星組『霧深きエルベのほとり』感想1 昭和のタカラヅカ芝居
オープニングの出だしから、まさに「ザッツ 昭和」で懐かしかったな。
私の周りのお客さんでも、私の母親世代の方々がいらして、かなり涙されておりました。懐かしんでいたご様子。物語がゆったりと進む感じとか、余韻を楽しむように「その場面、必要?」みたいな、複線でもない要素 (生ピアノ演奏とか♪) が入っていたりとか。そして、タカラヅカあるあるで、オープニングに、まるでショーのような歌い踊るシーンがあったりとか。ウエクミ先生が、それを尊重していたのかなと。余韻、ですよね。
やたら荒々しい男
やたら初々しい世間知らずのお嬢様
やたらイイ人過ぎる2番手
演歌調の主題歌
確かにこの構図は、昭和のヅカには良く見受けられました。演出家がほぼ男性だったし、男性目線の脚本なのかなーと思ったりしてます。
そして昭和で必ず付きものなのが、ベテラン専科さんによるボケ!
これが本気で面白くて、ずっと記憶に残っているものです。故 岸香織さん、未沙のえる など。舞台に登場するだけで、何かやってくれるかと期待しちゃう。余りにも面白すぎて、トップさんが噴出しちゃって、物語がとまっちゃったりしたもので。そんなことがあってもいいヅカのお芝居、のどかな雰囲気がありました。
今回は星組出身の偉大なる専科さんである一樹千尋さん 、英真なおきさん、そしてもはや専科の芸風の副組長 美稀千種。みきちぐさん、大好き!今回はマルギットに扮装して登場(爆) もー最高でした。見てるだけで嬉しい、楽しい。ベニの芸風も実は昭和にあっていて、相乗効果でよかったのかもしれません。アナザーワールドもそうだったなと。
でもって、水乃ゆりのコメディータッチなお芝居もなかなかでしたよ。
妹役で田舎モノな感じがでていて、あの走り方、なんですか!可愛すぎる。最後はかいちゃんとご結婚までされて。
また個人的に、舞空瞳の組替え発表を受けてからの観劇だったので、有沙瞳 クラッチをオペラでじっと追ってしまい・・・。芝居の役柄とリンクするではないかっ!(涙)本当に泣いてたね。お芝居だけど。
フロリアンが深い考察でマルギットを説得してましたね。
”マルギットがカールを恥ずかしい”と思っていることにカールが気づいてしまった、と。
あー、なんか胸が痛い。この気持ち分かる気がする。。若いときにありがちな。人間年を重ねれば自分の生まれた背景、持っているもの、お金、地位、そんなものは薄れて、中身が透けて見えてくるもの。きっとこの二人も再度お互いの良さを認識して結ばれるかもしれないね。
そしてフロリアン、キミのその考察も、気持ちはわかるけど、あなたの幸せもちゃんと考えたほうがいいよ・・・。