『カジノ・ロワイヤル』感想1 ボンドは冷戦時代の影のヒーロー 案外マジで世界平和を守る イルカのように

2023年6月5日




遅ればせながら、真風涼帆&潤花 主演『カジノ・ロワイヤル』を観て参りました🙋。2人のサヨナラ公演。

まだ桜が残っていて、花の道や川沿いの桜はとっても綺麗でした。お天気も良かったし、良い行楽日和。こういうの久しぶりだな~♬

トップオブトップのサヨナラ公演であるという事で、懐かしい思い出が沢山詰まった作品でした。
もし、流行りの Chat GPT(AI)の宝塚宙組バージョンがあったら、”こんな作品(演出)如何でしょう?” って提案されそうな1本物ミュージカルだったんじゃないでしょうか(冗談ですよ)。

小ネタを取り上げたら切りがないくらい、話題が尽きない😆。

プラス、このご時世だからこその、小池先生のど・ストレートな世界平和(人類生物皆兄弟)のメッセージに、初め面くらったけど、きっと何か意味があるんだろうなと、素直な心で受け止めました🐬。

6、70年代の海外映画・ドラマ風の、エレガントで雰囲気ある音楽。あの頃の時代の香を感じ、ゆりかさんの醸し出す大人のエスプリが効いた、フランスが舞台のアクション・ロマネスクです。

簡単なあらすじ※ネタバレあり

1968年 COLD WAR 冷戦中、西と東で情報戦争が繰り広げられていた。英国MI6・米国CIAとソ連KGB。

MI6のジェームズ・ボンド(真風涼帆)。コードネーム007。自由を愛し女を愛し、仕事はきちっとこなす不死身の男。休暇中のジャマイカに本部Mから指令が来る。

ソ連のスパイ ル・シッフル(芹香斗亜)は、フランス共産党系組合の金を使い込み、高額ギャンブルで挽回しようとしていると。そのル・シッフルの計画を阻止するため、MI6の中で一番バカラが強いボンドが指名された。

それだけではない。ボンドの祖父は、ロマノフ家の人々を、革命前にクリミア半島 黒海からイギリスに亡命するための戦艦を用意した、つまりロマノフ末裔の恩人だったという逸話があった。

フランスのエージェント ルネ・マティス(瑠風輝)とヴェスパ・リンド(春乃さくら)、アメリカからはCIA フェリックス・ライター(紫藤りゅう)を助っ人に、ロワイヤル・レゾーにあるホテル内の「カジノ・ロワイヤル」にて、ル・シッフルとバカラ対決を行う事になる。

フランス5月革命の後、ソルボンヌの学生達は方向性を見失っていた。代表のミシェル(桜木みなと)と恋人で、ロマノフの末裔で王位継承権のあるデルフィーヌ(潤花)。
2人は警察に捕まりそうになるが、ミシェルはル・シッフル経営のバー「メゾン・ダムール」の歌手で、手下のアナベル(天彩峰里)に匿ってもらい、デルフィーヌは通りがかったボンドから、息が止まる様なキス💕のおかげで助かる😋。

バカラ対決は、ボンドが制する💪。任務は終わった、だがしかし…。

そのホテルにはロマノフの末裔が集まり、デルフィーヌのティアラ戴冠の仮装晩餐会が行われる。
ゲオルギー大公(寿つかさ)は、デルフィーヌを息子達(風色日向&亜音有星)と結婚させ、財産を我が物にしたいと考えていたが、デルフィーヌは、財産を市民革命の為、未来の子供達の為に使いたいと考えていた。

ティアラにはスイス銀行の暗証番号が、被った者しか分からないように隠されていた。ボンドとデルフィーヌは、隠された17の文字列、アナグラムを見つける。

ゲオルギー達はル・シッフルの計画に乗り、晩餐会中に、ある亡霊の演出によって混乱を起こし、デルフィーヌと招待したボンド諸共捕まえて、丘の上の古城・秘密基地で殺そうとしていた。

