花組『CASANOVA』感想1 明日海りおミュージックビデオのよう




花冷えのする日比谷。宝塚を観てみたいという友人を連れ、カサノバ観劇に出かけました。
友人よ、あなたはラッキーな人だ”と何度も伝えておきました。なかなか花組はチケット取れませんからね~(他組も同様か)。

生田大和先生のオリジナル一本物ミュージカル

そう、この作品は、生田先生の初・一本物だったんですね。大変な作業だったと思われます。

時間はいつもの2倍。最後にミニショーが付くし、時間が沢山あるからてんこ盛りにできるかもしれないけど、1幕と2幕の緩急を付けないと間延びする(飽きる)可能性も大。原作がある程度あるものの、カサノバとは謎の多い人物で、どの部分をフューチャーするのかによって、面白さも変わってくると思う。

また大劇場という大きな空間と、組子全員をいかす事が求められます。別箱公演とは違う大変さがあると思います。

音楽はフランスのドーヴ・アチアさん

『1789』『アーサー王伝説』を手がけたフランスのドーヴ・アチアさんが曲書き下ろして下さった!宝塚って、とてもリスペクトしてもらっている感じがしますね。月組が成功を収めていますから、安心して曲提供もしてくれるのかな。フレンチロックが効いてて、良い意味で宝塚っぽくなかった。

舞台はヴェネチア それだけでロマンチック

ヴェネチア、いいですよね~。今回も最近流行りの映像と盆を駆使して、ゴンドラ、ゴンドリエール登場で、水の都ヴェネチアの雰囲気を出していたと思います。照明の使い方も上手いですよね。途中途中出てくるミラーボールも効果的で、ステキでした。

2幕登場のヴェネチアカーニバル。きっと香水がほのかに香っていましたよね。一階席ではとても良い香に包まれて、宝塚ってこういうのがいいよね~キラキラな金粉や香りをまとうような。

 

明日海りおの魅力が詰まっている

宝塚っぽくない、でも最近良く耳にする今風な音楽。だからかな、、まるで

みりおのミュージックビデオをみてるような。

衣装は、どれもコレも良かった。みりおにぴったりの衣装がたーーくさん。普段使わないような色合い、配色、光沢感、淡い色使い。

私的には薄い水色の上下の衣装が一番好きだったな。特に最後のパレードの、

大羽の淡い水色のナイアガラが、ス・テ・キ💖

最後の最後まで、衣装が凝ってた、美しかったです。

デジャブ感が満載(=宝塚の王道)

私が宝塚を観過ぎているから、いちいち突っ込みたくなるだけの話ですが。

簡単に脱獄できちゃうのね・・・

ちょろすぎる…。カルボナーラ大盛りの差し入れだけで😅
もっと女性達の手助けでマジックのように脱出しちゃった(テヘ)とか、ひねり欲しいなあ。

2番手は黒い長髪、黒い衣装、悪い奴

『ルパン三世』のカリオストロ伯爵、『All for One』のベルナルド 辺りが近い。おんなじカツラなの?黒いお役で殻を破るってやつですね。

突如現るラップでの掛け合い(上手だからGOODだけど)

AFOでは、暁千星ありちゃんがバイト?してた、劇団の皆でラップやってたよね。白雪さち花姉さんが、めちゃくちゃ上手だった。
1789では、龍真咲ロナンが自分の生い立ち、苦悩をラップで歌ってたヨォ♪

いいんだけど、なんか日本人がラップって、取って付けたような感じになるのが、ちょっと。

これこそ歌唱力が物を言うのでしょうねぇ。大変だ、ジェンヌは。。

お互いの素性を知らぬまま、恋に落ちる

AFOのルイ14世は男だったり、女だったり。まあ色々大変だったけど、愛希れいか ちゃぴの演技力が素晴らしく、コメディの間が抜群だったので、凄く楽しめた。珠城りょうの素朴さと合ってたよね。

仙名彩世ベアトリーチェが、カサノバだとは知らずに、みりおと一緒にカサノバを追いかけようとする馬車のくだりは、クスっと来ましたね。あれはおかしかった。

カーニバル(お祭り)で事態は一変する(無礼講ってことね)

仮面舞踏会って、絶対必須アイテムだよね!

