月組『夢現無双』感想2 サイトー歌舞伎にあれこれ

2019年4月18日




無事、初見で宮本武蔵を見る事が出来たので、あとから情報補給するように、撮りためた涙の!NOW ON STAGEや、WOWWOプルルミエールを見ました。

未だかつて、あんなに泣いちゃうNOW ONってあります?さくらとみやちゃんのくだりから、もう私はもらい泣き。

みやちゃん、あなたはなんて

いい人なのっ!!尊敬。

サイトー先生の武蔵の演出、なかなか私としては良かったのではないかと思います。あれだけのエッセンスをよく短時間に入れ込みましたね。

演者も気持ちが忙しいと言ってましたが、逆に言うとスピーディーでお客さんを飽きさせない努力があるかと思います。

サイトー先生の武蔵 気に入った所

セットが良かった!

セットと照明の使い方が良かった。

森の中感を凄く感じた。マイナスイオン出てたよね?

巌流島の戦いにつながるよう、左右にある波の電飾の感じや、最後切られた時の赤い照明、すごく面白かったと思います。

また花道に船が出てくるところも、浮世絵、劇画調で、面白いと思う。

日本モノは、一歩間違えると、書割のベニヤ板感が拭えない背景になってしまいがちですが、今回はそういう風に思えなくて、とても感情移入できました。

阿国一座の華やさ

晴音アキ はーちゃんがいつも威勢の良い歌で、みんなを引き連れ、お芝居の進行をしてくれてたなーと。

はーちゃん、背が小さくて可愛いので一瞬見逃しがちですが、声で分かります!お姉さんになったなーと感慨深かったです。

日本モノに、祭りや一座、花街はつきもの。舞台を華やかなものにしてくれます。今回もいい具合にエッセンスが入っていました。

お通の笛、太夫の琵琶、朱実の鈴

ね?これだけの素敵な音色が舞台を癒し、心を掻き立て、郷愁をそそる物があるのです。
美しい、日本モノって本当に美しいなと思います。

NOW ONでは、実際に笛や琵琶のお稽古をしたとか。さすがジェンヌ。お三味線のお勉強を学校で習う位ですから、プロですよね。

カラスのコロスがいい

カラスのコロスの使い方が、不気味さを醸し出して、武蔵の残忍さ、戦うものの儚さを表現していたと思います。舞台の場面変換のため、幕前芝居が何度か必要になるところもあり、カラスが。。。頑張って踊ってました!きっと下級生たちなのかな、がんばれ~。

巌流島対決の演出も、いい

対決シーンは、銀橋に来て魅せてくれました!!ちょっとおっかない、ハラハラドキドキ。

でもやっぱりここは銀橋でしょう。サイトー先生、ありがとうございます!

もっと頑張って欲しい所

殺陣の研究を求む!

私の殺陣の基準って、

早霧せいな ちぎの殺陣

北翔海莉 みっちゃんの殺陣(チェストー)

なんですよね。ハードル高くて、スミマセン。

2人に共通しているのは、

腰を低く、溜めを大事に。
そして、顔芸です。エイやぁー!って時の顔。気迫がこもっている。息もできない程の。

『JIN』の最後に果てる坂本龍馬。そして『桜華に舞え』で華々しく散っていく桐野様。
はぁー、思い出すだけで胸が痛む位、私には心に残る名場面なのです。日本モノとはそういうもの。

『るろうに剣心』の四森青紫の二刀流も、ちょぉぉぉカッコ良かったよ、月城かなと~!

切られ役の研究も頼む!

切る方より、切られ役の方が大切。世界の切られ役者・福本清三さんが有名です。

思いっきり切られて、うぎぁ~~ってなってるのをみて、主役は引き立つもの。

だから70人斬りの時も、吉岡一門がうぎぁ~~ってなって欲しいのです。まるで専科さんのように。そうすると、武蔵恐るべし!!って観客にわかります。

小次郎の果て方

武蔵小次郎の因縁の対決感が、公演を重ねるごとに、また観ている観客の気持ちも高まってくると、もっともっとヒリヒリするような感覚を覚えるようになるのかな~。

サイトー歌舞伎の中毒性

男性のお客様も多かった気がします。吉川英治の武蔵ファンの方もいらっしゃるだろうし、武蔵の物語や、五輪の書や色々な面で造詣が深い武蔵ですから、様々な角度で観てみると深みが増すというか、面白さも変わってくる作品だといいなーと思います。

武蔵の絵で有名なのがこれ。墨ですぅーーっと一筆で書いた細い木にとまる鳥。「枯木鳴鵙図」

いい絵だなぁ…

さて、珠城りょう、美弥るりか という、宝塚無双の2人が、こうやって濃い芝居で絡む事が奇跡で、この真剣勝負の舞台を、一瞬一瞬、大切な宝物のような時間を過ごしてもらいたい。

また観に行くぞー。

東京に来て、更に進化していると、私は嬉しいです。楽しみにしています。

ただ、くれぐれも、怪我だけはお気をつけくださいませ!

 

グランステージ
夢現無双 -吉川英治原作「宮本武蔵」より-
脚本・演出/齋藤 吉正
宝塚大劇場 2019年3月15日(金)~ 4月15日(月)(千秋楽はライブ中継
東京宝塚劇場 2019年5月3日(金)~ 6月9日(日)

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