秘密基地には、ル・シッフルを皇帝と崇めた軍隊と、最新爆弾開発中のドクトル・ツバイシュタイン(若翔りつ)が、第三帝国を作るために組織されていた。ル・シッフルの大きな野望、目的がそこにはあった。

捕らえられたボンドとデルフィーヌ、追ってきたルネ、ヴェスパ、ライター。そしてアナベルとミシェル。
ル・シッフルに連れられて見学にきたギオルギ―大公一家の面々。皆がこの古城に集まった。

捕らえられたボンド、デルフィーヌは、ボンドの特殊な時計から出るナイフで縄を解き、脱出成功。
武器庫に皆が集まり、ボンドとル・シッフが銃と剣を使った一騎打ちとなる。

がしかし!ここでソ連からKGBの見張りを任された、もう一つの組織スメルシュのイリヤ(鷹翔千空)が、ル・シッフルを後始末する。美味しい所をかっさらう流儀。

その隙に、ボンドとデルフィーヌは設置されていたパラシュートを使って、その場を脱出する。2人のパラシュートのシーンは、朝靄に光が差し込むような、柔らかな場面だった。

とりあえずル・シッフル以外の主な面々は助かった。

デルフィーヌは、ボンドが解明した暗証番号で、スイス銀行の財宝を手にし、子供達の学校を作る為、コンゴに赴く。

またいつか、冷戦が終わってクリミア半島に行けるようになったら、黒海のクルーズ船に乗り、イルカと一緒に泳ぎたいと、ボンドと誓いを交わすのだった。

こんな感じだったかなと。

東西冷戦とは、第三次世界大戦を起こさない戦い

そういう事だったのか🤔

冷戦って、実際のドンパチを起こさせないための策だったんだなと。

だから戦争は終わってはいなくて、情報戦がずっと繰り広げられている。
私達市民が知らない所で、スパイ合戦が広げられ、知らないうちに大金が抜き取られたり、人が死んだり、組織されたり、メディアで洗脳されたり、しているんだろうな。あれから約55年。

リアルなMI6やCIA、元KGBのロシア幹部達は、今この混乱の世の中で、何を画策し、何を起こそうとしているのだろうか。核戦争を起こす、起こさないと緊迫したムードの地球。

ソ連は崩壊し、ロシアとなった。今の共産大国は中国だ。
民主主義VS共産主義という構図は、本当の所どうなんだろうか。ソ連が中国に変わって、その役目を担っているだけなのだろうか。

誰のための戦争なのか、西側のためなのか?第三世界を実際に組織している闇の皇帝は、中東なのか、アジアにいるのか?

この地球の各国プレーヤーたちが、武器や資金、メディアやIT技術等使い、均衡を保つべく情報戦を繰り広げる事で、沢山の死者を出すような世界ドンパチだけは避けたいと、共通の理解はあるのだろう。

だから冷戦、情報戦なんだな。

イルカは神の使い

こんなバカな事を何時までも続けている地球の人類は、イルカの賢さ、心の広さを見習いなさい!

ってことかしら。

イルカは神の使いと呼ばれているそう、ギリシャの女神・デルフィーヌ。

デルフィーヌちゃんは、神の使いなんです😃。
ロマノフの資産を狙う輩、冷戦を戦うスパイ、欲や争いにまみれた人達に立ち向かう、人としてまっとうで、勇気ある女性・デルフィーヌ。

最近、動物動画を見て感動する事が多いです。動物(人間以外)は、種族関係なく助け合ったりするんですよ。そして共通して、親は子供のために餌を与え、敵から守る。助けてくれた人間には、お礼の挨拶をしにくる。

愛と調和の行動が自然とみられる。

なのに人間と来たら…。

黒海のクルーズでイルカが見れるなんて、知らなかったな。

そういえば、最近、千葉の外房沖で、イルカの死体が30体上がったそうです…。地殻の異常な変動を、人間に知らせてくれているのかな。。。
なんでこんな酷い事を、自然が悪いのか、仕組んだ人間のせいなのか。許せません。

