『カルト・ワイン』主なキャスト感想2 桜木みなと 瑠風輝 春乃さくら 本当の価値に気づける瞬間
『カルト・ワイン』は内容がびっしり詰まっていて、1つ1つのセリフやキャストの表情で、あ!そうだったの?って気づける瞬間が幾つかあるんですよ🤔。あ~もう1回、2回位みたら更に理解できそうなんだけどなー。
きっとこの作品、宙組メンバーの宝物のような作品になるのではないだろうか。
それは栗田先生の緻密なこだわり、つまり情熱ですね。キャストもそこを理解しつつあって、この面白さを伝えるため、一緒に作っている感を感じる。(ナウオンを見たらそう思った😀)
主なキャストの感想
シエロ・アスール:桜木みなと
第1幕 ホンジュラス マラス時代のシエロ。
あの柄シャツ&ジーンズ姿。いや~似合う似合う😃。
クリクリの後ろ髪が長い髪型も、今までの宝塚にないリアルさがあって素敵です。
そんなに悪い人に見えない、仕方なくマラスの仲間となったシエロ。チンピラ感(ヤンキー感👍)がたまらない。
アメリカに来てからの、メキシカンフェスのポンチョ姿、ワインセラーでのエプロン姿もカッコいい😍。
そして2幕アメリカ時代のスーツコレクション。ヒスパニック系が着てそうな色合い(センス)。黒塗り化粧にとてもお似合いです。もちろん最後の真っ白なスーツはピカ一✨!
アメリカで成功する詐欺師…フフ😊「華やかなりし日々」を思い出しちゃいますよね。ゆうひさんとはまたちょっと違う、でも確実に近づいている、そんな感じ。
五峰亜季さんとのラブシーンに、ニマニマしちゃう😍。ゆうひさんも「クラシコ・イタリアーノ」で恋人として登場されていたなと。大変、大変、楽しゅうございます🙆。
一番ジーンと来るお気に入りポイントは、数ある緊張走る場面で、
自然と親友フリオをかばう行動にでる優しさ😊。是非、見逃さないで頂きたい。
この物語の見どころの一つは、シエロ&フリオ 男の友情物語。切なくもあり、爽やかさもあり、胸がキュンとなる。表立って2人で友情について語っている場面は案外少ない。2人の生き方を見ていると、ふとした瞬間に実感できる。このお芝居、とっても楽しい。
本人はいたってフラット。生きるため、ビッグな夢を掴むため、皆に喜んでもらうため、そして大切な仲間のため、自然と出てくる会話、表情、行動に、誰もが引き込まれ、ころっと騙され、目が離せない。
様々なお役を経験してきたずんちゃんの、今の時点での集大成。当然ずんちゃんの良さをイメージして描かれている脚本だから、だとは思いますが、存分にずんちゃんの魅力が詰まったキャラクターだと思います✨!
優しさの中に哀愁を感じる。
グアシッ!と運を掴むパワーと前のめり感が、心地よい!
フリオ・マラディエガ:瑠風輝
ホンジュラス出身には珍しく?真面目で一生懸命。シエロとは対照的で、カリスマ性とか、センスとかは、ちょっとイマイチ…なんだろうな😅。
シエロには尻込みせず、正々堂々と意見を言う。悪とは手を切れと、口喧嘩もする。
もう少しの所で掴みかけた、アマンダとの結婚、ニューヨーク店。フリオなりのやり方で、シエロとは違う成功を掴みかけた所だったのに…。フラれちゃった😣。
フリオもまた、この掴みかけた夢は、現実にはならなかった。その時のフリオの苦笑いが、物語っている。
アメリカに来て、本来の自分を忘れていたというか、猫被っていたというか。この苦笑いの後に登場するフリオは、いつもとは違う、柄シャツにヒスパニック系のスーツ姿だった。中米のアイデンティー復活。
このフリオが、たまらなくセクシー😍
一皮むけた、吹っ切れた男って感じで。
フリオは相変わらず正攻法で、警察の捜査に協力し、シエロとチャポの関係性も伝えて、シエロ1人に罪をかぶせないよう、刑を軽くさせようとするんだよね(多分)。
しかしシエロは自分の幕引きは自分で決める。フリオの世話にはならないと。そこもまた、シエロらしい。
フリオはラッキーな男だよ。シエロと2人で南の島に高跳びだね~🌴。
最高の2番手。もえこのキャラクター(真面目で、そこが面白い)が活かされ、最後にはめちゃくちゃセクシーな一面も見る事ができた。ずんもえ最高!って感じでした。
アマンダ・フェンテス:春乃さくら
ネバセイの新人公演主演からの、小劇場・初ヒロイン!少し年上のソムリエ、お嬢様役。たしかにピッタリだったな😀。
アマンダは、さすがソムリエらしく、物事を葡萄に例えて表現するんですよ、さらっと。お洒落で勝気なお嬢様らしい。アマンダのお父様スッシーはメキシコ移民の成功者。アマンダは何不自由なく、アメリカで育った。
シエロ(=カミロ)は偽造ワインで財を成した、ようは偽物だったと知った時、アマンダはその「偽物の葡萄」を見極められなかったと、自分で自分を評価していた。これまた、ソムリエあるあるなのか?
