美弥るりか主演「THE PARLOR(パーラー)」バーチャルとリアルの融合 小さな自由を紡ぐカタリバ




やっぱり私は美弥ちゃんが好きなんだな~。この個性、世界観。
ゲームクリエーターの役と聞いて「オーシャンズ11」リビングストンを思い出す方も多いはず。あの雰囲気の少女が素敵な大人になった感じ。

演出家・小林香さんのオリジナルミュージカル。これ、オリジナルだったのですね(スゴイ)!後から知って益々興味深かった。今を生きる人達、老若男女問わず共感できる部分が沢山あって、とても素敵な作品でした😃!ナタリーさんより。

PARLOR(パーラー)とは?

私はフルーツパーラー🍨を頭に浮かべた。時代によって意味も多様化されたようで、談話室、喫茶室、美容室、のような意味があるらしい、フランス語。フムフム、サロン的な?何か皆が集まる場を意味しているんだなと。

月組元トップスター剣幸、月組元2番手美弥るりか、そして月組で初舞台を踏んだ!花乃まりあ。この3人のコラボレーション、各々の個性がとても自然体で新鮮でした😃。

簡単なあらすじ※ネタバレ

HOME or NOMAD

LAに住む人気ゲームクリエーター円山朱里(美弥るりか)。母を6歳で亡くし、育ててもらった祖母・阿弥梨(剣幸)から帰国して欲しいと言われ、パートナーのキリともうまく行かないし、久々に日本に戻る。

阿弥梨さんと母・千里(花乃まりあ)が営んできたお店(パーラー)を売却しようという相談だった。
年季の入ったレトロな佇まい。いつの間にか、朱里のファンが集まる聖地となっているこの店。ひいお祖母ちゃんの時代は談話室、阿弥梨さんは美容室、千里は珈琲が飲める喫茶室として、パーラーは受け継いできた。

そこに阿弥梨の孫・草笛 灯(花乃まりあ 2役)が、父が経営するおもちゃ会社のボードゲーム「Toi Toi Toi」を朱里にオンラインゲーム化してくれないかと訪ねてくる。パーラーの常連達は是非受けなよ~と応援する。

父・草笛遊史(坂本健児)は、母・千里の再婚相手で、灯がお腹の中にいる時に交通事故で亡くなった。無事生まれた灯は草笛家に引き取られ、朱里と阿弥梨とは初対面だった。娘とそっくりな灯をみて、阿弥梨は驚く。

「Toi Toi Toi」は男は出世し、女はお姫様になる、みたいな、いわゆる勝ち組人生をゴールとしているゲームで、朱里は大嫌いだった。そっち側の人間しか世の中に居るわけないじゃない。そのレールに乗っかれないような人達が、パーラーには人生相談に集まっていて、自分を変えたい、小さな自由を掴むキッカケで、ヘアスタイルを変えたりしていた。

父・遊史は、円山家に関わる灯に忠告をする、朱里には任せたくないと。プレゼン納期を早められ俄然不利な状況となった朱里だが、パーラーを辞めると決めた阿弥梨から聞いたパーラーの歴史や、灯が朱里や阿弥梨に会いたかった気持ちなど、色々起こった出来事に向き合い、朱里の方法で、この「Toi Toi Toi」のオンラインゲーム化を考える。

プレゼンは実際にメタバース空間に仲間達がアバターとなって、難題をクリアしていく。そこに遊史にも参加してもらう。映像とゲームキャラ(アバター)と演者が一体となり、新感覚な映像とダンスのコラボレーション等、アートだわ~面白かったです。

各々が抱えていたリアルな課題について思いをぶつけていく。
灯は母の事を知りたかった、何故亡くなったのか?遊史はトラウマだった、草笛家に結婚を反対された千里が、雨の中帰る途中に交通事故に遭った。阿弥梨は自分より先に死なれた娘を忘れられず、朱里は草笛家を憎み、レールに乗らない自分の人生観、ジェンダー観をネガティブに思われるのではないかと思って生きていた。

そこで分かる。語り合えば、誰も悪くないし、皆辛かったんだなと。阿弥梨はパーラーをやっぱり続ける事にした。誰でも大歓迎!だと。

朱里が手掛けた「Toi Toi Toi」オンラインゲームは無事にリリースされ、様々な人達の価値観を受け入れる、新しい考え方に社の方針を変えていくと発表した。

そして朱里は一旦LAに戻り、いつも通りクリエーションを続け、可愛らしい声のパートナーともよりを戻した(らしい)。NOMADを選択していた今までとは違い、HOMEとNOMADの間で、自分の荷物を下ろして生きていこうかなという感じかなと。

朱里に私は共感します🙋

美弥ちゃん演じる朱里に大変共感したかなー。
自分の人生を、自分で作り上げている。ちょっとだけ家族や世の中に対して、後ろめたい気持ちを引きずりながら。大変人気者の作家先生なんだけど、顔出しは一切しない。

