緒月遠麻主演『終わらない世界』感想 カッコ良く悩めるキタさんに共感

2019年12月12日

ジェットラグープロデュースの、バックステージものお芝居。緒月遠麻が往年の大女優・ミワコ役を演じます。ジェットラグさんのツイート転用させていただきます！

宝塚歌劇団時代を知っていても、知らなくても、男役の緒月遠麻には、キャーっとなってしまうわけで。#終わらない世界#緒月遠麻#宝塚歌劇団#男役 pic.twitter.com/uC4yjhoI6l

— Jetlagジェットラグ　舞台 (@Jetlag_oshibai) 2019年12月12日

なんと！2017年に元宙組トップスター大和悠河が主演だった書下ろし作品の再演だったんですね。（今更）なるほど～。それを同じく宙組OGのキタさんが主演されたのかー。フムフム。

通りで、脚本がとても良く出来ているなと思いました。
「明日、世界が終わります」って唐突に始まるので、えええ？？って若干戸惑いもあったけど、もしそんな事になったら…、色々な立場の舞台人目線で見た時のドラマが沢山あって、演出も面白いし、キャスト皆さんがとってもお芝居が上手です。

キタさんの芝居はナチュラルで好きなんです。あの声、あの雰囲気、ああ懐かしいな～って思いながら観ておりました。相変わらずスタイルが良くってカッコいい😎。

劇中劇で、マフィアのボスの役で登場しますが、スーツ姿、ボルサリーノ帽の持ち方、被り方。これは宝塚男役で培った杵柄～。正毅先生のお芝居を思い出しました（ウフフ）。そしてベレー帽を被った時は、「銀河英雄伝説」ヤン・ウェンリーだよ😆！

それはいいとして…、若かりし頃成功していた女優人生をもう一度、ということで、同じ演目を再演するのだけど、昔のトラウマと戦っていたり、若い出演者が役を奪おうとしたり、小道具の青年から思いを寄せられたり、ウン十年も経つと、色々あるよね～。悩める女優役・キタさんがとても色っぽいです。

お芝居後半、世界が終わるかもしれない日に、全財産をカバンに詰めて持ってきて、それを恋人に奪われそうになった時、女優ミワコが放った言葉が胸を突いた。
「お金なんていらない。女優は舞台が無ければ生きていけない」ってニュアンスの台詞。なんかそのままキタさんや他の出演者の言葉だと思いました😢。

そうだよなー、お金だけ持っていたって心は満たされない。例え一文無しになったとしても、自分の力を発揮できる場、人に役立てる仕事って、年を重ねるごとに大切だって気づきますよ。

ラストは皆ハッピーで、カッコいいミュージカルスタイルで幕が降ります。何度か劇中ミュージカルシーンがあるのがお得で楽しい✨。

ライバル女優のお役が十碧れいや。いや～華やかですね！！背が高くて高慢ちきで（笑）。キタさんとのバトルシーンはめちゃくちゃ迫力があり、やっぱり元男役の良さが出ていました。
花陽みくちゃんは色々なところで沢山登場。早変わりがスゴイ。結構身体張ってて、小気味良い。

少し注文を言うと、博品館劇場。客席が温まるのがちょっと時間かかったかなと。。どなたか大きな声で笑うオジちゃんとか、拍手をリードしてくれるお節介さんが客席にいてくれると、もっと盛り上がると思いました。大体舞台にはそういう方が後ろの方にいらしたりするもので、演者は十分盛り上がっているので、あとは客席側もリードしてくれると大変助かります🙇。

カーテンコールの演者さん達の充実した顔がとっても印象的でした。きっとこのお芝居、演者さんがとっても充実して楽しんでいる、青春！って感じの作品じゃないかな～と観てて思いました！良いものを見せてもらいました🙆

ジェットラグプロデュース
「終わらない世界」
2019年12月11日（水）～15日（日）
博品館劇場　ノンストップ2時間

作・演出：益山貴司
出演：緒月遠麻、上遠野太洸、中尾拳也、十碧れいや、シューレスジョー、花陽みく　ほか

キタさん、次は今まさに礼真琴出演中の池袋の新劇場で、『新・陽だまりの樹』に出演予定だとチラシをもらいました。2020年4月3日に東京・東京建物 Brillia HALL（豊島区立芸術文化劇場）へ行こうかな、ポチ。ナタリーさんより。