月組『応天の門』『Deep Sea』感想1 菅原道真が向き合う藤原勢力争い 月は鏡 深海でも月見は出来る!

2023年4月15日




月組公演『応天の門-若き日の菅原道真の事-』『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』を観て参りました!

寒っ。せっかくなので平安時代に思いをはせ、小雪舞う❄京都にも立ち寄りました。今でも京都には平安時代のスーパースターが息づいている。たまたま立ち寄った神社は菅原道真を祭っているとか、美術館で見かけた歌は在原業平だったりとか。

漫画『応天の門』宝塚版という事で、とても月組らしい、完成度が高い!平安王朝 事件解決物でした。もう大得意だよね😃『桜嵐記』が懐かしい。
漫画のキャラクターらしいキャラの立った人物が沢山登場し、堅苦しくない、入りやすい、分かりやすい作品となっていて、

あっという間に終わった😲!

もっと問題解決して欲しい~😆。
個人の感想ですが、あっという間でした(笑)。のめり込み過ぎ?

応天の門とは?

平安京にはいくつか門があって、政の中枢を担う公達が集まる最後の門を、応天の門と言うらしい。
お芝居冒頭にアニメーション風に、次期組長 梨花ますみさんのナレーションが始まります。ここがめちゃワクワクしました。漫画感ありでいい感じです。

帝を中心に、藤原一族が牛耳る世。京の人達には、藤原を崇め出世を狙う者(かなりドロドロです)、唐から渡った商売人、文学に勤しむ学者、道ならぬ恋に生きる男、等々。

物語が進むにつれ、ああ、今の日本とそっくりだなと思った。
混乱の世に、鬼(らしきもの)は現れ、裏で何かが動いているのですよ🤔。セリフの1つ1つが浮世離れしてない、現代ミステリー作品っぽくも感じました。

そして何故か、絶世の色男、在原業平さんはお笑い担当で(嘘です)。さりげなく可笑しい😄ポイントが沢山あります。

簡単なあらすじ※ネタバレあり

清和帝(千海華蘭)に仕える右大臣 藤原良房(光月るう)と、左大臣 藤原良相(春海ゆう)兄弟。
お互いの娘 高子(天紫珠李)VS 多美子(花妃舞音)各々先に入内させようと画策している(これに尽きるんですね~政治の実権を握るには)。

月の子の日、鬼達が悪さする百鬼夜行のため、京の民は恐ろしくて、夜出歩く事を避けている。鬼を退治すようにと、検非違使の長 在原業平(鳳月 杏)が任命される。

満月の夜、屋根の上で月明りで書を読んでいた、菅原家の三男 菅原道真(月城かなと)に出会う。彼の才覚を見込んで、兼平は道真に協力してもらえないかと誘う。

菅原家のやんちゃな白梅(彩みちる)と、文人仲間の紀長谷雄(きのはせお)(彩海せら)。長谷雄が唐の女商人 昭姫(しょうき)(海乃美月)の店での負けがかさんで、借金が返せないらしい。
百鬼夜行の疑いを掛けられた昭姫。業平達も店に行ってみる。そこでは流行病で苦しんでいる人達に仕事を与えている事を知った。

そこで道真は業平の百鬼夜行案件について、昭姫の広い人脈を見込んで、店の人達にも手伝ってもらう事にする。鬼達が出没する場所、その日の港の様子など、徹底調査を開始する。

業平は藤原高子とかつて恋仲であった(今も両想い)。今や天井人、入内前にスキャンダルがあってはと、義理の兄 藤原基経(風間柚乃)が、多美子が先に入内せぬ様、色々画策している。
同じく、まだ幼い多美子の兄 藤原常行(礼華はる)は、無事に事が運ぶよう、妹の事を一番案じている。

調査が進むにつれ、藤原基経が鬼の悪行に絡んでいる事が明るみになってくる。それは業平にとってはマズイ展開。
はい、調査、中止~!(えー😮)。まさに国家権力、真実を闇に葬るつもりか😩?

道真には兄 吉祥丸(瑠皇りあ)がいた。父(佳城 葵)の勧めで藤原の家に出入りしていたが、狩に同行した時に狂犬に噛まれて亡くなった。惨い事になっているのに、父は藤原にたてつく事が出来なかった。

それもあってか、道真は権力を憎んでいる。もっと真実を知りたい、唐の国にも行ってみたい。どうすれば理想の国は作れるのか知りたい、と。いかんせん、本ばかり読んで杓子定規。人とのコミュニケーションが下手?

食えない坊ちゃまだこと!(まだ若いねぇ)

そんな中、事件は起きた。鬼や流行病を収める霊鎮めの祭りの日、公達の前に現れた多美子と清和帝(この2人めっちゃ可愛い😊)。

道真と昭姫は諦めず潜入捜査するため、祭りの舞を披露していた(踊りの才覚も、あり)。

多美子に振舞われた酒。兄の常行が異変に気付いて阻止し飲み干したところ、毒が体に回って大変な事となった…間一髪。

藤原の行き過ぎたやり方に、業平も心を改めたか、調査に再度協力する。高子には歌を詠み、お互いの気持ちを通わせる。

道真のプラン、あえて月の子の日、ひと気のない夜に多美子を入内させる。基経や鬼達はどう出てくるのか…。(もう分かりますよね)
まんまと引っ掛かった基経側。多美子のおとりを使い、本人は事前に入内成功。
ここは穏便に、一番のワル・基経はすました顔して事の成り行きを見届ける。高子含め皆はホッと一息。

でも、平安京の内裏にまだ鬼が、潜んでいるかもしれませんよ…(あんた達の欲深さだよ)。

争いに巻き込まれ死にそうになったけども…、恐れず藤原に、真実に向き合った道真。満月が我らを照らしている。

そんな感じだったかなーと。

百鬼とは作られた存在?

