『夢千鳥』ディレイ配信感想 和希そらが挑戦する愛憎劇 キャスティングが秀逸 3人の女




奇跡の4日間。バウ公演の締めくくりとして、改めて『夢千鳥』無観客で撮り直してくれた(ありがたい)😢。ディレイ配信が2021年5月8日19時~行われました😀。

和希そらのご挨拶があって、愛とは何か?何か届けられればと。よしよし、夢千鳥から感じる愛とは何かを考えてみようと、視聴しました。

簡単なあらすじ※ネタバレあり

昭和の時代。金熊賞を受賞した日本映画監督・白澤監督(和希そら)(←黒澤監督をもじってたのね笑)。次回作は、大正ロマンの画家 竹久夢二と3人の女性との物語。3女優のキャスティングに難航する。
年上の元妻 他万喜役(たまき)を、事実婚中で不仲な赤羽礼奈(天彩峰里)。港屋に通う女学生 彦乃役(山吹ひばり)に、スキャンダル中の若手女優・高梨ゆき。彦乃と別れた後に絵のモデルとなったお葉(水音志保)役は、さてどうするか…。

白澤との関係に悩む礼奈に近寄る、若手俳優 西条湊(亜音有星)。それは、夢二の元妻、たまきを助ける東郷青児と重なる。

白澤が納得のいく映画作品を生むため、夢二が素晴らしい絵を世に出すため、関係する女達は、男の愛を求め作品に残してもらおうと、各々の形で尽くしていく。でも何か満たされず、空っぽで、どうすればよいのかわからない。

夢二が幼少のころから求めていた愛、青い鳥。本当の愛とは、掴むものではなく、自分で育むものではないのか。籠の鳥には、籠の扉を開いてあげる事が、愛の始まりではないだろうか。そんな終わりだったと思う。

愛とは、鳥籠を開けてあげること

いきなり結論から言っちゃいましたが、タイトルの夢千鳥とあるように、薄水色の鳥たちのダンサーが印象的な舞台となっています。宝塚の演出には結構あるあるですが、この千鳥がお芝居の余韻を深めます。

セットには大きな鳥籠のモチーフが。なるほど、出演者たちは何か見えない鳥籠の中で、愛し合い、憎しみもがいていたのかな。ラストに夢二が鳥籠を開ける瞬間、愛とは何なのか?答えを見つけ、たまき・礼奈と許しあえる瞬間がやってきます。

深いですよね。ちょっとウルっと😢来ました。

常に愛する人を探し続けても見つからないのは、自分を愛せていないからだよと。空虚な物を追い求めても辛いだけ。相手に当たるだけ。そうじゃない。夢二が後半、お葉にも捨てられ、苦悩するソロダンスシーンがあります。そこからの、鳥籠・開放です。

昭和と大正の空気感

昭和歌謡曲のゆったりとした、舞台空間に余韻を残すような演出が、たまらなく良かったです。花音舞 きゃのんさんの歌手がきいてましたね~。

昭和の高度成長期イケイケドンドンの頃、大正時代の日本男児、女性達に思いをはせる。戦争と維新が終わり、日本復活、がむしゃらに大きな夢を追い求め、権力と戦い、自由な自己表現を確立したい日本男児。女性解放に目覚め、男性と対等に夢を見たいと思う女性達。なのかなと。

映画作品のような空気感が漂い、あまり華美な演出に頼らず、主人公たちに焦点を当てるセンスある舞台展開だったなと思いました。

夢二の絵が出てくるのかな?と思っていたけど、絵画作品をメインにせず、人物に焦点を当てていたのも、良い策だなと、ほほーと思いました。

あのバーは、銀座「ルパン」かな。太宰治の特等席の写真に、何となく似ていてそれも素敵だった。いい時代。銀座にはまだ残っています。残していきたい。

キャスティングが大事なんだよぉ!

白澤監督がキャスティングが大事なんだ!と力説します。

「夢千鳥」のキャスティングも、秀逸だったと思います。宙組全組子から抜擢されたと言っても過言ではないでしょう。

まずは、男役10年目を超え、これほどの難役は無いでしょう。和希そら。夢二と白澤の2役。

宝塚史上、ここまで愛憎劇(DVあり…)やらせるなんて、あったでしょうか?外部の舞台を観ているかと錯覚したほどの白熱した男と女の愛憎劇。まさに日活映画かって感じで。

そこは宝塚ですから、タンゴを使った踊りや、立ち振る舞いにエレガントさを保ちつつ、演技力で魅せてくれます。運動神経の良さもあると思う、物凄い集中力とパワーを使って表現できる、そら。たまに見せる一筋の涙が、美しいとも思いました。

たまき役の天彩峰里

極道の妻シリーズ、イケるよね?