この感覚…、なんとなく「グレート・ギャッツビー」のデイジーっぽいんじゃないかと、思ったんですよね。ちょっと頭空っぽな感じ?(言い過ぎかな😅)
そこでこの物語に度々登場する「価値」について、ふと感じた瞬間がありました。
アメリカのお嬢様(お金持ち)と、中米の貧民出身の2人が求める価値の違い。
高い銘柄ワインとか、いわゆる成功者の生活とか、そんなもんじゃないって、シエロとフリオは最後の最後に気づいちゃったんだと思う。人それぞれの価値がある、そして、
自分の本当の価値を分かってくれる人、親友、こそが大切なんじゃないかって。これは持論ですよ、私の今の所の解釈。
フィナーレでアマンダちゃんは、フリオの所に戻る設定らしいので、是非一皮むけたフリオとよりを戻して~😚。シエロと3人、まっとうに働いて~。
春乃さくらのアマンダ、これはナイスキャスティングだと思いましたね!
現代的な女性像がバッチリはまる。流石のキャスティングの、栗田先生です。
この3人。素敵な関係性だったと思います。次は個性的な面々の感想を!
実業界の成功者(本当の悪)
チャポ・エルナンデス:留依蒔世
チャボ🐓じゃなくて、チャポ(CHAPO)ね。
ただの悪って、言ってましたが、それこそが成功者の条件!
マラス出身のアメリカ実業家。ペットショップ業って、なーんか裏ありそうだよねえ。。自分はすでに裏方で、イキの良い若者を育てて、稼いできてもらう所がホンモノだなと。リアリティあるシナリオ。
ホンモノの成功者=悪の醸し出す雰囲気。出会った場面から、タダモノではない感が最高です😆!!
手下キャラクターも素晴らしい。チャポの手下の代表的2人、希峰かなた&真白悠希。
スタバか何処かのアイスコーヒーを片手に持っている所とか、今風なんだよね。
特に若手の真白君のメンチ切った顔が、こわ可愛い。
です!って言わせるシーンが面白い。
ミラ・ブランシェット:五峰亜季
もう一人の百戦錬磨の実力者=悪。
五峰さん、ナイスワークでは禁酒法時代の密輸酒会社のボス。今回はオークション会社の社長。どちらも素敵で、チャーミングで、敵にしたら怖い存在。
やっぱりあのシーン!カミロの本性が分かった時の、あの急変する感じとか。おお怖い😱。その嘘を打ち消すかのように、ミラの誘いに乗るカミロ(いや、逆か?)。
情・熱・的💕。白い肌がライトに当たり、美しく大人なシーンですよね。
ちゃっかり裁判に出席し、名誉棄損で訴えるとカミロに噛みつく。会社の名誉を守るためのパフォーマンスなのでしょうが、この世渡り上手さが、なんとも悪を感じる、素晴らしいキャラクターでした!
スパイスとなっているキャスト
フリオの父、妹:松風輝、美星帆那
今回はフリオのお父さん、まっぷーが冒頭撃たれてしまい、いきなり泣かされました😭。照明が神に召されるかのような演出で、思わずため息。ああ、これが現実なのかと、辛くもありました。
そしてそして、妹モニカ役、美星帆那。私は初めての出会いでした。
シエロに優しくしてあげる女の子。心臓手術代はシエロが稼いでくれた。難民申請してアメリカで生きている。さらっと会話に出てきますが、ああよかった~って思えた瞬間でした。今後注目です!
屋台の店長(メキシカン屋台):澄風なぎ
上手い話は、転がってくるんだね!
