劇団☆新感線RX「薔薇とサムライ2」感想古田新太VS天海祐希 12年ぶりの銀髪アンヌ陛下に貫禄黒燕尾ありますっ！

2022年11月9日

初演「薔薇とサムライ」は12年前だったか～。もちろん観劇しました。
古田新太と天海祐希のダブル主演。古田新太はもちろん！石川五右衛門。天海祐希はほぼコスプレ祭りの、それはオスカル様よね～って場面が印象的だった女海賊。実はとある国の末裔で、アンヌ女王として最後は国に戻る。スペインと日本が舞台で楽しかった！

1. 12年後のアンヌ陛下の貫禄 ※少しネタバレあり
2. お楽しみアンヌ女王の男役芸
3. いつも深いメッセージに気づかされる新感線
4. 浦井健治シャルル1世が、映像で登場(笑)

12年後のアンヌ陛下の貫禄 ※少しネタバレあり

12年後、アンヌ陛下は銀髪の長い髪がとっても素敵な貫禄のある女王陛下となっていました！ご本人のキャラにとってもしっくりくる。
いつも思うんだけど、天海祐希みたいな女王が日本に居たらいいなぁって本気で思います。正義感があって、市民思いで、元海賊だから弱いものの為に奪って民に与えてくれる。

今回はコルドニア王国の国政に苦悩するアンヌ女王の葛藤が描かれていました。

ソルバニアノッソ王国のマリア女王（高田聖子）がボスコーニュ公国併合を画策している所、コルドニア王国の立場が問われる。隣国同士の駆け引きに巻き込まれたり、料理人としての顔も持つボルマン宰相（生瀬勝久）に裏切られたり。

また若手のロザリオ王女（石田ニコル）に自分の仕事姿を見せ、世代交代を考えながら国政の手綱を引く。コルドニア産の小麦と塩で作る美味しいパンをプロモーションしたり、正々堂々と国の経済と立場を守りながら立ち振る舞うアンヌ。

しかし、マリアの貪欲さで、もっともっと国土を広げたい、お金が欲しい、そしてボルマンからもたらされた依存性の高い塩（麻薬的な？）を使って民をコントロールしたい！色々エスカレートしていきます。

マリアの弱点は、息子マクシミリアン（早乙女友貴）が引きこもりっ子な事。マクシミリアンは忍者に憧れていて、石川五右衛門からある本を手渡されます。ここで五右衛門はマクシミリアンの姿を借り、アンヌを要所要所で助けてくれることになります。

一応、五右衛門が変装した体の早乙女君の立ち回りが、もぉぉぉ凄すぎる！👏👏👏 拍手も凄い。

アンヌは争いに巻き込まれ、一瞬記憶喪失になるシーンがあります。女王ではない、本来の豪快で誰とでも仲良く楽しく過ごす女海賊のジャンヌになっている姿を見て、親友エリザベッタ（森奈みはる）は、そのままにさせてあげて欲しいと、涙ながらに語るシーン。ここは私も泣けてきました😢。女王の仕事は本当に大変で、本来の彼女の姿を封印していたのだろうと。

最終的には、隣国も皆、国政を次の世代に引き継がせ、同盟を結んで争いの無いよう暮らしてくだろうという結末でした。アンヌはまた海に出ていく。自由な立場となって国を見守っていくのだろう。盟友・石川五右衛門ともまた出会う事もあるでしょう。この潔さがカッコイイよね～👍。

天海祐希のアンヌは、スカッと爽快、やる事はちゃんとやる。理想的な女性で完璧なんですよー。

お楽しみアンヌ女王の男役芸

ファンお楽しみのカッコイイ、男役芸のアンヌ様も見どころです😃。

銀髪のロングヘアと来たら…、某トート閣下みたいな場面もありで、前奏からめちゃパクリ音楽に笑い😁。

敵国の高田聖子さんを惑わす”男装の麗人”として登場…
黒燕尾、あります！（これには驚き）。
あ、忘れ物…、え？何が？
思いっきり投げキッス攻撃💕😍（キャ～～～と客席）。

素敵でお茶目な天海さんに久しぶりに会えた～って感じで、新橋演舞場がどっと大盛り上がり😆だった事にかなり受けた😁。皆さん、とってもお待ちかねだったのかなと思います！

↓ダイジェスト動画、公式より

いつも深いメッセージに気づかされる新感線

生演奏RXは、最高に盛り上がる✨！
そして、新感線は深いんですよ、いつも本当に深い🤔。色々な世情が織り込まれていて、今回もううっと唸る場面が沢山あった。

小さな国同士の小競り合い、緊張感、戦争へ発展してしまうからくり。

民をコントロールしたいと画策するトップの思惑。
依存性の高い塩（ヤバい塩）の存在と、解毒効果がたまたま発見されたブルブルの実のお話。これは今の日本の食の危険性をデクラスしてくれていたと思います。なんたって添加物王国ですからね、日本は…。
アンヌ女王のように、国内で安全に作られたパン(主食）を守り、他国に宣伝するという、至極まっとうで当たり前の行動を、何故出来ないのか？って考えてしまいますよ。

そして、石川五右衛門が引きこもりのマクシミリアンに優しく諭すシーンも、これまた涙😢。
小さな部屋に引きこもるなら、その中で思いっきり楽しめ、そしてその部屋をもう少し大きくしてみろ。お母ちゃんが追っかけてくるなら、ずっと追っかけ続ければ、地球を一周して逆に自分が追っかける側になる。

こうやって優しい言葉を掛けてあげて、マクシミリアンはめちゃ強い忍者のようになって、マリアの後を継ぐことになります。ええ話やな～。ほんまに😭。こういう時の五右衛門・新太さんは本当に優しくて素敵なんです😍！

薔薇とサムライ２のサブテーマであった世代交代。納得、なるほどの内容でした。

私達は、まさに主役2人と同じ世代で、同じ目線で観てました。若い方々もこの新感線を見て、感動して、次のスターに繋がって行ければ良いですよね。人として、エンターテイナーとして、新感線という劇団はきっと不滅だと思いますので、その中で様々な若手スターとも一緒に新旧対決で今後も楽しませてくれたら、嬉しいな～と思います。