月組『I AM FROM AUSTRIA』の見所はココ!感想2フィナーレも最高ねっ
おぉ~サイトー先生といえば、幕間の映像・アニメーションかぁ😊。
アニメのエマとジョージが5分前カウントダウンをしてくれます。
サイトー先生の一本ものですから、とにかく仕掛けが沢山あると思います。2回だけじゃわからない、もっともっと探したい!そんな欲求にかられるミュージカル『I AM FROM AUSTRIA』。
私が今の所気づいた、ココは見所だよ!ポイントをつらつらと。観劇のご参考になれば幸い。
簡単なあらすじ(ネタバレ多少あり)
オーストリアの4つ星ホテル「エードラー」に、ハリウッド女優のエマ・カーター(美園さくら)がお忍びでやってくるが、ホテルマンがツイートしちゃって、マスコミやセレブが押し寄せる。コンプライアンス違反だとホテルの御曹司ジョージ・エードラー(珠城りょう)はエマにお詫びに行く。お詫びのエードラーのチョコレートケーキの味が思い出の味だと、エマとジョージはいい関係になっていく。
エマはオペラ舞踏会にアルゼンチンのサッカー選手パブロ(暁千星)と同席し、結婚会見をするという。マネージャーのリチャード(月城かなと)が仕掛けるがエマは乗る気ではない。オーストリア人であることを隠していたエマは、心を開いたジョージと一緒に、普段見る事のないウィーンを案内してもらう。二人の逃避行は続くが、リチャードの仕業でジョージは思わぬ言いがかりをつけられ、二人は分かれる事になるが。。
物語中のテーマ
自由の代償(by エマ)
オーストリアにいる母を置いて女優になりたいと、ハリウッドに飛び出し大成功を収める。ふるさとを封印し、髪をブロンドに染めて、イケてる自分を演じてきた。
ハリウッドで自由になれた。
自分は自由にはなったけど、何かが違う。オーストリアにお忍びで帰る事になり、自分のアイデンティティを見つめなおす。しかしマネージャーのジョージにどれだけお金を投資したか脅され、恐喝され、マリオネットとして生きるしかないと気付いてしまった。
これって、日本のアイドルや韓流スターでも問題になっている話にリンクしますよね。芸能人あるある話ですよ。
新時代との葛藤(by ジョージ)
ホテルの御曹司ジョージなりに葛藤を抱いている。両親からまだ子ども扱い。フィットネスジムの改革や、パブロを招いたり、色々やっているがいまいち認められない。
そこで秘密の活動をエマに紹介。なんと、ホームレスの人たちに、ホテルで余った食事を分け与える活動を行っている。これがジョージなりに考え、出した答えだった。
このくだりが泣けるんですよぉ・・・。OH!ジョージ😢。
なんて素敵な、心の美しいジョージなのかしら。たまきちだから、しっくりくるんです!
家族という見えない鎖(by エードラー家族)
母であり社長のロミー(海乃美月)が、いつもカリカリしながらホテルを回している。5つ星を目指して抜かりなく伝統を守っている。父であるヴォルフガング(鳳月杏)は優しく母と息子の架け橋となり、2枚舌で交わしていく、そこが面白い。父が優しく母が怖いのは、私の家もそうだ(笑)。
家族が大事だからこそ、本当の事が言えず、怒ってばかりで本当の話し合いができない。見えない鎖がお互いを縛っていた。どちらの気持ちも分かるからこそ辛い。卒親、卒子が必要な家庭はお金の大小関わらず、万国共通のテーマですね。
多様性の効能(by パブロ)
アルゼンチンサッカー選手のパブロは、言葉が片言、そして底抜けに明るい♬ 外国人ですから😀。
あとホームレスの人たち、きっとジプシーか移民の人たちではないだろうか。
この人たちの多様な考え方が、格式にがんじがらめのオーストリア人達に素直な心を見せてくれるんです。EUはまさに移民問題で頭を抱えているでしょうが、逆に色々な血が混ざりあって助け合っているのも事実。そんな社会問題にも目を向けている気がしました。
SNS、パパラッチに晒されている(by リチャード)
スマートフォンはもう現代ではなくてはならないアイテムで、事件の発端はスマホから、といっても過言ではなさそうです。初っ端ツイートしちゃった😋、から始まります。
リチャードはスマホメールをハッキングする事で、パパラッチ(輝月ゆうま)と釣るんである事件をでっちあげます。功名でいかにも今風な策ですな…。
コンプライアンスがどーのこーのって言う人に限って、法律擦れ擦れ(っていうかアウト)なことを平気でやるものです。怖いね、この世の中。
冗談も休み休みにいい具合(by エルフィー)
このミュージカルのエッセンスである、組長演じるコンシェルジュ・マダム エルフィー。本当にステキなマダムで、今流行りのグレーヘアーよ!