黒髪に長い白いうなじ。着物の着こなしは、自分で着ました感(日常感)が出ていて、なんという色気。物凄くカッコいい😆。彦乃さんをお嫁に欲しいと土下座する、たまきの目力…。

じっちゃん。いや~このキャスティング、秀逸過ぎて涙が出ます。
たまき最高!礼奈最高!👍です。

そして彦乃を演じる105期 山吹ひばり

くぅぅぅ、これまた太陽☀のような
スプレンディッドな愛らしさっ!

ご登場ですよ!未来の宙組のプリンセスかしら!元宙組の伶美うららを彷彿とさせる美人さん。そして花乃まりあのような、アニメ声の可愛らしさ。お歌もイケるね👌お目目パチクリ👀。

元々身体が弱いお嬢様で、病床に臥せっている所、両親が怒鳴り込んできたときの「私は夢二さんを愛しているのよっっ」と泣き叫ぶ名シーン!思わずこちらも号泣😭。胸が苦しくなりました。

若さって、物凄いパワーを生み出すのね🤔。

さあ、そして2幕目、第3の女。
お葉さん水音志保

文字が読めないからって。
過去に何があっても全てを愛してくれるって…。

このセリフから、彼女が今までの女性とは違うと判ります。芸大のモデルをやっていたお葉。女を売って生きてきた人だと分かります。

つまりお人形。夢二は、お葉を通して別れた彦乃を描いていた。それでも健気に絵のモデルをして、夢二の作品作りに尽くしてきた。

そのすべてを知り尽くした、
美しい横顔💋

これまた秀逸なキャスティング!罪な男だ…、夢二。

夢二と3人の女性。この4人が秀逸な事が、この夢千鳥の素晴らしいポイントの一つです。キャスティングでほぼ作品は決まる。私もそう思います。そこに拘るのが監督であり、演出家でもあります。はい、白澤監督と栗田先生が今度は被りますね。

この作品は、色々な人と時代が行ったり来たり交差するところが面白いのです。

フィナーレはTHE ショータイム

これがまた、驚くほど充実したショータイムだったわけです。よく尺、足りたよね?

作品の世界観を壊さないようにと、お芝居中心の作品になる事もありますが。夢千鳥は時代の雰囲気を楽しめるレトロ昭和な、テレビの歌謡ショーを見ているかのようなお楽しみがありました。

この公演2番手格ですね、留依蒔世からスタート!いいねえ。ここは銀座のクラブかしら。

女性陣とそら中心の「ミ・アモーレ」は中森明菜~♬テンションあがるね!歌える、歌える。

なんと、ラインダンスがあるっ!黒い鳥のような、妖艶な大人のラインダンス。亜音君がセンターでキラキラです。

「待ちましょう」峰里ちゃんセンターで羽の男役に囲まれて~。からの、そらのデュエットダンス。しっとりとしたオトナの雰囲気。

なんとなんと、黒燕尾もあるっ!作品の中にも登場したタンゴ調の、そしてやはり昭和感の漂うオトナの黒燕尾。

全てのフィナーレが、作品の世界観にあっているんですよね。そこがいい流れで良かったと思う。

で、で、2回目の本当のフィナーレデュエットダンスが。そこには最後の宙組の公演である、美風舞良さんのソロ「夢路から♬(←夢二かけてる?)」がぁ😢😢。ああ、もう涙腺崩壊。あおいさんを送り出すニクイ演出があったのです。

そらが、峰里ちゃんをリフトで回すという、凄い💪。お楽しみ満載のフィナーレでございました!

という事で、栗田優香先生のデビュー作。先生の知性とセンスの良さを感じました。特に大正・昭和の日本に焦点を当ててくれた事が嬉しい。これからの作品も大変楽しみで、違うジャンルの作品が登場してくるのだろうと、期待しています。

そしてなんといっても、この難題を、難局を乗り越えた和希そらが、人一倍大人になったなと思うばかりです。それには頼もしい宙組の組子たちが沢山いるという事。孤独ではない、皆がいるという事。

スカイステージで放送される時は、もっと深い何かを感じ取れるような気がしています。

1日限りの奇跡に、立ち会えたことに感謝して。

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