いつの世も怪奇事件とは、鬼なる者とは、何かヤバい事を隠すため、そっちに気を引かせて、裏で支配者達の勢力争いが展開されているんかなーと、思いました。

鬼が出てくるから夜の外出は控えよう~とか、流行病で民が大変だ!とか、なんか似てませんか?コロナ禍と。

道真は真実を科学的に示した。あまりやり過ぎると、やはり国家権力に潰されて左遷され…っていう事になっちゃうんでしょう。
理想の国を作る為に尽力したスーパースター菅原道真。色々な神社で祀られている事が、彼の素晴らしさの証拠かなと思います。

理不尽さから逃げずに戦う。人と向き合い、自分とも向き合う事を忘れない。己を見つめよ!という事でしょうか。

最後のトリック 月は鏡

これは勝手にニンマリしてました。大きな月の模様、よーく見てください。

まるで地上の写し、鏡のように思えませんか?

漫画の中で書かれている事かどうかは分かりませんが、面白かったです。月組だけに、この辺りの話は月組で楽しみたいです。BADDY達は月から来ましたね。

キャラが立つ個性的な出演者

普通の和物、平安王朝物ではないかも。メイクとか、鬘とか個性的!漫画の描写を再現されていたのかな~。

検非違使さん達は超和物メークだけど、まるで素顔のような、つるっとした清和帝からんちゃんとか。
何なの~可愛い多美子ちゃんとか(金髪のギャルみたいだった😍)。

道真は漫画のように、目の下にクマがある様なちょっと不気味な雰囲気。あぐらをかいた姿が様になっていた。
業平は誘惑の紫の目元。白梅は弥彦の再来か~😆(胸アツ)。酔っ払い風な長谷雄。

熟女的なイイ女風 高子。そして誰よりもメークが濃い!ジュリー風の藤原基経。

踊りの先生だった大師・結愛かれんは、もうどこぞの国の人ぞ?という、インドの女神様みたいでした😍。

他にも沢山、皆さんこだわりがあると思うから、更に要チェックしたいです!

そして深い海はバチバチ・ピカピカ かなりハードなラテン系

ショーは黒塗りラテンで深海のファンタジー♬また新たな世界を見せてもらった!感じがします。
照明がバチバチ煌めいていたり、クラゲが漂っていたり、ポコポコしていたり、なんか色々新しい!

深海も謎に包まれていますよね~😃。謎に包まれているからこそ、何でもありかもなーって。
深海でお月見するっていう場面があり、お芝居とリンクしてて面白い😃。

まずはパッと目が覚めるチョンパ!おお~。
月城かなとのあんな大きなフリフリ衣装、そして頭の羽根飾り。初めて見たかもぉ😆
ドーン!その存在感と新鮮さに目を奪われました~。

海乃美月が大・大・大活躍ですっ!
組子を引き連れ、ガンガン目ヂカラで踊りが決まる!いや~、愛希れいかを思い出す😢(ウルウル)。受け継がれておりますよ。得意の腹出しルックは目福です😎。

凰月杏といえば、その美しいおみ足😎。
はいはい、今回は女役でも登場され、れいこさんとデュエットでバッチリ堪能できます。

風間柚乃の魂の歌(シャウト!)高音が聞いてました、ソロの歌手で大活躍です。稲葉先生、美味しい所ちゃんと外さないよね~さすが。

海の底の底は、マグマ??真っ赤な炎。これは…大地の音がする踊りまくる月組子!ハードなシーンですねっ。
ここでも海ちゃんが力強い。退団者の場面となります。

そして更に稲葉先生といえば、最近私はこれが楽しみで仕方ない、若手チームでのダンスナンバー。
ヤバいの来た~!!!😆(嗚咽気味)

礼華はる筆頭に、既視感ありありの、彩海せら(Fire Fever!再び)が並び、選抜男役、娘役さんのダンスが心を鷲掴み。改めてちゃんとチェックしたいと思っています!

フィナーレは、初日の模様でもお伝えした、トップコンビの黒いタンゴ
これが絶品でしたね!!ギャツビーの背徳のタンゴから続く、情熱のハード目なラテンタンゴ。

そして5人のエトワールさん達。100期 桃歌 雪 力強い美声を堪能しました!私、結構好きですね~♬

ロケットの衣装にお魚ちゃんのヒレのようなモチーフが。クラゲがフワフワ浮いていたり、様々な場面で海を感じる細かなこだわりがあるはず。

そうそう、オープニングの頭につけていた白いたてがみ(「カルーセル輪舞」)は、青い背びれに変わって再登場!だったのかな?叶えば何度も見たいですよね~。

ラテンと海といえば、某夢の国アンダーザシー♬って感じで、テーマパークっぽい明るさとオラオラハード目ラテンと、月組スターの美味しい所を余すところなく詰め込んだショーではないかなと、思います😃!

行き交うマダムたちが、美しい、美しいって連呼。れいこさんの美しさが、一番なんですねぇ~。

でも、今回のお芝居はブラックジャック先生から続く、ズバズバと言い過ぎる不愛想な感じ?で、あまりにも素っ気ない的を得た発言に笑いも起こる。面白い事、いいま~す!って感じじゃない所が、今の月組の面白さじゃないでしょうか。狙わず面白い、スマートな笑い😎。

ショーの中で、なんかしらんけど、じゃんけんで負けるところとか。じゃんけん勝った~とか、大の大人が喜んでいる所とか、なんか笑えました😄。

千秋楽の日まで完走、頑張ってください!そしてまた東京でも観劇予定ですので、お待ちしています🙆!

モンブランは、横転してました (美味しかった😋)。

 

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