彼女が言っている事は、嘘だか本当だか、冗談も休み休みに言いなよって思うんだけど、結構狙ってるよね、天然?エルフィーの機転のおかげで、色々な事が上手く行ったりします。
お年寄りは職場では老害っぽく言われる事があるけど、エルフィーみたいに皆の潤滑油になって、お茶目に仕事が続けられればいいなあー、こんな風になれたらいいなって思った次第。
もっとリラックスして、周りの人の優しさに触れて、大きな心の目で見ればいい。どっちがまともで、どっちが異常なのか、逆さまなこともあるのよ。ああ人生ってそんな感じかも😄。
楽曲について
Nix is Fix(全てが可能)
一番盛り上がる音楽かな。自分達でやろう、自由に!って感じでしょうか。ジョージをリーダーとして、ホテルの若者たちが、張り切って頑張るシーンに使われていたかな。
マッチョ!マッチョ!
フィットネスジムのイベントの曲で、やっとパブロが登場!なんかよくわからないけどサンバカーニバル!って感じで。ここは頭を空っぽにして、肩の力を抜いて盛り上がるのが一番でしょう。意味は無い、体を動かそう~、シックスパック目指せ~って感じで(笑)。
夜のウィーン
1幕のラスト。ホームレスの人たちを紹介したところで、警官たちに追いかけられる。エマとジョージはウィーンの夜を逃げていく。このシーンが結構印象的でよかった。どうなっちゃうの??って所で早めに1幕が終了となります。余韻、ありです。
この曲、フィナーレの大階段群舞でも使われています。なかなかカッコいい曲ですよ。
I AM FROM AUSTRIA
メインの楽曲ですが、たまさくのデュエットがやっぱりいいなあー。二人揃っての方が聞き応えと心に迫ってくるものがあり、見所かな。
汚職のタンゴ
BGVにご注目。BADDYさながらの金にまみれたリチャードの行っちゃった顔、真っ赤な照明にタンゴ。なかなか笑えます😆。結構歌が難しそう。高音も沢山あるんだけど、れいこが炸裂してますんで、見所です。
演出について
サイトー先生のマンガ的映像と、BADDYのような各キャストのBGVがかなり凝っていて面白い!
オープニングは出演者の映像と役名の紹介ムービーが、オーケストラと一緒に流れ、その時点で私は号泣😭。こういうの弱いんですよっ。ああ、ミュージカルっていいなあ~。
色使いがカラフルで鮮やかです。
セットが動く動く、宙飛ぶ、回る回る、地下に潜る、ハートになる💟!あわせた背景の映像が効果的に使われています。最近ではもうお馴染みになってきましたね。
両サイドにあるエレベーター🔔(チーン)が、色々と効果的で面白いです。セリフをよーく聞いてくださいね。たまに客席の笑いでセリフがかき消されている時があるのでご注意を。
できればセンターで観たほうがいい。今回2階席だったから、次は1階センターを求む!!客席降りも何度かあるし、1階で観たいのぉ。
まだ気づかなかった演出があるかも、全部把握できないかもしれない。もっと発見したい!!
