月組『ブラック・ジャック』感想2 相容れない人たちの危険な賭け『フルスウィング!』で大喝采!
福岡大千秋楽が昨日終わりましたね。
福岡市民会館、大きなホールで音響がとても良い場所でした。昨年に引き続き!お世話になります福岡、博多の皆様。月組全国ツアー観劇しました😃。
あの大きなホールで上の方から観劇しましたが、ブラック・ジャック先生の喝!!が響く響く~。
アイリスとBJの丁々発止。ケインとBJの丁々発止。緊迫感漂う、まさに”相容れない人たち”の本音のぶつかり合いが、心を揺さぶられました。
相容れない人たち
ブラック・ジャック(月城かなと)
ただの金儲け主義の潜り医者だと思ったら、実は一度死んだ人間でリハビリも大変で頑張ってここまで来た苦労人だったとか。
MI6の情報部員で、愛し合っていたケイン(風間柚乃)とアイリス(海の乃美月)
頭に傷を負った男が、甲斐甲斐しく目を掛けてくれる女を心のどこかで疎ましく思い、素直になれなかったり。
命を救ってくれたと買いかぶって見ていた男に対し、自分の地位、使命を捨ててまで男の気持ちを理解することは出来ないと、女は上から目線だったり。
とても細かい細かい設定なんだけど、結構痛い所付いてくるなと😅、3人の会話を聞いて思いました。
命が一番大事だと簡単には言えるけど、各々の立場やお金、人生経験等に縛られて、人のアドバイスがすんなり心に入ってくるとは限らない。
他にも、MI6の部長(凛城きら)や、ケインの主治医である大病院の女医ベリンダ(結愛かれん)。
それは無理だよ、評判が落ちるわ、色々な言い訳を付け、相容れない人たちが沢山存在して障壁となる…という事を前提として、それでも目的を達成させるためにはどうすればいいのか?
一種の賭けをもって、ショック療法的な気づきを与えて、一番大事な者事を気づかせる、という方法もあるんだなと、思います。それこそがドラマティックな人生なのかな。
色々な危険な賭け
まずはクーデターを起こし軍事政権を企てる賭け。
これは女王(麗泉里)の命が助かった事と、MI6が裏で何か糸を引いていた(泳がせていた)ことで失敗。
女王が最後にBJを国賓として迎えたいとメッセージを読み上げたシーンは、とてもキレイで、どことなく若い頃のエリザベス女王に似ていました👩!奇しくも2022年、エリザベス女王は96歳で崩御されましたね。
ケインは情報部のネタを賭博の道具にしていた。
それが大事となって、ジョイや自身も命を狙われてしまう。そして飛行機で高跳びしようと思っていた矢先に、神のメッセージか極度の頭痛で倒れてしまう。その頭に抱えた爆弾の破片せいで、飛行機に乗ったら気圧の影響で死ぬ可能性もあったというのに😕。
アイリスはケインをBJなら助けてくれるのではないかと懇願、不可能を可能にしてくれるだろう先生へ賭けにでる。
危険な手術であることは間違えないが、BJは乗り掛かった舟、見捨てはしない。
本人が自分の意志で検査、手術をしたいと思わないと成功はしない。ケインの頭にある銃弾の破片を取り除く手術は、一種の賭けである。
ケインとアイリスが、生きることにもっと拘って、犠牲を払ってでも、今ある生活の縛りから抜け出す事をしてでも(カッコ悪くても)生きたい、生きさせたいと思わせるために、BJは苦悩した。
人の命を救うとは、こんなにも七面倒で、ややこしくて、人間臭いものなのかな~と思いました。医者の仕事って、本当に大変だ。
正塚先生の「クスッ」は
パスワード、パスワード…
パスワードって大事です、それさえれば、私なら見てれば分かる。ジョアン(天紫珠李)より。小細工なんかできるわけねーだろ。ケインより。このやり取り、結構好きです(笑)。
あくせく汗 ←アクセス(笑)
サイン、ください!
だよね、べリンダ、いや、ヨランダ(白河りり)。
遊ぼうよ~
ボーディ(朝霧真) 、君はまったく相容れない人間だよ…
そして最後に、BJさんのいびき😴。えええ!月城さんがいびきとか、ありえない(笑える😳)。
ブラック・ジャックの影
影役の107期の一輝 翔琉くん。まるで手塚治虫のマンガから抜け出たようなお顔、ビジュアルで、なるほどの配役😀。ショーでも活躍!
さあ、影の人が本物のブラック・ジャックを演じる時が、来るのかな~😏ちょっと楽しみ。
モノクロームのコロス達、ベレー帽や懐かしさ漂う衣装とダンスなど、やっぱり独特で個人的に好きですね✨しみじみしました。
大人の幕引き
MI6の部長、最後の最後は、やっぱり大物、大人の判断だなと思いました。相容れないながらも、その先、その先を読んで選択肢を与える。
この物語、最後は部長とBJのグッジョブ、だったと思います。カッコいいな。そして、女王の感謝状。女王としての仕事もグッジョブですよ、ステキです。
2022年、中国のかつての総書記も96歳で亡くなった。そして我が国日本の元首相も、帰らぬ人となった。暗殺されたのだ。本物の犯人(黒幕)は一体何者?
なんなんだ今年は。。
思い起こすと、初演は1994年安寿ミラ。翌年、阪神淡路大震災のあった年。
未涼亜希版はは2013年、東日本淡路大震災の後にあった。
そしてBJ50周年の再演、今年の月組版。大変なことが次々と起こって、自分の価値観も替わっていく大きな時代の転換期。
運命的だって思いました。手塚治虫はすべてをお見通しだったのか。。そして宝塚も、何かの運命的な糸に導かれてるのでしょうかねぇ。
3代目ブラックジャック。あたりを見回しても、確かに、確かに月城かなとが適任かもなと、思いました。
今作のMVP賞とさせてくださいっ🙆!
ショー『フルスウィング!』は大喝采!!
そりゃそうでしょう~。まあ、ちょっと暗めのジーンとしたお芝居の後には、ぱぁぁぁって明るいショーがいい!これです、これ、みたいな。皆で盛り上がりました。
2022年は色々なショーがあったけど、三木先生の往年のジャズショーというのも貴重かなと思いました。
月城かなとの歌一本で劇場を包み込む感覚。1つ1つ丁寧に。肩でリズムを取り、アイコンタクトでみんな仲良くカッコよく。
そして娘役も時に男勝りに、色気たっぷりに。『グレートギャツビー』をからの、さらにブラッシュアップされたフルスイングで楽しかった!です。
From This Moment On この瞬間から
大喝采の福岡でございました!
福岡の美味しいものが止まりません。さあ、今晩は何を食べようかな☺