舞台「陰陽師~生成り姫」感想 音月桂出演 醜悪な大鬼姫に大変身!(マジ怖いです)




新橋演舞場で上演されていました、三宅健主演 舞台「陰陽師」。こちらも和物のお芝居という事で、舞台「千と千尋の神隠し」並みの世界観と、アッと驚く演出が大変面白かったので感想を残しておきます😃。

千と千尋は白龍🐉で、陰陽師のなまなり姫は赤鬼👹です。

昔は実際に目に見えていたんじゃないかな~と思う位、龍や鬼の伝説は沢山あります。しかもどれも間違って(誤解されて)教わってきたような気がしています。

ダイジェスト動画です。

簡単なあらすじ※ネタバレあり

安倍晴明(三宅健)の親友・源博雅(林翔太)が12年前、堀川の橋のたもとで笛を吹いているとき、とある姫が琵琶の美しい音色を奏で、声をかけた。その名は徳子姫(音月桂)。博雅はずっと気になっていた。

徳子姫は藤原済時(姜 暢雄)に嫁ぐが、両親は殺され、家宝の琵琶”飛天”は若い綾子姫(太田夢莉)に取られ、ぶち壊される。もう何もかも失ってしまった徳子姫は、済時と綾子姫の藁人形に杭を刺し呪う。2人を殺したいが為鬼と生りかける。安倍晴明のライバル・蘆屋道満(木場勝巳)が関係しているのか。

徳子姫から助けを求められ、晴明と雅時が館を訪れる。恥じらいをまだ持つ徳子姫。しかし半分鬼でもうどうする事も出来ない。愛し合う雅時と徳子姫が、一心同体となって大鬼となり、本懐を遂げようとする。(ここがスゴイ!約3メートル位の人間が寄り集まって大きな鬼が歩き出す。)

徳子と共に逝ってしまった雅時。晴明は親友が居なくなったことが悔しくて寂しくて、戻ってきて欲しいと切に願うが…。

最終的には晴明は博雅を取り戻し、今までのように無二の親友は、月夜に酒を酌み交わす。
そして徳子姫の側近 火丸(佐藤祐希)が仇を討ち、自害する。

生成姫(音月桂)の鬼の演技が凄まじすぎる😱

一言で言うと、ヤバいです👹

ここまでやるかと、ちょっとビックリしました。血だらけのマスクを顔に貼り、手は黒い長い爪。叫び呻り人を喰う。浮世絵で見るような鬼。キムの徳子姫。

↓東京ヘッドラインさんより。

姫が鬼となって呪って出てくる演目は歌舞伎等にありそうですが、女形が演じるのでなく、元男役が演じるという配役の面白さ。いっちゃってるキムを観るのは久しぶり。大得意分野だよな~と思いながら、でもここまで来ると女優生命がぁ😋…、って心配になるくらい迫真の演技(それも楽しそう)。

演舞場なので花道があるのですが、その鬼の形相で赤鬼ダンサー達を引き連れ、喰った姫の首を持って登場するのは見所!鬼から姫に戻ったり、また狂いまくったり、一人二役状態の物凄い形相…。サロメのようだ。

ああ、雪組先輩・朝海ひかるが3/21「サロメ奇譚」を演じられますね。元雪組トップスターとは、こういった狂気を演じられる!?和物の雪組なだけに、大変興味深く面白い😆。どんどん挑んで欲しいっ!

鬼となる理由がある

徳子姫の悲惨な不幸な人生が原因で、積年の恨み辛みが祟りとなり鬼となりかける。鬼になった理由が確実に存在する。そこを解明して陰陽師の技を駆使し、人助けする方々が存在する。道満は、陰陽師は人に関わるなと諭す場面がありました。

一度、鬼になってしまったものは、引っ込みがつかなくなる。鬼になってでも守りたいもの、本懐を遂げたい仇がある。一概に鬼=悪とは言えないなぁ。悪役の姿を借りて、実は大切な物を守っているという見方もある。

得体のしれない物を舞台上に演出する

晴明は人には見えない精霊とお話する事が出来る設定になっている。
屋敷の庭には、沢山の妖精、精霊達が楽しそうに生きている。素敵な舞台空間で、マイナスイオンで劇場が満たされているような感覚です。じわっと湿度を感じます。

コロスのダンサー達が鬼になったりもします。目に見えない霊、氣配を表現する、身体能力の優れたキャストの方々の演出が面白くて、現代的な和物ミュージカルという感じです。(あ、歌はないですね)

三宅健さん演じる晴明。陰陽師の呪文を唱えたり、結界を張ったり、分身の術シーン等、凄い迫力がありました!
雅時の一途な愛情は涙が出るほど愛おしい。現代言葉で話す済時と綾子姫の若干おバカキャラクター。

和物だけど現代的な部分も交えつつ、新しい舞台なんじゃないかなー。空間を大きく使って迫力満点の現代的な演出。
一味違う時代絵巻かなと思います。牧歌的な演奏も素敵で、拍手です👏👏

 

舞台「陰陽師 生成り姫
第1幕75分、休憩25分、第2幕55分、休憩10分、第3幕30分(合計3時間15分)

原作:夢枕獏
脚本:マキノノゾミ
演出:鈴木裕美
出演:三宅健 音月桂 林翔太 姜暢雄 太田夢莉 佐藤祐基 市川しんぺー 岡本玲 佐藤正宏 木場勝己
新橋演舞場 2022/2/22~3/12
南座 2022/3/18~3/24

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