『アナスタシア』感想1 コーラスの宙組 2幕から涙止まらず 見どころポイント!
今月もムラ遠征😋。
マイレージを使い果たす…✈。
宙組『アナスタシア』を観てきました!
いや~泣いた泣いた😭2幕中盤から。
真実が解明される事が、必ずしも人を幸せにするわけではない。
関わる人たちそれぞれの思いや愛がうごめいて、なんだかツーって💧涙が止まらなかったんですよね。
真風涼帆の宙組は凄いぞ💪って、また見せつけられました😊。
開演5分前、目の前に現れた「ANASTASIA」の文字に、白い雪が舞い白鳥が現れる。これはロシアの空をイメージしたような煌めきが一面に広がり、テンションMAX😍。
今回は、超・私個人的な見所ポイント。観劇のご参考になれば幸い。
「神々の土地」の続き
朝夏まなとサヨナラ公演「神々の土地」で、ロマノフ王朝の最後について学んだわけですよ。その後日談として、ロマノフの末娘が生きていたという「アナスタシア伝説」がベースのミュージカル。
マリア皇太后役の寿つかさ組長が幕開き登場で、一気にあの続きへ、時空を超えた感覚になりました。ユスポフ邸での晩餐会。血友病のアレクセイが転んでしまう。色々な事がリンクし、不思議な感覚でとっても楽しかった。ジナイーダ(せーこ👸ね)も出てきそうな。
煌びやかなロマノフ王朝ファミリーのドレスが皆お似合い。舞台中、パシャ📸っと記念写真を撮るシーンが効果的。ファミリーは素晴らしい時代のまま時が止まっている。亡霊となって、いや守護霊なのか、妖精なのか、気配として時々登場する。
対照的に、皇太后一人辛い日々をパリで過ごしている。生きているかもしれない一番のお気に入り、自分によく似たアナスタシアを根気強く探す日々。
そして自分の足で立って生きなければいけない、掃除婦のアーニャ。
強く心を持てる人が生きていける時代にシフトしたんだなと思いました。
簡単なあらすじ
(前に書いた内容コピペです)
ロマノフ第4皇女アナスタシアが生きている。
そんな噂がロシア中に広まっている。パリで存命の祖母マリア皇太后(寿つかさ)が懸賞金を出すという事で、詐欺師のディミトリ(真風涼帆)と自称貴族のヴラド(桜木みなと)が組んで、アナスタシア風のロシア女性を教育して金をもらう計画をする。
またロシア政府の将官グレブ(芹香斗亜)も、同じく軍の父が銃殺できなかったアナスタシアを探している。
ディミトリは、町で道路掃除をする記憶喪失の女性アーニャ(星風まどか)に出会う。話をするうちに本当にアーニャがアナスタシアではないかと気付き、記憶を取り戻すためにも皇女教育をしていく。
ヴラドの友達でマリア皇太后のお付きのリリー(和希そら)を頼りに、3人はレニングラードからパリへ列車で向かう。
マリア皇太后に出会い、アナスタシアだと認められるということは、ディミトリにとってはアーニャとの永遠の別れを意味する。2人の恋はどうなってしまうのか?
というお話。
豪華なセットと映像
最近では豪華な映像を駆使した演出が、贅沢ながら当たり前のようになっていますが、
とにかく美しい舞台演出です❄。
シアターオーブでみた「アナスタシア」同様、一部無かった場面もありますが、映像と盆を駆使した美しいセット演出になっています。1幕はロシアの廃墟後や貧しい街並みから見る水面。
影が印象的に使われていて、ロマノフファミリーの亡霊や、レーニン(共産主義)のような大きな黒い影。
そして列車でパリに行くシーンが大変面白くて、良く工夫されています。
2幕パリでは丘のセットやグリーン、宮殿、最後のパリ・アレクサンドル3世橋のセットなど、これまた良くできてるな~と思いました。
オケボックスには、御崎恵先生お一人でタクトを振っていらっしゃいました。録音でも十分素晴らしいのですが、徐々にオーケストラの方も戻って欲しい…。
宙組ミュージカルの楽しみ
民衆コーラスが重低音サラウンド
期待以上でしたね👏👏👏!
コーラスの宙組と創立時から言われておりますが、待ってましたミュージカル!!って感じで、めちゃくちゃ良かったよ。中高生合唱コンクールで金賞取るような?ゾワゾワっと来る民衆のコーラスが堪能できます。
第1幕はロシアの民衆で、第2幕はパリジェンヌの明るいコーラス。素晴らしい高音が聞こえるなと思って目をやると、やはりそこには副組長のあおいさん、きゃのんさん、せっちゃんの顔が。ここが要ですよ、きっと。
あー、コーラスをまた聴きたい。あれは劇場で包まれる感覚がイイ👍👍。
難曲揃いのナンバーを歌いきる!
最近の海外ミュージカルは難曲揃いですよね…(良いのか悪いのか)。ディズニー映画もそうなんだけど、カラオケで歌うにも難しすぎる。
うわ、大変そうだなあ…ってみてましたが、一つ一つ丁寧に、ゆりかさん、ききちゃん、まどかちゃん、ずんちゃん、すっしーさん、そして、そら。
みな歌いきってましたね!
もうね、それだけでハナマル💯ですよ、凄いな~って思いました😆。
一つ二つ、主題歌的なテーマソングも覚えたし、お気に入りの曲も見つけました。また何度も聴いていきたいなと。
バレエも凄いぞ!
劇中バレエ「白鳥の湖」がですね~、
潤花ちゃんオデット&亜音有星ジークフリート
そして、優希しおん・ロットバルトの跳躍力が見もの!
