轟悠&風間柚乃『チェ・ゲバラ』感想2 主なキャスト
轟悠&風間柚乃 役者な2人なんだな~。
エルネスト・ゲバラ:轟 悠
「チェ」とは、スペイン語で友、ダチ、おまえ、おい、みたいな感じで使うらしく、そのままチェって名乗ってたらしい。へー知らなかった。
ゲリラ指導者=過激派で、敵というイメージが強かったけど、発端はみな同じ、貧しい物を救いたいという思いからスタートしている。
ゲバラはもともと裕福な家の医者。人に施しをする事を厭わず、欲にまみれる気もなく、信念を曲げたくない気さくな兄貴だったんだな。政治が絡むと、嫉妬や煩わしさから敵対視されてしまう歴史はたくさんある。
なぜ20世紀で完璧な人間といわれたかというと、一切、国や名誉、欲を捨てて、困っている市民がいれば行って助けてあげて、戦う方法を指導してきたから。なるほど、よくわかりました。
うん、これは理事のための、理事が演じるべき題材だな~。原田先生、さすがです。
もう少し理事が若くても良かったかもしれない(実年齢的に)。しかし、宝塚でゲリラ指導者?って反対される可能性もありそうだし、なかなか過激な内容だと捕らえられかねない。
そこを、理事の扮装、なり切り具合が、まさに芸術の域まで達しているかのような、そこをポイントとしてミュージカル化すれば、内容の事をどーこー批判されることも半減されるかもしれない。よきタイミングだったのかも。
スミマセン、、全然理事の感想を書いてないな。自分なりに、なぜゲバラなのかって自問自答してました。題材は結構重たい内容ですから、簡単にいうと薄っぺらい人がさらっとやれるものじゃない。でも、革命家たちはみんな若い青少年たち。
きっと、色々な自分の境遇とか、オーバーラップさせて燃え滾るものを演技にぶつければ、革命家の勢いは舞台に息づくと思う。それが役者、表現者なのかな。
理事を先頭に、月組生はみな演技にぶつけていたと思います。理事の存在無くしては、できなかったでしょう、きっと。
フィデル・カストロ:風間 柚乃
月城かなとの代打。でも、代打でもないよ、これ。
彼女自身が戸惑ったかもしれないけど、やるっきゃない。やれるんだよ、これがまた。
髭がよく似合うし、黒塗りは『オンザタウン』のオジーでも見せてくれたけど、野獣系が似合う。でも今回のゲバラは、知的な香りも顔からにじみ出ていた。キューバを救う若き弁護士のリーダーと言われれば、納得するいで立ちでした。
小手先の演技や経験ではない、実に身から出る力というか、見ているものを引き込む正直な目があった。二人で対峙するシーンは、とても力強かった。
文句なく、今回のMVP賞です。
アレイダ・マルチ:天紫 珠李
じゅりちゃんにぴったりの役でした。パンツスタイルにベレー帽を被った、革命に身を投じる女性記者。はっきりセリフが聞こえて、強くて賢い女性だとすぐ分かりました。
歌も高い声でがんばっていました。地声っぽく歌う所は、苦労したかもしれないけど。
宝塚の娘役の域を彼女は越えてるよね。
何かいい役、今後も無いかなー。(いい相手役も)
フルヘンシオ・バティスタ/アンドレス・セルニ:光月 るう
もう敵役として不足無し!
憎たらしいったらありゃしない。1幕のバティスタはキューバの大統領でアメリカとズブズブの悪者。キューバ革命が起きたときは、畜生!って言って国外亡命。あんた、ずるいよ!
2幕はボリビアの指導者かな。人でなし~~。戦争とは人を狂わせるもの。誰か敵か味方か分からず、危うきものは抹殺。思考停止。そんな軍人をるうさんは、演じてました…。怖いっす。
エル・パトホ:千海 華蘭
実在の人物なのかな、メキシコで出会い、お金のないゲバラと一緒に街頭写真を撮って稼いでいた。小さな男という意味らしく、飄々とした明るいラテンアメリカの男性がぴったりだった。
月組お馴染みの男役。今回はどんな役なのかな~っていつも楽しみにしています!
ギレルモ・ガルシア:輝月 ゆうま
家族がゲバラに助けられたことが縁で、最後のボリビアの革命まで一緒に行くことになる。サトウキビ農園で働き、ゲバラ達革命家と共に行動する男。
ネットで調べると、90歳まで生きてキューバ革命の生き証人といわれているそうだ。
サトウキビ畑で家族と共に働き歌うシーンが、まゆぽんのソロのシーン。太陽が降り注ぎ、笑顔いっぱい。明るいまゆぽんのもう一つの顔、かな。
エリセオ・ガルシア:きよら 羽龍
まゆぽんガルシアの息子、でなく、弟でした。
誰かと思ったよお~、お羽さん!声が清らかな小さい坊主。ゲバラから字を教わり、本を読むことで、貧しい農民でも知識を得る事を教わる。悲しい最期なんだけどね。。客席からはすすり泣きが聞こえてきました。名子役。
ミゲル: 蓮 つかさ
カストロの仲間で、キューバ革命の一員。ゲバラにはじめは心を開かず嫉妬心から距離を置いていたが、なんどか助けてもらう事があり、最後のボリビアまで同行する。
見た目若い聡明なハンサムさん。れんこんらしさが垣間見れて、とても良かったけど、
「戦争なんて皆狂ってる!」っていう演技は、本当に目が行っちゃって…、狂った演技が怖くて良かった。あんなれんこんも居るんだ~って感心。白熱した演技が見られて、れんこんの芝居いいなーって思いました。
レイナ: 晴音 アキ
ハバナのクラブの歌姫。アメリカ人に売られそうになったり、るうさんバティスタに利用されたりして、でもキューバ革命のためにも信念を曲げない女性。れんこんミゲルの妹。
クラブシーンは、セクシーで宝塚っぽいシーンが来たぞ~って、ワクワクしました。
ルイス・ベルグネス:礼華 はる
1幕 るうさんバティスタに使える軍人だけど、キューバ人として反政府活動を行い、はーちゃんレイナに恋した。
かなりおいしい役だと思う。ぱる君は、立ち姿がすっとしてて、軍人ぽくって初々しく、とても印象に残りました。
もしかするとこの役って、おだちんの代打かな?抜擢に十分こたえていたかと思います!
他にも、特に革命家達はみんないい味だしてたな~。
105期生が2名、革命家として参加していたぞ。凄い!続きはまた後日。