宙組あるあるポイント(1人ほくそ笑む)

宙組と言えばロマノフ王朝

やはり宙組といえば、ロシア・ロマノフ王朝って思いますよね。

真風涼帆出演作品の中で、前トップ朝夏まなとサヨナラ公演『神々の土地』、博多座で再演の『黒い瞳』、ミュージカル『アナスタシア』、そして今回の『カジノ・ロワイヤル』は、東西冷戦時代のロマノフ家の財宝を巡る物語、でした。

「COLD WAR」1968年冷戦の説明と、ロマノフ王朝滅亡のお話を、MI6のオフィスで映像交えて教えてくれるんだけど、そこにマリア皇太后様(寿つかさ)のお写真が登場して、もぉぉぉ、私が大リスペクトするマリア様の映像にほくそ笑む😏。

MI6からのミッションは、ソ連KGB(フランス読み?でカーゲーベ)の諜報員で、金を使い込んで何か悪い事を企んでそうなル・シッフル(芹香斗亜)を捕まえる事。

第三世界、ニューワールドオーダーを企むル・シッフルは、『シャーロック・ホームズ』モリアーティと同じような目的を持った男でした。民主主義も、社会主義も終わってる。だから自分達の帝国を作るんだ!(←つまり独裁じゃん😓)。

ティアラ戴冠の晩餐会では、資産を狙うゲオルギー大公(寿つかさ)のご家族達が、昔ながらのロマノフのお衣装を身にまとい、末裔たちが楽しむ場面もあり。
そこに『神々の土地』でも登場したラスプーチンの亡霊に仮装し、ル・シッフルが怪演。くぅぅ…ほくそ笑む😏(愛ちゃんも喜ぶよ)。

アクション・ロマネスク 対決総決算!

ゆりか&キキの対決って、どの作品でも剣を交えて戦うシーンが多かった。
『天は赤い河のほとり』、『異人たちのルネサンス』、『シャーロック・ホームズ』、ちょこっと『High&Low』でも。

アクション・ロマネスクとあるように、総決算でアクションが多かった!ピストルあり、カバン型銃あり、そして剣ありです。最後は素手で~(ハイロー)なんて嘘です😋。

不死身のスパイとロマノフ末裔の恋

様々なお役で活躍してきたゆりかさんの、最後のお役は世界的有名なMI6のエージェント、スパイです。

華やかな容姿とは裏腹に案外、裏方稼業が似合っていたのかなとも、思いました。
案外真面目に世界平和を守るために戦う不死身な男。この告白はちょっと照れ臭い感じでしたが😉。

ここは『シャーロック・ホームズ』が思い出されますし、『ホテル スヴィッツラハウス』でもスパイでした。スヴィッツラハウスでの相棒が瑠風輝で、今回も安定感ある並びでしたよ👍。

そして、潤花ちゃんは『アナスタシア』でもロマノフの姉妹の一人だった。
その流れを受けた、今回王位継承する娘の役という…1人ほくそ笑む☺。
彼女もまた、アナスタシア(星風まどか)と同じように、ゆりかさんと恋をするのですよね~😍。
しかも、現代版アナスタシアのようで、ソルボンヌの学生運動に参加し、

アメリカ、出ていけ~!!
って叫んでた💥。新しい時代だ、まさに。

ヒッピーファッション、ナチュラルな金髪ヘアーが斬新というか、潤花ちゃんだからこそ似合うスタイル👌

元気で素敵なお姫様で、等身大の女子大生像が好感持てます。
世界の子供達に学校を作りたいと意欲。ここは『バロンの末裔』キャサリンを想像しましたし、『オーシャンズ11』のエコ・ガールのテスも。

濃厚な息が止まるほどのキスシーンっていう物があり💕、それ、最強だな…。
なんだか可愛いトップコンビでした😍。

カジノで対決!回る回るルーレット

ジャックポット!

