東京二期会『椿姫』感想 原田諒オペラ演出 私史上NO.1の椿姫だった(感動)!




2020年2月19日、上野の東京文化会館にて、伝統ある東京二期会のオペラ『椿姫』初日を観に行きました。理由は、宝塚の演出家・原田諒先生が初オペラ演出、そして舞台美術はいつもタッグを組んでいる松井るみさんだから。

オペラは通常海外の歌手が出演する場合は価格が高いのですが、日本人キャストのみの場合はリーズナブルに観劇する事ができます。二期会はいつも良心的で、有名な演目も沢山演じていらっしゃいます。

ただ、個人的には日本人のみで海外オペラってどうなの?と懐疑的なところもあったんだけど、今日の椿姫は・・・・

ちょちょちょっとおおお、奥様👩。

素晴らしい作品で、感動しっぱなしだったのよ!ブラビー👏👏

演出、舞台美術が本当にセンスがイイ。これは、海外の歌手もこの演出で歌ってみたいって、日本人だけずるいって、嫉妬するぐらいの物だっと思うよ。ナタリーさんの記事より。写真が沢山。

私の超個人的な視点からの感想をまとめました。感動が覚めやまぬうちに…。

確かな技術力

素晴らしい、とっても上手です。私的には海外のオペラ歌手と変わらない。今回は特定の歌手を見に来たというより、椿姫という物語を見に来たので、十分満喫です。

年齢層も様々で面白いなあと思いました。長年出演されている方も多いのかな、オペラを続ける体力や経済力も大変だと思う。

お若い方もたくさんいらして、そのお友達や生徒さんも客席にいらして華やかだったなー。

衣装、髪型、恰幅、欧米人に引けを取らない

一番はここ!日本人=小さい、細いって印象があったけど、全然そんなことなかった!

表情も豊かだし、お衣装や髪形に着せられている感が無い。こだわって贅沢に作り上げているキャストの皆さんが生き生きしているなーと思った。

海外演出のオペラだと、鬘が浮いて変な人がたまにいると(汗)、若干興ざめするのです、個人的に。そういう事がなかった。

私が知らなかっただけで、素晴らしいなと思ったポイントの一つです。

椿(カメリア)の花弁が劇場に舞う

1幕 ミモザの生花に星空

真っ白なセット。きっとカメリアの花びらのモチーフかな。螺旋階段も効果的で。センターの大きな黄色いミモザの花。ああ、この季節イタリアではミモザの花を女性に送る習慣があるのよねー。

夜空のシーンの演出も美しくて色のコントラストが良かった。喜び JOYを、私も感じました。

また花道が両サイドにあって、おおって思いました。効果的に使われていました。

2幕 ボタニカルなグリーンと情熱の赤

天井からグリーンが垂れ下がり、シンプルな田舎のお家のセット。ヴィオレッタがアルフレードの父から別れるよう説得されるところは、夕焼けと情熱の赤いライトが効果的。時間の経過がじんわりわかります。ヴィオレッタの真っ白なドレスがふわっととっても豊で、本当にセンスがいい。

3幕 天井に丸鏡の視点

休憩後の3幕目。幕が開くと、天井から大きな丸い鏡のセットが!すっごく面白い。ここは感動ポイントです。

パリに戻って舞踏会のシーンが、上からも眺められる。ここで事件は起きます。その一部始終を鏡からの目線でみると、なにやら事件の目撃者になったかのよう。絵画のヴァロットンみたいな。

映画「山猫」のワンシーンを観ているような贅沢なひと時でした。アルフレードがアラン・ドロンのようで。

4幕 芝居の照明使いで感動的な最期のシーン

ラストは悲しい、寝室のシーンです。気が付くと花びらの数が減っている、枯れているんでしょうか。。淡い薄明りから登場人物にスポットライトが当たり、それぞれの心情を歌にこめ、最後は中央で彼に抱かれながら息を引き取ります。

なんてドラマティック!演出効果が観客の気分を盛り上げてくれています。

「椿姫」をよく理解できた。

私の人生、5回椿姫を観ていますが(数えてみた)、海外キャストが主で、美輪明宏版も観ました。自分の年齢も重ねていることも理由ですが、5回目のこの二期会「椿姫」が一番共感できました。

丁寧に心情を伝えられていたと思います。客席が食い入るような雰囲気を感じました。オペラって寝ちゃう人が多いんだけど。。みんな真剣に観ていた!

新キャストではどうなるのか、永遠に「椿姫」上演される理由もわかります。今後の二期会も要チェック!

原田先生にアッパレ

第3者の視点で物語を再構築する演出家の作業って、本当に大事だなと思います。

宝塚も外部の方を呼んだりしてますし、演出家の名前でお客さんを引き寄せることも可能。今回、宝塚ファンの客層もあったと思います。

オペラ初心者、オペラがご無沙汰の方にもとってもオススメできる内容でした。

芝居ミュージカルの演出家目線で、物語をわかりやすく伝えようとしているちょっとした動きとか、照明、演技指導、きっと繊細な作業の積み重ねが、この共感を得た原因だと思います。

舞台美術・松井るみさん、大好きです!

オペラは総合芸術だと、美輪明宏さんがおっしゃっていて、本当にその通りだと思います。とっても充実して楽しめました。

松井さんの潔いシンプルな舞台装置に照明で変化をつける手法は大好きです。今回オペラで、しかも伝統ある東京文化会館という大きな箱を楽しんで演出されたのではないでしょうか。

オール日本人キャストで、イタリアの古典オペラを演じきったところにも感動。

今時、海外渡航が難しい中、国内でとっても楽しめるではないか!って思いました。

ダンサーに元月組 輝生かなで、玲実くれあ

凄かったよ!!通常オペラのバレエシーンは、本物のバレエ団が出るのだけど。

輝生かなでは、個性的なアクロバティックなダンスが凄かった。目力が!どことなく、先輩OG・龍真咲っぽい印象でした。オペラがん見でごめんなさい。男性ダンサーとの絡みも男前で素晴らしく、立派にセンターはってましたね。ウルウル。

そんなところに、愛希れいかちゃぴ主演「フラッシュダンス」に輝生かなで出演情報を発見!次の活躍も楽しみ~。

月組OGパワー、いいね!

そう、次の月組大劇場は、原田先生だからね!よろしく頼みますね!ポスターの掴みはOKです!!今後の先生の活躍を楽しみいしたいと思います。

素晴らしい椿姫をありがとうございました!23日の千秋楽までみなさん頑張ってくださいね。

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