宙組『黒い瞳』感想2 今年のアカデミー賞について考えた。
『黒い瞳』は、プーキシン作 「大尉の娘」がベースになっているロシアもの。また「黒い瞳」というロシア民謡があり、そこでの黒い瞳の意味は、ロマ(ジプシー)の娘の瞳を表しているそうな。
マーシャはコサックの娘だから
当時では、差別対象な人種の生まれだということ。大尉の娘として育ててきたが、貴族出身のニコライとは一緒になれないと。ロシア警部隊の中にも貴族やコサックが入り乱れていて、裏切りや残忍な行為に発展したり、混沌とした時代が舞台でした。
宝塚のお芝居の中にたびたび登場するジプシーやコサック。私たち日本人にはあまり馴染みが無いし、差別的な印象も肌感覚ではわかりません。だからお芝居として問題無く成立するのだろうけど。
ちょっと思ったのが、2019年 第91回アカデミー賞授賞式 を先日みて、まさに全体通してのテーマは
多様性 (ダイバーシティー)
だったんですよね、気持ち良いほどに。
監督賞を受賞したのが『ROMA(ローマ)』メキシコ出身のアルフォンソ・キュアロン監督の作品で、家政婦として働く原住民の女性が主人公。NetFilx 動画配信作品が初めてノミネート&受賞したことで、映画界も変わったな~受け入れたんだな~って関心しました。メキシコといえば、壁を作るとかなんとか、マイナスイメージですが、素晴らしい文化も創造してるのだぞ!と、訴えているかのよう。
4部門受賞した、黒人ヒーローもの映画『ブラックパンサー』が、めちゃくちゃカッコイイ!今まで刷り込まれてきた黒人のイメージが変わりつつあり、アフリカの心に敬意を表したくなる気持ちになりました。
作品賞『グリーンブック』は、黒人の有名ピアニストのドライバーとなる、白人の物語。今までのハリウッドなら逆ですよね。
かたやロイヤルなイギリス女王の話『女王陛下のお気に入り』があったり、本当にバラエティに富んでいて、ノミネート作品、受賞作品が偏らず、公平に扱われていたことが、まさに多様性だなと思います。
以前は白すぎるアカデミーと呼ばれたこともあり、視聴率は低下の一途、映画の世界も変わらなければならないと、俳優たちがスピーチで訴えていた。どうやらアカデミー協会の上の方の人たちが辞められた事が原因なのかな(老害)。民意が反映されたアカデミーでした。
スピーチも心にぐっと来るものがあり、司会者を置かなかったことは、SNS炎上対策もあり、作戦勝ちだったと思います。余計なことは言わないほうがいい。自分の言葉で素直な気持ちを伝えることに感動を覚えます。
アカデミー賞のスピーチで印象的だったのは、
芸術家としての使命を果たす
ということ。
作品が面白い、興行成績が良いだけでなく、社会問題にも立ち向かう、世界をよくする、夢を与える、いろいろな使命を担って作られた作品には、おのずと感動が待っています。宝塚の良作にも、同じような演出家さんのメッセージが込められているから、私たちにも共感できるものがあります。
ま、なんといっても今年一番は、主演男優賞も受賞した『ボヘミアン·ラプソディ』ですね。
あ、宙組のクイーンとえば、和希そら ハッスルメイツ!達。
石田先生のセンス、ナイスです!
和希そらに、クイーンの主要名曲を熱唱してほしい~!歌って踊って欲しい。
つらつらとそんなことを考えました。
『黒い瞳』は、お話だけでなく、セットも素敵だったなー。シンプルなセットの照明の色が変わることで季節を表し、木の葉、雪、吹雪、を印象的に演出しています。書き割り背景(ボード)ではなかった、演出の妙で、素晴らしい作品だったと思います。
トリオの使い方も、じゃっかん古めかしいかもしれませんが、逆に斬新でした。今に通じる面白さ。
とにかく、今回の博多遠征は、キラキラ✨を補充できました。
満足満足。この繁忙期、年度末を乗り越えられそうです!