轟悠 最後の作品『婆娑羅の玄孫』イシ先生、ありがとう!忘れません!




長きに渡り宝塚歌劇団に在籍し、生徒のトップとして君臨してきた轟 悠 最後の作品。

植田紳爾先生 作演出、星組生と一緒に作りあげた 『婆娑羅(ばさら)の玄孫(やしゃご)』、ライブ配信視聴しました🙋。

梅田シアタードラマシティの客席に祭囃子が聞こえてくる。江戸の祭り、神田長屋の物語。「イシさん」こと轟悠の紫の着流し。綺麗な切れ長の目。あやめの花が咲く季節。

歌の歌詞は、
轟け、我が心 この命 燃やし尽くすまで♬

轟悠に対する宝塚からの感謝と想いを歌に、芝居に、沢山の当て書きポイントがあって、油断すると涙が出そうになる。組子のキラキラ✨とした演技にまた涙誘う。イシさんも涙誘われていた。毎公演、堪らないねぇ😢。

轟悠のさりげない優しさや、新しい場所へ静かに去っていく様に宛がって作られていた。

簡単なあらすじ※ネタバレあり

神田長屋に住む、他の住人とは一味違う細石蔵之介(轟 悠)イシさん。実は文化芸能に通じ婆娑羅(ばさら)大名と呼ばれた、佐々木道誉の子孫。母が身分が低いためか、父から縁を切られ、ひっそりと身分を隠して暮らしている。

面倒を見ている、お仲(夢妃杏瑠)&お鈴(音波みのり)姉妹。お鈴はイシ焼き芋売り。イシさんが普通の人ではない事は薄々感じながらも、イシさんが好きで、でも会えばケンカばかり。

イシ先生は、長屋の子供達に男女の差関係なく論語等を教えている。江戸の子供達(星組の下級生)が可愛いこと!

ある日、唐人の姉弟 麗々・らら(小桜ほのか)と真々・しんしん(稀惺かずと)が、長崎で父を殺した平戸善兵衛を仇討ちに来たと、イシさんに相談に来る。実はその人物は江戸で有名な米問屋・五貫屋嘉兵衛(美稀千種)で、名前を変えていた。五貫屋で開かれる茶会の催しに忍びこみ、瓦版の権六(極美 慎)と計画して、麗々&真々に仇を打たせる。

親の仇は自分で打って、親の想いを遂げるべきだと、イシさんは教えてくれる。

佐々木の江戸屋敷から西川頼母(天華えま)が、殿が亡くなった事を知らせに来る。父が自分の縁を切ったのは、嫌いだからではなく、婆娑羅(ばさら)の血筋を活かすため、窮屈な江戸のしきたりの無い生活をさせたかったからだと、佐々木家から常に蔵之介を見守る小久保彦左(汝鳥 伶)から聞くことになる。

その頃、怪しい忍びが蔵之介を襲う。皆で戦い万事休すが、このまま長屋にいては危ない。親の恩に報いるため、頼母や彦佐の頼みもあり、そのまま長屋を後にし、江戸屋敷に跡継ぎとして向かう事を決める。

突然イシさんが居なくなり、長屋は大騒動となったが、権六が品川宿に向かった事を知り、みんなで品川に駆けつける。今までお世話になったと、イシさん、ありがとう!忘れない!と叫ぶのだった。

蔵之介は少し不安な気持ちを彦左に吐露する。

明日はみな平等に来るもの。どんなに偉い人にも明日の事などわからない。だから、真っ直ぐその道を進むのみと、彦左から諭され、新しい世界に蔵之介は旅立つ。

主なキャストの感想

少しですが、一言、思った感想を~。

細石蔵之介:轟 悠

佐々木→細石(さざれいし)蔵之介で、イシさん。

皆が、イシさん、イシさん、イシ先生って、役名で呼んでいるのか、リアルで呼んでいるのか分からなくなる感覚が、とっても良かったなー。最後のお芝居が愛称で呼ばれるってないと思うし、植田先生、お洒落だな~と思いました😀。

最後の舞台でもイシさんらしく、誰とでも等しく演じ、あまり偉ぶらず人気者。楽しそうで、照れ笑いしたり、子供達の演技に涙ぐんだり、人間らしい場面も感じました。

そして日本物のトップとして、立ちまわりや日舞がふんだんに盛り込まれており、これからの宝塚では誰がこの役周りをするのかなぁ、、とちょっと考えてしまいました。

本当にお疲れさまでしたと心から思いましたし、最後は星組生に身をゆだねて、楽しんで演じられたら良いのではと思います。見ている私達もその方が嬉しい😀。

小久保彦左:汝鳥 伶

ゆうちゃんさんとのやり取りは、泣けます!!