アメリカでの職探し場面から、このメキシコ人によって楽しい展開になって参ります。
豆の缶が…コロコロ、コロコロ(笑)。会場が沸きます。アドリブもあり。本物のフェスのオジサンみたいで😅、澄風なぎ、最高です👌。
フェスの歌手・有愛 きい。彼女の声がとっても明るさを醸し出していて、ニコニコで良かったー。素敵な歌声でした♪
トミー・ケスラ(FBI捜査官):秋奈るい
この物語の中、1人異質な人間がいる。秋奈るい。
いい存在感で、コロスやマネキン、色々な場面に登場していますが、捜査官役がやけにハマります。
正義感という訳でもなく、仕事として淡々と追及していく姿というか。きっとカルトワインに狂乱している金持ちに対して冷ややかな目で、普通の市民の感覚なのかなと、そこが異質っぽく思いました。
グランピーガイズ:松風輝、希峰かなた、湖風珀、嵐之真、聖叶亜
ワインで繋がる愛好者たちの会🍷🍾があるそうで、実業家、医者、映画監督など、職業はそれぞれ。ワイン熱狂者達が、ワインについて語る瞬間は、至福の時なんだろうね。
つまりオタク。オタクさんは情熱にあふれていて、人生の勝者じゃないかって、最近思います。何かに熱狂できるって、幸せな事だと思います。ただ、お金がかかるね、ワインは(笑)。
私はこのグランピーガイズさん達のたわいもないワインの会話を、ずーっと聞いていたいと思った、楽しい😄。個性溢れる知的なメンバーでした。
「こうもり」に出てくる曲に合わせて、ボクシングスタイルでワイン合戦を行うシーン。コロスが参加して、コーラスやフォーメーションも素晴らしく、あのシーンは一見の価値あり。
初めは何じゃこれ😯?って思ったけど、2度目観た時は、良く揃っていて面白い!って感動しました。イーグルのような羽の形になったり、迫力です。
ロマネ・コンティ1945年物
って聞いたときに、一瞬静けさが漂う、あのリアルに驚く瞬間が、心地よい。
私だって、え!!って思ったもの。考えてみれば、狂ってますが、一緒に驚けるワイン仲間がいるってことが、人生の楽しさだなと思うんですよね。
ワイン関係者たち:惟吹優羽、雪輝れんや、凰海るの
ミラ社長と常に共にいる、ゴールデン・ハンマー社の惟吹優羽。
ミラとカミロのシーンで、舞台上でピアノの弾き語りをしてくれている雪輝れんや(ニクイ演出、素敵です)。
そして、裁判の時にワイン醸造家が証言に立つ、凰海るの。
精魂込めて育てた葡萄を汚すようなことはするな~!みたいな、生産者の叫びを聞いて、笑いながらもちょっと泣けてきた。
本当にそうだよ、美味しく飲んで欲しいと思って作っているんだぞ!一瞬ですが、とても良い場面でした。
時代を反映した物語進行者
オークショニア:風色日向
物語冒頭に登場する、
イケメン!オークショニア、登場😃
爽やか~。この狂乱のオークションの場を盛り立てる、駆り立てる、指揮するような若者。若干上の空っぽい、不思議な雰囲気を持つ、面白いキャラクターだなーって思って観ています。
キャスター:花菱りず 湖々さくら
ニュースキャスターが上手と下手で、手分けして時事ニュースを報道します。面白いんですよ、これが。
この物語の関わりのある移民問題に対する大統領の “Build the Wall!”とか、オークションの価格高騰に関する法案とか?確か。最後はカミロ・ブランコの裁判についても、ゴシップネタのように。
メディアの影響は、21世紀は切っても切れない間柄。良くも悪くも支配されている。
組長を探せ
寿つかさ組長が、様々な場面に登場されておりますので、是非探してみてください!フィナーレでは、ノリノリでめちゃくちゃ楽しそう😆。
メインは一つ星レストランのオーナー、カルロス。気品があって、ハートが温かい。
フリオに店を任せ、娘アマンダも…と考えている事がわかるシーンは、心が温かくなります。こんな出世物語、なかなか無いですよ。ホンジュラスから来た男に任せるなんて。メキシコ出身という所もあるのかな。
是非、カルロスさんのお店に行ってみたいんですけど~😃。
スッシーさんが楽しい!という事を、お伝えしたかったという事で。
熟成の期間はあと2週間。夏本番、熟成が増すことでしょう😃。
フィナーレの酒場でDABADA ♪これについても調べておこ。先生、ナイス選曲だ~。
真風ジュリーも素敵だったけど、ずんちゃんジュリーもサイコぉーね!