顔を隠したら何でもできちゃうのかいな?ま、昔の貴族にとっても必須アイテムだったのかもしれないので、こちらはコレで良しとします。でもさすがに食傷気味ですな。

芝居を利用して気持ちを伝える

生田先生の『Shakespeare ~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~』を思い出しました。朝夏まなと演じるシェイクスピアが、エリザベス女王の前で演劇を披露するシーン。あれは良かったな~。面白かったですよ。

AFOも同様なシーンがあります。劇団の上演中にルイ14世の双子の男の子 風間柚乃 おだちんが登場します。

カサノバでは、モーツアルトが作った新作オペラ「ドンジョバンニ」が登場します。この流れはいい!ああ、望海風斗の『ドンジョバンニ』。再演して欲しいな~生田先生。もう一回みたいよぉって思ったりもしました。89期~。

 

親は娘の幸せを一番に考える

最後は、やっぱりこれかな。ホロッと涙する場面でもあります。

娘を信じて、愛する人と一緒になる事を認めるシーン。

『ロミオとジュリエット』はそうはいかなかったけどね。

以上、カサノバには全て揃ってました。

ファースト宝塚には良かったと思う

というわけで、全部盛りなカサノバだったので、ファースト宝塚の友人にはナイスチョイスだったかなと思っています。

ただ、一本物なだけに、若干飽き気味?だった感じで(たまにウトウトしてた)。まあ初めての宝塚だからしかたないですよね。大階段が出たときには、目を輝かして「OH~すごーい😍」ってなってたので、シメシメと思いました。

大空ゆうひが主演だったら、私は100%満足したはず

・・・なんですよ。

私にしてみれば、ご贔屓が主演だったら、めっちゃ楽しめたと思います。

ゆうひさんだったら、やっぱりスーツをとっかえひっかえするよなーとか、ハットは必需品だなーとか。苦悩するシーン大目とか、そんな事ばっかり考えちゃいました。

逆に言うと、贔屓でない他組ファンが見ると、

ちょっと置いてけぼりを食らった がありました。

みりおが出るたびに、オペラがガサッと上がり、じーーーっと凝視している皆さん。

私は後ろの方に入る女の子達を見たり、花道にいる下級生を見たりしてたかな。

 

小池修一郎作『All for One』との大きな違いは…

生田先生の師匠であるイケコのAFOに、とても似ている(リスペクトしている)と思った。AFOも全部盛りだったし、イケコはそれをあえて計算して成功した作品だと思っています。

では、AFOにあって、カサノバに無かったものは、

コメディ要素の数😆

だったと思います。ご贔屓でないファンが見て楽しめるには、やっぱり笑いだと思う。

そう思うと、イケコはちゃんとAFOは「コメディーです」って組子に宣言してましたから。

もちろん、瀬戸かずや あきらが、お笑い担当で随所で面白い事をやってくれてましたよ。ついついオペラで探しちゃいましたから。

そして、みりおちゃんご本人も、ゴンドリエーレ髭面で面白い事をちょいちょい言ってました。

でも、もっと身体をはった、計算された笑いを追加してくれたら、良かったな~と思います。

私はコレではいかんと思う

結論として、私は、このままではいかんと思う。

生田先生、もっとテコ入れできる箇所があったのではないかな🤔?

いや、これは一本物ではなく、お芝居として1時間25分ぐらいでまとめた方が良かったのでは…と思いました。

音楽提供してもらっただけに、ミュージックビデオ的な作品になっていた。提供曲を切ったり略したりできない事情もあるかもしれないけど、細かいところでテコ入れしたら、もっと面白いのに、勿体無いなーと思ったりもしました。

これからの宝塚を背負って行く、王道演出家・生田先生。次の公演も期待してますよ。

次はキャストの感想を書きます!

花組 祝祭喜歌劇
CASANOVA
作・演出/生田 大和 作曲/ドーヴ・アチア
東京宝塚劇場 2019年3月29日(金)~ 4月28日(日)

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