「ザ・ミュージック・マン」感想 坂本昌行&花乃まりあ バンド演奏に心温まる 詐欺師と堅物司書のハッピーストーリー




日生劇場60周年の演目の一つという事でした。ブロードウェイ・ミュージカル「ザ・ミュージック・マン」を観に行った感想を残しておきます。

1950年代に上演されたトニー賞作品、有名な古き良きブロードウェイミュージカルといった感じで、私は初めて観ました。音楽の男?どういうこと?ポスターからもどんなんやろう~って謎の状態で観劇しました。

主演は坂本昌行でヒロインは花乃まりあ。ヒロインのお母さん役に剣幸😃
かのちゃんとうたこさんの親子って、2度目?昨年の「THE PARLOR」が好きでしたので、面白そうだなと。

セールスする町の市長が、六角さん!私(私のパートナー)にとっては呑み鉄、麵鉄の師匠。奥様が私の大好きな森くみさん。なかなか豪華で面白い顔ぶれのミュージカルです。

古き良きアメリカのユーモア溢れる、良く言えば優秀なセールスマン、実態はただの詐欺師(笑)のイイ男・ハロルドが、堅物しか住んでいなそうな古い町に乗り込んで、出会った堅物の図書館司書マリアンと出会う話。

その当時のアメリカの状況や、聞きなれないキーワードについて、A4の1枚のチラシで無料でいただけたので、凄く入りやすかったです。

このパターン、ブロードウェイに良くある話で、男は軟派な奴、女は真面目一筋でちょっと隙がある。お互いの心がほどけて、2人の性格が足して2で割って丁度良いみたいな、ラブストーリーに展開する素敵なお話。
「ガイズ&ドールズ」と「マイ・フェア・レディ―」と「ハロードーリー!」をちりばめた様な、なんというか懐かしさ盛りだくさんのミュージカルだなと思いました。

森くみさんの「ピーチクパーチク」お喋り女達に笑ったし、お子様たちが沢山登場し、最後のパレードの演奏シーンは泣😭。本当にこういうのに弱いんです。

このセールスマン、子供達に「バンドチームを作ろう!」と話を持ち掛け、制服や楽器など先払いで買わせて、そのお金をちょろまかして逃げる😳っていう詐欺手法なんです。何度かこの方法で儲けてきたらしい😓。

一見すると、全く悪い人に見えない所がニクイというか、こんないい人が悪い事するなんて思えない~😆って感じの坂本さん。私はミュージカルで初見でしたが、とってもミュージカルがお上手!なんですね!!(←スミマセン、素人発言で)

かのちゃんの歌声は高音まで本当に美しく、コメディ・ミュージカルがやっぱりお似合いなんだと、本当に素敵なヒロインで、カーテンコールでは思わず涙ぐむ😢。

簡単なあらすじ※ネタバレあり

アメリカの町を列車で渡り歩くセールスマン・ハロルド(坂本昌行)。詐欺を働き、そしてまた次の町に向かう。
セールスマン=詐欺師という汚名がついては困ると、セールスマン仲間からも追われてる始末。

たどり着いたアイオワ州のリバーシティという田舎町は、市長(六角精児)と市長の妻(森 公美子)がいる、とっても真面目で辛気臭い感じ。こういう町だからこそトラブルはつきものだ!ハロルドはトラブルの解決を親身に聴く体で、皆でバンドを作りましょう!と持ち掛ける。
バンドを作れば町は明るく、犯罪トラブルもなくなると。なかなか良いアイデアだと、親達、子供達はハロルド教授(音楽教授ってことで)に従う。

多くの蔵書を管理する図書館の司書をするマリアン(花乃まりあ)。ピアノの教師でもあり、母(剣 幸)とも子供にピアノを教える。小さな弟が吃音で引き篭もりがちなのが、マリアンと母の悩みの種。そんな弟がバンドに入りたいと、ハロルドと話すうちに明るくなることを、マリアンは喜ぶ。

マリアンに近づくハロルド。弟の事もあり、いい人かもって(←母の方が結婚して欲しいアピール😊)思っていたのに、セールスマン仲間チャーリー(藤岡正明)に、ハロルドの詐欺について聞かされてしまう。

困った…、でも弟にこの嘘を伝える事は可哀想。

ハロルドのおかげで町は歌やダンス、思っても見なかった明るい効果が出ている反面、徐々にバンドの楽器が来ないぞ、練習はイメージトレーニングばかりで、本当に演奏を教えてくれるのか?疑惑が上がってくる。お金は前払いで払い済み。

いよいよ嘘がバレる!という時に、マリアンは逆にハロルドへ「イメージトレーニング」の成果を出してみて!演奏できるわよ!とハッパをかける。。

嘘から出た誠、とでもいうのか。子供達とマリアン先生、そしてハロルドの指揮に従い、感動的な演奏をする事ができ、ハッピーエンド♬

子供達のバンドの演奏は本当に素晴らしくて、救世軍のマーチのような、楽しい場面でした。

超簡単ですが、こんな感じかなと。

マーケティング=洗脳=イマジネーション=叶う

セールスマンが使うマーケティング方法って、つまりは洗脳ですよね。

その商品が欲しい、使いたい、購買したいと思わせる手口。最近のスマホ上でのステルスマーケティングなんて巧妙すぎて気付かない位です。
マーケティングって言葉はカッコいいけど、結局は洗脳じゃん。でも、洗脳させられたから、楽しい購買が出来たともいう。

あの車を買えば、ピクニックやキャンプに行ったり、横断旅行もできるぞーって、色々イマジネーションが膨らみます。スポーツも演劇も、イメトレって大事だって言うでしょ?自分が演奏している、競技しているイメージトレーニングを積んでいる事で、本当に実行する事ができる。

つまり夢が叶う。叶っちゃうんですね~✨!!ってお話だったと思う。

市長さん達は、頭ごなしに出て行け~!!って怒るけど、ちょっと見方を変えて、そのセールスマンを詐欺師からマジシャンに変えて、良いヤツに転換しちゃえばいい。マリアンの懐の大きさと、大人の女性(ただの堅物じゃないぞ)っぷりが、素敵だな~って思った。

破天荒だからこそ生まれるミラクルって、あるのかなぁって思います😃。

災い転じて福となす、とか、ピンチをチャンスにかえる、とか言いますしね。

詐欺師は、詐欺という手法でしか金を稼ぐ方法を知らなかったのかもしれないし。良い教育係=女性が付けば、一周回って良い人にもなれるかもしれない。

っていうか、世の中は詐欺まがいの事が沢山あって、それで成り立っているんじゃないかなと…。当時のアメリカの人たちはミュージカルを通して私達に教えてくれていたのかなー😌。

という事で、ご家族で観たらとっても楽しいと思う、素敵な心温まるミュージカルでした!

そして坂本昌行さん、第48回菊田一夫演劇賞、受賞おめでとうございました!

ブロードウェイ・ミュージカル
ザ・ミュージック・マン

第1幕80分、休憩25分、第2幕65分(合計約2時間50分)

日生劇場:2023年4月11日~5月1日
御園座:2023年5月6日~7日
梅田芸術劇場:2023年5月12日~15日
静岡市清水文化会館マリナート:2023年5月20日~21日
博多座:2023年5月26日~28日

原作:メレディス・ウィルソン
演出:ダニエル・ゴールドスタイン
出演:坂本昌行 花乃まりあ 小田井涼平 藤岡正明 山崎大輝 水嶋 凜
六角精児 森 公美子 剣 幸

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