ずっと見守ってきてくれた爺。実際に理事は月組出身で、ゆうちゃんさんが居ましたものね。専科となってもずっと一緒で。このお芝居の爺役は鉄板。2人の最後のシーンは、これからの轟悠の人生への、はなむけの言葉でした。

お鈴:音波 みのり

理事の最後の相手役、でしたね~!!
お鈴ちゃん。石焼き芋🍠って威勢のいい娘さん。

こんなにピッタリしっくりくるとは😃イシさんとめちゃくちゃいいコンビ!姉さん女房風で、最後も意地張っちゃって。でもお鈴ちゃんらしい。

西川頼母:天華 えま

2役でしたが、あえて2部の頼母を。感情を殺して静かに、抑えの役回りでしたね。

ピースケの日本物、私は大好きなんですよね。イシさんを江戸屋敷に連れ戻すために、心を鬼にして、素敵な武士でした。

権六:極美 慎

こっちは、江戸っ子だぁぁぁい!

合点承知の助💪 

この江戸っ子瓦版の役。素の極美君って感じだったかなー。セリフまわしが力強いし、人が良くてお調子者っぽい所が良かったです!

麗々:小桜 ほのか

長崎の中国人のお役。
ツインテール?やチャイナ服が可愛い。ほのかちゃんはカワイイ役は文句なくピッタリね。一生懸命、弟君をナビゲートしておりましたね。

真々:稀惺 かずと

今回の見どころ、105期のかずと君が堂々登場!仇討ちを狙う弟君。中国語も喋ってました。

父上の無念を晴らすため、イシさんにご指導を受け、見事敵をやっつけました~!

お父さん、お父さん言われると、どうしても元テニスプレーヤのお父さんを思い出してしまいますが、そこもポイントなのかな😀。

最後の舞台でレジェンド・イシさんから直接ご指導を受ける、大変役得だと思いました!

長松:紘希 柚葉

今回、私の琴線に触れるお芝居をしてくれたのが、長松!イシ先生に勉強を教わる子供で、魚屋のひろ香祐の息子。

物凄く元気があって、パワフル!本物のガキ大将みたいで、とっても良かったー。

お蝶:瑠璃 花夏

そのケンカ相手のおかっぴきお蝶。この子も最高だった!紫 りらの娘。

女でも論語を教えてもらえて喜んでいる、男勝りな女の子。一生懸命で、本当に心が揺さぶられるような。可愛かったなー。

様々な日舞が楽しめます

日本物ですから、季節を楽しめます。春は桜、夏は七夕の星祭り。秋は江戸の紅葉が綺麗なお屋敷。そして品川宿では富士山が見えます。

イシさんとお鈴ちゃんのひょっとこお面のお祭りデュエットダンス的な場面は、ノリが良くて、お二人共上手!

毎度楽しみにしています、夢妃杏瑠ちゃんが演じる芸子さんのお歌が最・高でした!皆さんの日舞も美しい。

スイッチが入る瞬間のイシさんがカッコよい

轟悠の素敵な場面は、皆さん色々な感想があると思いますが、個人的には、フニャフニャしたイシさんが、突然敵がやってきて、スイッチが入るときの目👀。これが最高です😆😆。

本気出すぞ、コラ、みたいな。

心の中で、いよ!待ってました👏👏!!って掛け声かける感じですね。

数ある立ち回りは本当に大変だと思いますが、その鋭い目が痺れます~。

細石蔵之介は数奇な運命ですが、轟悠の宝塚人生も、数奇な運命だったのではないでしょうか。

ちょっと宝塚から離れていた頃にトップスターとなっていらしたので、その頃の雰囲気等はよく分からないのですが…、ここ最近の別箱主演の作品は、個人的には完成度が高く、男役云々というよりも、性別を超えた役者として凄まじいものがあるなと、感じていました。それに付いていく下級生の熱量も凄くて、相乗効果が作品を底上げしていたと思います。

ここまでコンディションとモチベーションをキープさせていくことは、並大抵の事ではないと思います!宝塚の為にすべてを捧げてくださって、本当にありがとうございます👃。

東京公演もありますが、7月29日(木)大千秋楽の日まであと少し。ディナーショーがあって10月1日付で退団されます。

また退団されても、何処かでOGショーとか、もちろん役者としても、お会いできる日を楽しみにしています。女性役として、再起されてはいかがでしょうか!?妖艶で大変面白い予感がしております😊。

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