オーストリア モチーフ
オーストリアといえば!というモチーフやセリフ、エッセンスが沢山散りばめられていて、見終わったときには、ウィーンに行きたい!って思いました。策略にまんまとハマった口です(笑)。
ハプスブルグ家
お馴染みのお名前が沢山出てきますよ😉。
国旗の色「赤と白」が沢山
日本も赤と白だし、ご縁を感じます。特にフィナーレの衣装、大階段の色、幕間のイメージ、カタログ、色々なものが赤と白。
ウィンタースポーツ
自然の豊かさ。ウィンタースポーツが強いのも有名。雪山のシーンは綺麗でした。
チョコレートケーキ
カフェ発祥の地ですからね。チョコレートケーキが食べたくなる。
はい!フェリエランチでザッハトルテ食べたもんね~😋。
チロル
ホテル従業員のお名前が「ハイジ」と「クララ」これだけで、笑えます。
フィナーレの群舞衣装は、ヨーデルっぽい羽付きチロル帽子。オーストリア・チロル州のものらしいです。
サッカー大国
EUの国はサッカーが大好き。サッカーの有名選手はスーパースターみたいですね。パブロは、今でいうならポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドって所でしょうか。
オーストリア出身 アーノルド・シュワルツェネッガー
私、知らなかった!シュワちゃんの名前が良く出てくるので、調べてみたらオーストリアの人だったんですね。
オーストリアと言えば、モーツアルト、エリザベート、ウィンナーワルツが有名ですが、それ以外にもたくさんのオーストリアについて知る事ができて、ますますお馴染みの国となりそうです。
素晴らしいプロモーション・ミュージカル!さすが音楽の都ウィーンです。
フィナーレについて
1本物のフィナーレ、小池修一郎っぽい感じで、期待通り!美味しいところ満載でございます。
まずは2番手月城かなとが上がってきます。ああ、キラキラ輝いている✨。とっても楽しそうに歌っている印象。私たちも心から嬉しい😀。
銀橋では月組の若手男役がずらっと勢ぞろい。そこに95期 輝月ゆうまが隣に居てくれる事が心強い。2人の並びって、なかなか野郎2人って感じ、骨太でイイ👍
ラインダンスは、アルゼンチンブルーで暁千星 ありちゃん中心とした、マッスル・ラインダンス!
ありちゃんのスニーカー姿が超新鮮!スニーカーで歩き回るキャストがとっても現代的で良かった。最近のスニーカーってカラフルでカッコいいよね。
大階段には、白いチロル帽のたまきちと、真っ赤な男役がずらっと登場。結構激しめのフィナーレダンス(夜のウィーン)となります。両サイドには風間柚乃と鳳月杏。
娘役さんが登場し、退団者の叶羽時ちゃん他、たまきちで踊るシーンがあります。ありがとうーサイトー先生。
デュエットダンスは、黒いドレスに金をあしらったドレスを身にまとう、たまさく。さくらちゃんの髪型が大人っぽくて美しい。ますますキレイになりますね。時間は短いけど、片腕を上げたリフトが超感動~。安定のリフトでした😍。
エトワールは晴音アキ はーちゃん。ああ、これにも涙。はーちゃん、これまた難しい曲だと思うけど、小粋に綺麗に聞かせてくれました。
れいこの真っ赤なスーツに真っ赤な2番手羽。さくらちゃんも真っ赤なひざ上シンメトリースカート、ブロンドの髪に赤い羽根。
そしてたまきちは、全身白の大羽根。これでサングラスをしたら、BADDYだわ…なんて。
フィナーレだけで何度も通えます🙆
ふー。さて、次こそキャストの感想を。
ウィンナー(Wiener)野郎達について😉。