても美しい。やっぱりこの2人だから成立するお芝居だと実感します。
いきなり見どころはココ!
ゆりかさんコスプレ大会😃
真風涼帆は、双子の兄弟の2役。
ロングヘアーの兄と短髪の弟。ガウン姿、軍人姿、スーツ、狩猟スタイル、タキシード。
もはやこれはコスプレですか!!
って位のお衣装の早変わり。もう特技ですよね?いつもすました顔して登場し、本当に凄い!と思いました。間違えなくファンの方にとっては、見どころポイントです。
狩りのシーンなんて、本当にカッコイイ😆。銃を構える男、あー「神々の土地」のまぁ様を思い出しました。1匹も獲れませんでしたけど(迷いのある男に捕まるほど、敵も愚かではない)。
スコットランドが舞台
ショーはウイスキーがテーマの『アクアヴィーテ!!』。ウイスキーといえばスコットランド、アイルランド辺りが産地で有名。エリア的に繋がりのあるこの2本立て。上手く合いましたね!
バグパイプの牧歌的な音色と、背景の美しい朝もやと麦畑(かな?)が美しい。
この美しい田園風景は、九州各地の田畑や里山のイメージとも被るかなーって思ったりもしました。
魅力的なキャラクターが登場
ここは次回に初演のキャストと比較して語りたい。もともと初演である月組屈指の役者たちの当て書きだと思われますが、今回宙組組長さん、専科の凛城きらさん!はじめとする、かなり若手のメンバーも色々な役として参加していて、上手い事ハマって大変魅力的なキャラに仕上がっていたと感動しました。
・友人桜木みなと&山吹ひばりカップル。
なーんて可愛らしいのっ!
壺⚱投げ技の息ピッタリだこと👏👏。正塚先生のお芝居には、美人さんのお役が登場する所がポイント。2人の大笑い😸ネタは、ちょっと難しめのお話にソフトな印象を与えてくれています。
・銀行家親子凛城きら&瑠風輝コンビ。
もうね、最高ですよ!
お父さんッ!(トマちゃん)この2人のやり取り、ずーーっと観ていたいくらい面白い。最高な親子。トマちゃんの若い奥様は愛未サラちゃん。ちょっと、このキャラを下級生ながら堂々たる存在感で、最高でした😆。
そしてスーツですよ、スーツ。もえこ、超スーツ似合っている!ガンガンこれからも着ていただきたい。スーツは経験値が必要だと思うので(ワクワク)。
鷹翔千空演じる秘書さんは、セリフは少なめだけど、顔芸で面白い事を背景でやっています。ロックオンしたかった位です。
他にも、ボールトン家の執事のスッシー組長と、お茶がとても美味しいマダム役の小春乃さよちゃん。
訛ってるヘンリー坊や役の亜音有星、そして重要人物はいつもこの人!穂稀せりの庭師の父、ジェラルド役も、物語中盤に登場しましたね~、私はいつ出てくるか楽しみにしていましたよ😊。
簡単なあらすじ※ネタバレあり
ボールトン男爵家は400年を誇る領主。双子の兄・ローレンス(真風涼帆)が譲り受け、弟・エドワード(真風涼帆)は軍人として故郷を離れていた。2人の幼馴染の貴族の娘・キャサリン(潤花)は、兄弟から愛されていたのだが、兄・ローレンスと婚約。
ある日、エドワードはローレンスから呼び出される。病がちの兄から土地の事を任せたいと。相場に手を出して失敗し、銀行に借金があって土地を手放さないといけない状況だと、初めて知るエドワード。
前から兄の事を良く思っていないエドワード。兄に任せられないと、まずは銀行に返済猶予10日間を貰い、何故相場に手を出したのか、騙されていないか?エドワードに夢のホテル経営のための資金を借りるつもりでやって来た、友人のリチャード(桜木みなと)と恋人ヘレン(山吹ひばり)と一緒に調査を進める。
ボールトン家の会計士ローバック(秋音 光)と銀行家のトーマス(凛城きら)が、何やらこの土地を早く手に入れたいらしい。銀行経営を任された息子のウィリアム(瑠風 輝)は、経営方針の違う父が、何故この土地に拘るのか気になっていた。
そしてもう一つエドワードが気になっている事は、もう破滅しかない兄との婚約を解消しないキャサリンの事。何故この家に拘るのか、それは本当に愛していたエドワードと一緒に居たいために、兄と一緒にいると告白する。あってはならない2人の秘かな恋心を確かめ、これからローレンスを裏切って生きていけるのか…、いや無理だと理解していて、辛い、辛すぎる。