朱里がゲームの中で、自分が信じる世界を作って、共感できる仲間、ファン達と交流をしていた事に、共感できます。レール上の人生だけじゃないんだって。

どうせパーラーにあなたは帰ってこないでしょ?ってお祖母ちゃんの阿弥梨さんに言われて、終活に入ろうとしていた所、子供のころのパーラーでの母との思いでや、ザザさん、アリス、巧の存在など、今まで目を向けていなかった世界を知る。今まで背を向けていたのは自分だったのか…。
ちょうどいいタイミングで、灯という可愛い妹が現れ、父との対面、生前の母の戦い、リアルな出来事に向き合わざるを得なくなる。神のお導きなのかな~。

なんだか、私個人に大変被るセリフ、境遇。ああ、私もこのパーラーを観なさいと、ちょうどいいタイミングに導かれたのかも。

自分の話ですが、最近母とLINEで、私達のルーツについて探索するのがブームになっています(笑)。様々いる親戚の中で、母と私は何か違うって感じていて、母の祖母が普通じゃ無かったよね?とか、白黒写真見てあーだこーだと。
最近一番の理解者となっています😊。不思議だー。若い時は常に口喧嘩、平行線をたどり、一生交わらないとばかり思っていたのに。

パーラーは4世代の女性達が紡いできた語り場。女性が紡ぐ、なんだかわかる気がするんですよね、最近。

バーチャルとリアルの間

オンラインゲームを作る5つの法則を語ってくれてたんだけど、あまり詳しくないので覚えられなかった(笑)。ゲームをすることはほとんどない私ですが、凄く面白かったです。

私の仕事の周りの男の子達は、ほぼオンラインゲームの住人。
この子達大丈夫か?って何も知らない私は思ったけど、彼らにしてみれば、例えば”接待ゴルフ”のように、ゲームに参加する事によって、お互いの性格や作法など、色々分かるらしいんですよね。団結力も生まれるし、嘘にまみれたリアルな世界よりも、よっぽどファンタジー溢れる魅力的な世界なのかもしれないなと。リアルとバーチャルをしっかり使い分けて、今の時代を謳歌していますよ。

でも、でもやっぱりリアルな語り、出会い、触れあいが必要だよねと、このコロナ禍で実感していると思う。

私もパーラーみたいな場所に行ってみたいし、夢みたいな話ですが、自分でも老後にパーラーを開きたい(なーんて)。誰ても大歓迎!って言ってみたい。

年を重ねた人の価値って、仕事場で自分はどうあればいいのかって、悩むときがあると思います。ある先輩からアドバイスをもらったのは、”勘所だ”と。年の功ってやつですよね。そんな場があったら楽しいだろうな。

作者演者が個性的で全方位キャッチ

美弥ちゃんの洋服のセンスが、ユニセックスでカッコよかったな~。ゲームのアバターの衣装は、ゲームのキャラクターみたいで、SFショーを観ているかのようでした😃。

かのちゃんは歌に演技に、本当に上手。小林香さんが全幅の信頼を寄せている理由がわかる!美弥ちゃんのお母さん!?って思ったけど、肝っ玉母さんの片鱗を観た気がします。

お祖母ちゃんのうたこさん。さすが美容師さん、グレーヘアーのセットがとっても美しいの。憧れのパーラー主人です。歌や踊りは、トップスター時代を思い出させる瞬間が、個人的なツボでした😋。

ザザさん(舘形比呂一)はスカートを履きたい男性・スタイリスト。アリスさん(北川理恵)は小さくて、女の子らしいワンピースと長い髪をしないと旦那さんに嫌われると思っているゲーム好きな子。巧君(植原卓也)は、紅という8歳の娘がいるシングルファザー。娘が黒ずくめの服しか着なくて、いじめられている事を悩んでいる。

父、草笛は会社の社長として古い価値観の中、成功を収めた人。変わった人たちが集うパーラーで働く千里を良くは思わない家族に、NOと言えなかった…。

ね?この時代に生きづらいと思っている個性豊かなキャラクターが、もれなく集ってるな~というラインナップだったなと思っています。誰もが共感できるファクターがある。

そして最後になりますが、作曲はアメリカのクリエーター、アレクサンダー・セージ・オーエンとのコラボレーションで、一度も面会せずZoomを使って打ち合わせしながら完成させたそうです。
まさに、まさに~この作品の世界観らしい話ですよね。カッコイイなー、今風な今を生きる人達のための、随筆のような自然体ミュージカルだった。歌が詩のようでした。

心地よい涙が頬を伝い、出来立てほやほやのオリジナルミュージカルを体感出来たことに、拍手だな👏👏!って思いました。

再演、演者を変えた再演出、なんかも面白いのではないでしょうか。映画化されてもいいよね。

ミュージカルTHE PARLOR
上演時間:2時間15分(休憩無し)

2022年4月29日~5月8日 よみうりホール
2022年5月14日、15日 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

作・演出:小林香
作曲・編曲:アレクサンダー・セージ・オーエン
出演:美弥るりか花乃まりあ、植原卓也、舘形比呂一、北川理恵、坂元健児、剣幸

ライブ配信が5/4 決定したとの情報!もう一回みよ~っと😆。

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