「SLAPSTICKS」感想 ドタバタ・サイレントコメディ映画界への郷愁 壮一帆出演




KERA CROSS 第4弾「SLAPSTICKS(スラップスティック)」を観に行ってきました😀。ゲネプロ動画を共有。

ナタリーさんより


そもそもこの題名の意味は何??Wikiより。

スラップスティック・コメディ(英: slapstick comedy)とは、コメディのジャンルの一つ。アメリカのサイレント映画で、マック・セネット(監督)がプロデュースしたキーストン喜劇が代表的なもの。観客を笑わせることおよび観客の笑いを引き出すことを主目的とした喜劇映画の中でも、とくに体を張ったコメディ映画のこと。日本では「ドタバタ喜劇」と訳されることが多いが、厳密には異なる。

サイレント映画で体を張ったコメディ映画って、チャップリンとかマスターキートンを思い出します。と言っても、そんなリアルタイムに見ていた世代では無い。

今回このお芝居を見て、劇中に流れる太っちょのロスコー・アーバックルの映画のワンシーンが、とてもノスタルジー溢れるいい間合いで、めちゃくちゃ面白かった😆!

当然ですが、CGとかない時代で、スタントマンも置かずに、自ら俳優がどれだけ体を張れるか!?が勝負な時代だったんだな~と、感心してしまいました。
「銀ちゃんの恋」のヤス階段落ちレベルじゃないですよっ!ジャッキーチェーンみたいな感じ?鉄塔や車、列車から振り落とされたり、ベッドに寝ながら河に流されたり。サイレント映画なので、軽快なピアノ演奏と共にワハハ笑いながら観ていたんだろうな~。

先日、宝塚月組「今夜、ロマンス劇場で」でも映画を作る面々のお話だったなと🤔。とても人情に溢れたアナログの世界で、スタッフと俳優皆で知恵を出し合い、まさに体を張って映画に命を懸け、楽しい作品を作っていた頃の物語。小柳先生のバウ初演出が「SLAPSTICKS」であった事も、今回知りました。奇遇ですね。

マック・セネット監督(マギー)のスタジオで助監督をしていた頃のビリー・ハーロック(木村達成/小西遼生)が、晩年、忘れ去られてしまったサイレントコメディ映画を配給するため奮闘しながら、昔を思い出します。セネットとかつては恋人だった女優メーベル・ノーマンド(壮一帆)、喜劇王ロスコー・アーバックル(金田哲)が登場します。

Wikiでも発見しましたが、メーベルは女優としては素晴らしいが人間としてはかなり堕落していた。アル中、コカイン中毒。精神不安定な状態で作品に出演していたんですね。
壮さんが、サイレントコメディ映画に出てくる女優メーベルの雰囲気そっくりで😆!大騒ぎしたり、愛嬌ふり舞いたり。かなり手がかかりそうな女だけど、とっても楽しく愛くるしい人。

そしてなんといっても太っちょアーバックル役を、肉布団を詰め込んで大きな男として飄々と登場する、はんにゃ金田哲が素晴らしかった😃。
ちょっと浮世離れした感じで、流石コメディアンなだけに、コメディアンの間がイイ感じ。本物のスターって、ファンにも案外優しく偉ぶらず。ああなんだな~感が漂っていた。京映のスター俊藤龍之介(鳳月杏)に被る。

実際に起こった事件で、アーバックルが女優を密室で暴行し殺してしまうという冤罪をかけられます。

きっと嵌められたんだろうなぁ…何者かに。人気者アーバックルが、憎きアーバックルとなり、いつしか国民から罵倒されるような立場に逆転してしまう。。仕事仲間のアリス(桜井玲香)にまで、嘘の?証言をされてしまい窮地に立たされる。

このくだりは、今の芸能界でも似た様な事がよく起こっているじゃないかと(やれ浮気だとか、交通事故だとか)、今も昔も変わっていない事に憤りと怖さを感じました。そして、そんな事はいつか人は忘れさる。

どうにか無罪を勝ち取ったアーバックルですが、映画人生から一線を退き46歳で亡くなります。
彼がどれだけ映画が好きだったか、映画が作れなくなるようなことを、自らすると思うか?と問います。
その通りだ、やはり冤罪だったのだ。仲間達は彼を信じ切れただろうか…。有名税とでもいうのだろうか。

やるせない気持ちが残りますが、サイレントコメディに携わってきた愛すべき人々の、洒落た大人のお芝居かなと、思いました。明るさと暗さが対になって悲哀となり笑えてくる。

セネット監督役のマギーさん率いる劇団の方々の、体張ったお芝居、クスクスと乾いた笑い。シュールな感じがたまらない空間だった。ビリーの恋人で映画伴奏のピアニスト アリス・ターナー(桜井玲香)も、他の出演者と同じくぶっ飛んでるシーン😄もあったりで、面白かったです。

ちょっと癖になりそうな舞台かな~。KERAさんが30代の時、情熱を持って書かれた戯曲の再演という事で、映画、役者への愛を感じたお洒落な舞台だったなと思いました。

KERA CROSS 第4弾「SLAPSTICKS
2022年2月3日(木)~17日(木)
シアタークリエ
第1幕75分、休憩25分、第2幕80分 (合計3時間)

作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:三浦直之
出演:木村達成、桜井玲香、小西遼生 、壮一帆、金田哲(はんにゃ)、元木聖也、黒沢ともよ、マギー、亀島一徳、篠崎大悟、島田桃子、望月綾乃、森本華

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