そんな時に、ホテルの従業員ヘンリー(亜音有星)の家で、石炭で暖を取っている事を知る。何故ここに石炭(黒い宝石)があるのか、それはヘンリーの父ジェラルド(穂稀せり)からある書類を託される…。
石炭が採れる土地である事は、ボールトン家の父の代から知っていた。他の人に渡っては、採掘され今の住民が住めなくなる可能性がある。なので住民にだけ採掘する権利を父は与えていたのだ。その権利書を元に、エドワードはみんなの夢(Wish)を叶えるため、ある方法を考える。
そこは「ボールトンホテル」と生まれ変わり、銀行はホテルに投資する。屋敷の従業員はそのまま職を得て、友人リチャード夫婦が支配人となる。ローレンスはそのまま家に居る事になり、キャサリンもまたホテル運営という初めての仕事にワクワクしている。
エドワードは皆の夢を見届けて、一人また家を出る。最後の夜、キャサリンとの切なくも美しいデュエットダンス。そして、美しいスコットランドを後にして、新しい地へと向かう。
エドワードとキャサリンが出した結果
狩りのシーンで、2人の気持ちを探り合いながら、お互い同じ想いだったと分かるシーン。
もうね、会場が大きいせいもあって、セリフが会場内響く響く。とってもドラマティックで、お互い好きなのに一緒にはなれなくて、どうすればいいの?ダメなの?ローレンスはどうするの😢!?
2人の演技が熱い💑!
辛すぎる…。本当に切なくて、力強い2人の台詞の掛け合いに、息を呑みました(ゴク)。ここもやっぱり見どころではないでしょうか。潤花ちゃんの一筋の涙(女優だわぁ‥)。
この方達は”貴族”ですから、威厳を保てないと生きてはいけない。2人が出した結果は、大変オトナで、貴族らしい恋のやり方なのかなと思います。
さすがこのコンビ。こういうお話がとっても似合う。食い入るように観てました、私。素敵過ぎる…、一緒になれなくても思いは通じているから、良しとしよう!
新しい時代を生きるための転身
貴族の末裔は、新しい時代にどうやって生きていくのか?という事が一つ大きなテーマとなっていました。
貴族に限らず、時代が変わる変わり目には、新旧の価値観の違いがぶつかったりします。今までのような生活を続けることは出来ない、それは分かっているけど、どうすればいいのか分からない。その隙に悪い奴らは騙して乗っ取って、気づいたら詐欺に引っかかってしまいます…。
エドワードが言ってました、
ラッキーだったことは、銀行家ウィリアムがフェアな人間だったことだ、と。
息子ウィリアムは、フェアに仕事をする人物だった。それが新しいやり方だと、父を諭します。
貴族のままぼーっとしていては落ちぶれてしまうと、エドワードは兄に変わって自ら行動し、知恵を絞ります。ボールトン家の土地、家を守り、兄の威厳も守りつつ、新しい時代に生きていけるように、各々が転身できるように奮闘します。そこに、石炭情報が舞い込みます。
やった!まさに黒いダイヤモンド(その当時は)。
貴族の屋敷をホテルとして運営していくやり方は、色々な所が真似していくでしょう。確かにイギリスにはお屋敷ホテル(マナーハウス)が沢山あって素敵です。それは貴族が現代に生きるため転身した結果。
ふと、九州の土地は大丈夫かな…って頭をよぎりました。変わらぬものの良さを再認識し、新しいやり方で守る方法を、若者達がやっていかなければ。実際にやっている例を最近よく見かけます。
両親の故郷で、親戚の若者が有機米を作り、ネット会員のみに販売している。とっても美味しくて安全。我が家もそのお米を食べて応援しています。
老人ホームに売ったり、パチンコ屋になったり、はたまた太陽光パネルの山にはして欲しくない…。二束三文で売ってしまっては、この土地の風景は変わってしまいます。
都心に住んでいて何もできませんが、思い寄せて何か協力出来る事があればと、常に思っています。
つい九州福岡で観たお話だったので、そんな事も思ったりしました。
ではではまた時間があった時に主なキャストの感想を書きたいと思います!