本気の白鳥の湖ですよ!これが。
両サイドではメインキャストが自身の思いを歌っているのだけど、どうしても私のオペラはバレエに夢中🤓。
なぬなぬ、これは面白い。できれば舞台のセンターでやって欲しい位の、本気のバレエダンスが見られます。
で、一体何処で泣くの!?
パレードで人生たった一度のお辞儀
序盤で、真風涼帆・ディミトリが1度だけお辞儀をしたことがあるって話をします。
これが…運命の出会いだったわけですよ😭
いわゆる皇室パレードで小さな皇女様👧に、ディミトリは思わずお辞儀をする👦。きっと見とれて美しいなって思ったんでしょうね。その痩せた貧しい少年を星風まどかアナスタシアは覚えていたのです。
2人の出会いがここから繋がってたんだ、きっとディミトリはアナスタシアの記憶を戻してあげる運命の人だったんだって✨
そしてもう一度ディミトリはアーニャにお辞儀をするんだけど、このシーンがとても美しくて印象的でした。
立場逆転っていうか、ああ、アーニャはもう自分のモノではないって感じとる切ないシーンです。
こっから私の涙腺は崩壊し、ずっと目が潤って潤ってオペラが見づらい事件😭。
ヴラドが気づいた物語の結末
そう、桜木みなと演じるヴラドもまた、この計画が成功したらみんなハッピーだと思ってたけど、ディミトリが既にアーニャに恋してしまったので、彼は寂しい結果となる事を気づいてしまった。
さすが大人(老いぼれ?)。恋の敗者となってしまう事を心配します。このあたりも、ああ優しい人だな~ってホロっと来るわけです。
自分は昔の恋人リリー(和希そら)❤と出会えたのに、なんかこの計画進めちゃっていいのかなあって思うのです。
ディミトリの本気に気づいた皇太后
心が氷のようになってしまった皇太后に、ディミトリはケンカ腰でアーニャの気持ちを代弁します。
始めは金儲けのためだったけど、今は違うと。アナスタシアを本来の家族の元に届けたいと伝えます。
2人とも家族と離れて独りぼっちだったので、アーニャには家族と一緒になって欲しい。お金なんていらない!
その気持ちに皇太后は心を動かされるのです。
さすが、皇太后は大人(おばあ様)です。
父を許すグレブを諭すアーニャ
そう、もう一人の男・芹香斗亜演じるグレブ。
彼の父はロマノフ家を銃殺した一人。でもアナスタシアに銃を向けられなかったんでしょうね。そのことがずっと脳裏にありながら死んでしまった。
革命派の将官グレブは、父の無念を果たすつもりだったか、結局父と一緒なのかな、アナスタシアを殺すことはできなかった。
アナスタシアがグレブを解放してあげたのかな。
グレブの辛さが歌にもひしひしと伝わるんですよ。職務と人間としての心と、どっちを取るのかって。やはりちゃんと向き合うことが、気づきを与えてくれるのでしょうか。
「ナナン!」徐々にアナスタシアだと判るシーン
一番の号泣ポイントは、やはり皇太后=ナナンとアナスタシアがやっと認め合うやり取りのシーンです。
徐々に、やっぱりこの子はアナスタシアだわって、氷の心が解けていくシーンの組長の目が素敵なんです✨。
お互い似たもの同士。なかなか強気な女性で一歩も引かず、でも最後は分かり合えます。だって2人しかいない家族ですもの。あー良かったって思えて涙😭。
客席のすすり泣きが、かなり聞こえてきました。
時に歴史は真実を隠す
ラストのシーンです(ネタバレあり)。
ま、最後はハッピーエンドになるわけですが、皇太后とグレブは「アナスタシアはいなかった」と報告することにします、表向きには。
実の孫なのに、表向きはそうでないと言わないと、ディミトリとアナスタシアは結ばれないから。
こうやって歴史は時に真実を隠していくものなのかなーと。
〇〇は死にました(実は生きてます)って話とか、最近特にSNS等で都市伝説的に耳にしたりすると、ええ、うっそーー😱って思ったり。
いつか、こういったお伽噺、ファンタジーの形でもいいので、ちゃんとディスクローズされると良いな。当事者が背負わされた十字架(墓場まで持っていく人もいる)は、いつか下ろしてあげたい。認める認めないは別として。
ロシアの魅力
あのロシア革命、今から約100年前。世界的に戦争が勃発し、共産主義国家が誕生し、そして崩壊した。
これは丁寧に一つ一つ学びを深めていく価値があると思うんですよ。宝塚で学んだヨーロッパの流れと、アメリカ、東アジア、日本。それぞれの立場からみてロシアとはどういう存在なのか。
やはりあの凍てついた広大な大地、神々の土地。あの極寒に耐え抜く強靭な強さが、ロシア人の精神を作っている事は間違えありません。派手さは無くても実を取る。様々な苦難を経験し、時にしたたかに、ロシアの大地のようにどっしりとブレないロシアの魅力を、文学や美術等からも味わいたいなと、最近思うことが多いです。
宝塚では他にも「ドクトル・ジバゴ」や「ニジンスキー」が面白かった。
ロシア文学作品では「かもめ」とか「カラマーゾフの兄弟」等もありますね。
ふと、宝塚の座付き演出家が作るミュージカル作品は、ブロードウェイ・ミュージカル作品と同じくらい、いや、それよりも深くて面白いモノが幾つかあり、全然、全然負けてないなーと、最近思ったりします。
トータルバランスがとてもいいと思います。それこそ座付きの使命でしょうね。
どこかに作品版権を輸出してもいいんじゃないかな…。
超・個人的趣味で語りました。
久しぶりにみんな揃った宙組大劇場公演。お馴染みのメンバーや下級生の面々もオペラで指さしチェック!
心地よい疲れ😅を感じながら帰路につきました。