『ハリウッド・ゴシップ』彩風咲奈が魅せた虚構の光と影 感想1




台風19号の影響でどうなる事かと。。観劇出来て良かった、感謝です🙇。

田淵大輔先生オリジナル、彩風咲奈を中心とする次の雪組の布陣を想像させるミュージカル『ハリウッド・ゴシップ』。彩風咲奈&彩凪翔2人のコンビ萌えかなと思っていたけど、

想像以上に、シリアスな内容でした🤔

田淵先生の構想、演出とメッセージ性、そしてなんといっても往年の大女優アマンダ役の専科・梨花ますみ みとさんの存在感が相乗効果となり、とっても余韻のある大人な舞台になっていたと思います。

簡単なあらすじ

咲ちゃん演じるコンラッドは、映画のエキストラ。ダンスは得意だけど、いつも後ろ姿だけしか映らない。映画の主役は、大女優アマンダのツバメとしてスターダムにのし上がったジュリー 彩凪翔ちゃん。ジュリーのスタントマン的な事に嫌気がさす。

本気でジュリーを愛していたアマンダは、恋人も映画主演も無くなり、ひっそりと執事とハリウッドの豪邸に住んでいる。このくだりが、ビリー・ワイルダーの『サンセット大通り』を想像させます。

この映画&ミュージカル、私は大好きなのですが、

みとさんがほんと~にピッタリだったの✨

主なキャスト感想で詳しく書きますが!

ちょっとしたコツで「ゴシップネタ」「マスコミ」を上手く利用すれば、スターダムにのし上がれる世界。まともなオーディションなんて存在しない。

観客は、美しい嘘しか興味が無いのよ🐵。

グサッと来る。美しい嘘を作るために、現実はどれだけ酷くて辛くて、悲しい物なのか。ハリウッド黄金時代の華やかな世界の裏側で、悩みながら生きていく映画スターや、映画スターを夢見る若者たちのお話です。

彩風咲奈コンラッドは、アマンダとたまたま出会い、ジュリーを蹴落としたいという同じ目的を持つ。アマンダの提案で、見た目から礼儀作法まで色々なレッスンを受けます。

また早花まこ経営のくたびれたダイナーで働いている、映画スターを夢見るエステラ 潤花ちゃん。
翔ちゃんジュリーに見染められ、いきなり新人女優としてトーキー映画の制作発表記者会見に出る事になります。

そこにコンラッドとアマンダも登場!アマンダの計画に映画会社もNOとは言えず、コンラッドも映画に出演する事に。

運やコツを掴んでハリウッドの主演となる、咲ちゃんと潤花。

順風満帆に見えるけど、その先の「美しい嘘で作られたハリウッドの虚構の世界=バビロン」では、まともな考えでは生きていけない。
そう気づいた2人は、自分らしい生き方を見つけていけるのか・・・というお話です🙋。

主なみどころ

華やかな映画撮影所シーン

30名という少人数で劇場空間を埋める事は大変だと思うけど、下級生含め皆で、映画スタッフやエキストラ、カメラを持ったゴシップ紙の人たちになって、場面を盛り上げます。

映画ということで、ゴシップニュースを映像で流すシーンは、中々いい感じです。宝塚メイクの白黒って、ステキなんだよね~好きです。

2幕目の映画撮影シーン「サロメ」は、とっても豪華でした!王妃サロメ役の潤花ちゃんは、素晴らしいダンス!!少しエロチックな演出で、それがとってもよく似合う。

セットは比較的シンプルだけど、照明の使い方がお洒落でドラマティックだったと思う。シリアスなシーンもライトが効果的でした。やっぱり宝塚らしく、華やかな舞台はイイですね。

静かな笑い、ダイナー

見るからにボロボロのアメリカンダイナーが今回の笑いのツボです。
これは。。見てもらわないと、説明できぬ。

ああ、雪組の面白いやつ、出てきたぞ☺って、ニヤける。

常にイライラ怒ってる女主人の早花まこと、でぶっちょでいつも居眠りしているおじさんの、まなはるだよね?

ヤバい。この二人ばかりみてると、物語が分からなくなっちゃうので、要注意です!

ジュリーが壊れアマンダの涙

「サロメ」でジュリー演じる王様のシーンは、翔ちゃん渾身の心が病んでいく演技。一瞬、たじろいた。

このままイケイケの映画スターで行くのかと思いきや・・・・まさかの光と影。

そしてジュリーを本当に愛していた大女優アマンダの嵐の夜。

泣き崩れたメークにご注目!マスカラもアイシャドーも取れちゃって、真っ暗の部屋の中、窓の外を眺めている。

とってもシリアスなんです。

ライトや舞台の演出方法も素敵でドラマティック。映画のライトが眩しすぎて、本当の事が見えなくなっている2人でした。

 

最後のダンスにスマイル!

なかなか主人公2人のお話が出てこなくてスミマセン(笑)。

一生懸命現実に向き合い、普通に生きてきた主人公2人。少し不器用で、一瞬ハリウッドの光に乗せられちゃって自分を見失ったり、喧嘩したり。

そんな普通の2人の反応が初々しく、ハリウッド世界の滑稽さを逆に浮かび上がらせます。

普段着の洋服やダイナーの制服がお似合い。そしてハリウッドスター然としたタキシードやフラッパードレスも超カッコよくてとってもお似合い!

でもなんといっても・・・

咲ちゃん&潤花ちゃんのスマイル🤗

何にも代えがたい2人の共通点ではないでしょうか。

とっても新鮮でした。2人の良いところが引き出せる間柄かもって思った。潤花ちゃんのいい意味での素人っぽさに、咲ちゃんの眼差しが優しいのよ~。楽しそうだし、やっぱり笑顔がいいのよね!

フィナーレはクールですっ!

はい、待ってました~~。咲ちゃん率いるダンスナンバー😆。

男役はタキシーーード!この振り付けやフォーメーションが、ちょっといつもと違って、オシャレでクールだったんですよね。もう普通のタイプはお手の物だから、ちょっと変化球っぽい、でも宝塚っぽい。

フィナーレの2人はとにかくSMILE!可愛くて美しい。フレッド・アステアのミュージカル映画でも見ているかのよう。

いいかもね、うん、いいかもね…。

咲ちゃん最後のご挨拶に涙

主演として30名を引っ張る事でも大変なのに、この台風というアクシデント。

色々経験した咲ちゃんだったのではないでしょうか。劇場さん、劇団さん、皆の調整で2時間遅れての上演でしたが、無事に観劇する事が叶いました。

オペラ越しに涙の後がみえて、こっちも貰い泣き。咲ちゃんが最後のご挨拶でウルウルしながら、お客様に感謝していると言ってました。

こちらこそ、ありがとうございました。

さすが主演、彩風咲奈の魅力満載で、咲ちゃんファンは何回も通えるでしょね(チケットがあれば)。

続いて主なキャストの感想を書きます🙋。

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