月組『赤と黒』あらすじと主なキャスト感想2




何故このようなポスターなのか、観劇してわかりました。

主役のジュリアンは貧しい生まれで、出世欲が原動力で自分に正直に一生懸命生きてきた。人を愛するとか良くわからず無我夢中だった。猜疑心に満ちた冷めた目つき、無表情な感じ。これは役作りなのですね。

その横にうっとりと寄り添うレナール夫人は、本当の恋を見つけてしまった顔。フランス貴族の恋の駆け引き物語は、同じく柴田先生の『仮面のロマネスク』にもありますが、この時代の定番のテーマです。

簡単なあらすじ(ネタバレあり)

主人公ジュリアン・ソレル(珠城りょう)は貧しい生まれ。貴族でなく軍人で成り上がったナポレオンが憧れの存在。

その当時のフランスは、革命が起きたり王政復古の時代となったり、とても揺れていたが、貴族という絶対的地位がやはり揺るがなかったのかなと。そんな中ジュリアンは、神学校で優秀な成績を収めることで出世するしかなかった。

ラテン語を習得していたジュリアンは、貴族のレナール(輝月ゆうま)とヴァルノ(千海華蘭)の見栄の張り合いがきっかけで、ラ・モール家の3人の子供たちのため、ラテン語教師として雇われる。そこで夫人(美園さくら)と出会ってしまう。

当初はお手伝いのエルザ(きよら羽龍)がジュリアンに恋をし、その仲介をしてあげる予定のレナール夫人がジュリアンに恋をしてしまう。はい、不倫…。レナール夫人のお友達デルヴィール夫人(晴音アキ)がイイ感じで、すぐにバレちゃいます。

ピラール神父(夏美よう)の薦めでパリで働くことに。ここで1幕終了。

2幕目はパリのラ・モール公爵(一樹千尋)の秘書的な仕事を任されます。華やかなパリ社交界に胸躍るが、結局、誹謗中傷の嵐。これが貴族かとがっかり。そんな冷めたジュリアンに女性はソワソワ。。

ラ・モール公爵の娘マチルド(天紫珠李)は、婚約者クロワズノワ侯爵(蓮つかさ)がいるのに、毎日が退屈。仕事にしか興味が無さそうなジュリアンにちょっかいを…。

恋の指南役コラゾフ公爵(月城かなと)の言う通りに行動したら、あら不思議。マチルドと恋仲となり、妊娠したマチルドと結婚を決心した所、故郷のレナール夫人からの報告書で事態は一変します。

故郷の教会から裏切られ、貴族ではない身寄りのないジュリアンは裁判で勝てるわけもなく。最後の審判が下されます。でも、ジュリアンは最後の最後で本当の自分の気持ち、愛を感じます。

フランスのスタンダールの長編小説「赤と黒」が原作の柴田先生の作品。

そんな感じ。

主なキャスト

ジュリアン・ソレル:珠城 りょう

一言でいうと冷めた奴(初めは)。出世しか興味がないと言われていたけど、それしか生きるすべを知らなかったのだと思う。ひたすらに生きてきただけ。

一番素直で正直な若者。そう思うと、たまきちに合ってる気がする。

沢山の女性に言い寄られ、その気になったとしても、すべて出世のための道具かどうか考える。正直な男。

なんとも掴みどころがない表情だったり、冷たくツッケンドウだったり、ラブシーンも濃厚なんだけど冷めて見えたり。そこが魅力かな~。女性って複雑ですね😊。

たま様、ラブシーンご専門・説 は、ありです。

横顔が美しいのよね~、大きいし包まれる感じ。ファンは毎シーンたまらんと思う😍‼美しいです。

レナール夫人:美園 さくら

貞淑な妻、3人の子供たちの母。なのに…という展開ですが、ジュリアンに恋をしない人はいないと思う!!貴族の空虚な会話とか教会の偽善とか、そんなことよりも、今を生きている若い素敵な男性を見て、恋に落ちないわけがない。

さくらちゃんは、それをしっかり見せてくれました。現実との間に揺れる夫人の気持ちを大芝居風に表現。この時代のお芝居の熱量を上げている一人だと、思いました。

髪型やお衣装がとっても美しい!

ハリウッド女優系のさくらちゃんとはまた違う、新たな引き出しだったのかなーと思います。

フーケ/コラゾフ公爵:月城 かなと

フーケは本当にいいやつ。リアルにたまきちの相談相手っぽいし。この二人の悪だくみシーンは、大好物です😍。

また2幕のコラゾフ公爵が、本当に良い奴というか、悪い奴というか…。恋の手管はお手の物。髪型のメッシュの長髪が美しくて、貴族様だわ~。

どちらの役も、柴田作品の2番手男役=いい人、の構図に合っていた気がします。久しぶりの二枚目イイ人のれいこ。出演するたびにオペラがガッと上がる音がした😆

マチルド:天紫 珠李

じゅりちゃん!彼女が相当頑張っていた事が、『赤と黒』出演者の熱量が下がることなく、濃厚な芝居が展開されていたと思います。

わがままなお嬢様。文学や歴史上の英雄を愛し、普通の結婚では飽き足らない才女。自分の手で未来を切り開ける女性として、1幕のレナール夫人とは対照的に映りました。しかし邪魔が入るんだよね…。

ラストのシーン。二人の女性とジュリアン。どちらにも愛情があり、それぞれの思いを打ちあけるシーン。

マチルドはまるで『サロメ』の王女みたい。屈折した愛情は、ふ、ふ、深いです。

ハマる見どころポイント

ルージュ・エ・ノワール♪主題歌

キャッチーな主題歌ソングです。
「赤と黒~」ってわかりやすいけど、このゾクゾクするようなセクシーな曲調。面白いですね、ついつい口ずさんでしまったり、聞こえてくると「赤と黒」の世界観を想像させる。耽美で禁断な世界へようこそ!って感じですよ。

貴族達の会話セリフ

1本物なので、ゆったりと流れるような時間。特に貴族達のたわいもない会話は、もしや退屈かもしれないけど、でも面白いです。マダム達は嫌味だけど美しい言葉で、ムッシュ達は貴族たるものは何かと、美しく演じます。目福、でございます。

ラブシーン(やはり)

そうなのよ、ソファーを使ったラブシーンが数々あるのですが・・・。

いやぁ、オペラ上げて良いですか(当然ですよね)?って感じで、ここが古典芝居だなと思いました。お約束というか、お決まりというか、お楽しみポイントの一つです。

宝塚ならではの風物詩かもしれないので、ここはしっかり観ておきましょう!美しいです😍。

男の野心(男性客の方へ)

柴田先生はやはり男目線で脚本を書いていると思うので、女性が宝塚でキラキラを得るように、男性の方からみたら、男のロマンみたなものを得られるのではないでしょうか。男の野心とか、女性を得る狩人のような気持ちとか。

一度、男性のご意見も聞いてみたいものです😏。

こうやって書いていると、このお話、ハマるかもしれないなと思った。普通の生活では起こりえないやり取り、なんですよね。さすがフランスの貴族社会。原作があるので、あらすじがしっかりしています。

次は他キャストの濃い演技とか、フィナーレについて書きたいと思いますが、2月29日(土曜日)15:30のライブビューイング、行こうかな…。もう一回見たいぞ、検討中。

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