宮沢りえ主演 舞台「アンナ・カレーニナ」男女の心をえぐるロシア文学 ドリー役で大空ゆうひ出演




時間が経っちゃいましたが、シアターコクーンで上演している「アンナ・カレーニナ」を観てきました。コロナ禍にいったん中止となり、2023年に復活です。

ナタリーさんより。本当に美しい舞台でした。
連日満席、舞台好きの観客方も大満足の作品だったと思います。

この渋谷文化村にあるシアターコクーンが建て替えで、4/9で一旦終わりになっちゃうんですよね。ちょっとシミジミしちゃって、もう一度文化村を満喫しておこうと、再度訪れるつもりです。カフェデゥマゴでお茶したいし。

宮沢りえ 完熟の美しさ

宮沢りえの舞台は、個人的には野田Mapでの印象です。今では演出家も虜になる、頼りになる大女優さんですよね。なんといっても

色褪せない美しさ✨。生で観るとより分かる😃

アンナカレーニナ、ピッタリじゃないですか。年齢的にも年相応で、その色香が溢れる存在感!
鬱屈した生活の中で愛と自由を求め続け、誰よりも戦い、愛し抜き、心も体も捧げる。アンナカレーニナの人生が壮絶で、でも誰もが羨ましいと、心のどこかで惹かれる存在だった。

まるで彼女の人生のようで、このタイミングで出会った当たり役!と言っても過言ではないと思います。もっとこういうタイプの宮沢りえを観てみたいと、思いました。

簡単なあらすじ※ネタバレあり

ロシア・サンクトペテルブルクに住む政府高官 カレーニン(小日向文世)、妻のアンナ・カレーニナ(宮沢りえ)には一人息子がいる。

アンナの兄オブロンスキー(梶原善)の浮気が絶えず、困っている妻ドリー(大空ゆうひ)の依頼で、アンナは彼らの住むロシアの家を訪れる。

オブロンスキーの若き友人で、田舎農園のリョーヴィン(浅香航大)は、ドリーの妹キティ(土居志央梨)に求婚するが、キティは若き青年将ヴロンスキー伯爵(渡邊圭祐)に恋をしていた。ヴロンスキーはキティに優しい顔をするも、偶然にもアンナと出会ってしまい、2人は一気に恋に落ちてしまう…。

カレーニンは世間体を気にし、アンナの初めての恋に否定しつつも、どうせ戻ってくるだろうと、どこかアンナを信じたいという思いもあったと思う。息子を残して我らの元を去るのだろうかと。

離婚が成立しないまま、アンナは一途にヴロンスキーを愛する。世間は2人に冷たい。娘を出産するも命がけ。生死を彷徨い、精神がだんだんと弱って行き、アンナはカレーニンの居る家に一度帰ろうとする。しかし、やはり2人は離れられない。

アンナとの生活の為にも仕事しなきゃならないヴロンスキー。仕事の条件で、カレーニンと離婚して結婚して欲しいと迫る(これもつまりは対面のためかな?)。結婚を執拗に迫る事にアンナは激高する。私という人間を愛して欲しいと。

ついにアンナは列車に飛び込み、自ら死を選ぶ。

アンナは精神を病んでいくという事だが、心から愛するとはどういう事なのか?一見矛盾しているようなアンナの叫びは、女としては、腑に落ちる気もした。

ドリーはすったもんだしつつも、結局5?6人目の子供を身ごもる。私は小作りマシーンか?体形は崩れ、また夫は若い女へと向かう…。そんな自分をみてアンナの生き方に共感する事もある。自分の人生のふがいなさを感じつつも、今の人生を受け入れていく。

キティは、ヴロンスキーとは真逆の田舎者リョーヴィンから、再度の求婚を受け入れ、結婚する事を選ぶ。ヴィロンスキーを奪ったマリーの事も、リョーヴィンの昔々付き合った女性の事も許し、2人仲良く子供と暮らす生活を選ぶ。

エグイ心の声を晒す

舞台は上演時間:3時間45分😳。な、長い!ちょっと驚いちゃいましたが、それぐらい密度濃い、色々な立場のロシア人の生活、考え方、思い、息子アレクセイの思いも、沢山つまった作品でした。

最近よく見かける、舞台転換の無い、小道具や椅子や照明でどんどん場面が変わって行く、あのスタイルは見ている側のストレスもなく、そのまま別世界に誘われる感じですね。

演出家がフィリップ・ブリーンさんで、かなりエグイというか、そこまで男女の心の声を舞台でぶちまけちゃうか!って演出でした。

出演者の心の声は、客席に向かって話しかける😄、ちょっとコミカルな演出が面白かった。小日向さん VS 宮沢りえは、TVのバラエティー番組かと、クスっとした。

ロシア文学、嘘が無いというか、そこまで心えぐるか…っていう辛い思いもあった。
アンナの命がけの出産。。。血みどろで登場でおぉぉ…と迫力が凄かった(まるでホラー)。でもこれが現実、女性は凄い。
日本では秘すれば花、あまり目にしたくない事。異文化体験というか、ジワジワきます。

ドリーの自白というか、自分のふがいなさをぶちまけるシーン、もの凄かった。そんな風に思ってたんだと…。ゆうひさん、迫力あります😏。

エゴサーチならぬ、夫の日記をむさぼるキティも、可愛い顔してやる事が悪魔だと思った😈。

その中で印象的な言葉が、許すこと です。
ロシア文学をそんなには知りませんが、「戦争と平和」でも、”許すこと”が人々を救っていた、という思い出があります。

何が正しいか、何が真実か、それだけでは生きてはいけない。世間体も、誘惑も、全て事実であって、自分が選択した事ひっくるめて、相手も自分も許してリスタートする。生きて行くには、何度もリスタートすればいいとも思った。

個人的には、宝塚版アンナカレーニナが記憶に新しく(美弥るりか、海乃美月、月城かなと)、どっちに転んでも美しい殿方だったので(笑)、アンナは贅沢ね~って思ったりしたけど😅。

アリョーシャとアンナは、とにかく情熱的に愛し過ぎた。行くところまで行った、という感じでした。その結末が悲劇であったとしても、それを受け入れる覚悟があった。それはそれで、幸せな体験だったかも?しれません。

舞台「アンナ・カレーニナ
1部 1時間40分、休憩20分、2部1時間45分

Bunkamura シアターコクーン:2023年2月24日(金)~3月19日(日)
森ノ宮ピロティホール:2023年3月25日(土)~27日(月)

原作:レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ
上演台本・演出:フィリップ・ブリーン
翻訳:木内宏昌
出演:宮沢りえ、浅香航大、渡邊圭祐、土居志央梨 、西尾まり、菅原永二、深見由真、金子岳憲、井上夏葉、高間智子、片岡正二郎、真那胡敬二、大空ゆうひ、梅沢昌代、梶原善、小日向文世 ほか

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