懐かしいですね~『オーシャンズ11』。今回もカジノが前半の舞台となり、スーツでビシッと登場するボンドは素敵ですよね😊。

ちょっと誇張した大きなルーレット、台、大き目のカード。カジノのシーンは皆で場を盛り上げる、ワクワクするシーンとなっています。

ルーレット、赤と黒。『赤と黒』は一か八かという意味だそうですね。
ボンドもデルフィーヌも、一か八かの賭けで出会って、恋をして、そして己の道を進んでいく。また会えるかこれも一か八かかなぁ。

そしてジェイソン博士、ならぬ、ツバインシュタイ博士が、かなり尺とって映像とともに説明してて、凄くこだわりを感じました。若翔りっつの歌声が耳心地よく、分かりやすい!

アイン、ツバイ・シュタイン!って😄?
どっちもなんだかエセっぽいなぁ…。ノーベル賞は取れなかったけど、お茶目な博士は見ごたえあり!。

ずん、もえ、きよ、みねり 他にもありそう・・・

私が知らない、気付いていない小ネタがまだ一杯ありそう。

桜木みなと演じる学生ミシェルは、革命家リーダー。

『神々の土地』のロシア革命へと繋がる革命家の一人!でしたね。
あの頃とはちょとっ違って、理想だけ大きくて、なよっちい坊ちゃん…。ポンコツキャラと言えば『王妃の館』旅行ガイド 戸川光男が懐かしい。

久しぶりのずんちゃんのオトボケが、かなり進化してて(笑)、結構ツボった😆。

面白過ぎる ”こんにぴあ ←なにそれ??うける👏👏

瑠風 輝演じるルネ・マティス。

ボンドを助っ人するフランス側の人間。ゆりかさんの相棒役が板についてきたよね。いい並びなのよ😊。
ヴェスパとCIAのライターと、乾杯はロマネ・コンティで!←高いって😱
『カルト・ワイン』のまがい物なら手に入るよ。ここでも春乃さくらにプロポーズしてたよね?今度こそ捕まえて!

優希しおん演じる、ル・シッフ 軍組織の隊長。

とんでもない身体能力を、この作品でも余すところなく発揮!!
『アナスタシア』ロットバルトや『High &Low』『黒い瞳』のコロスも思い出すな~。訓練のシーンが目が足りないです、娘役もいて凄く面白い。

天彩峰里演じる、アナベル。ル・シッフ経営のバーで歌う歌手。

いや~、濃厚キャラ かなりぶっ飛んでて、私は大好きです🙆。
これは『オーシャンズ11』新人公演のダイアナっすよ。この頃からその片鱗はあった訳ですね🤔。

ボンジュール♬ライオンさん🦁😆

銀橋でミシェルを匿い、お互い愛を告白する、オトボケ・カップルが楽しめます。
刑事役の秋音光の間、最高👍。

やっぱり、これはコメディなのでしょうか

こうやって見ると、お笑い満載って感じよね(笑)。

ラストは湿っぽくなく、楽しい仕掛けとアクションと、そしてお笑いと懐かしさの余韻に浸る感じかなー。思わぬ場面での笑いも起こっている気がして、

ここは色々見つけて大きな声で笑っちゃおう😁!!

フィナーレは斬新な大人仕様

フィナーレは、ゆりかさんサヨナラ仕様な場面もありました(すすり泣き声が)😢。

全体的にエレガンスを保ち、サヨナラっぽく湿っぽくならず、多くを語らず個々人の胸の内で懐かしむ。そんな演出だったかなと。

男役群舞ですよ!グリーンのベルベッドのスーツ。
スローなブルースで、ジワジワとアダルティーにカッコつけます!!😆😆

なんか今まで以上にスローで、フォーメーションも多様で、ああ、斬新だなと思いました。最後の最後は今までとちょっと違う技にチャレンジしている感じがする。

デュエットダンスは、真っ白なトップコンビが神々しく、デルフィーヌの名前にも出てきた、ギリシャ神話の2人のようだった。

潤花ちゃんを2回持ち上げて~の、最後の最後で大技!リフト回します~フィニッシュ!って感じでした😆。フィギアスケートだと、大技を後半に持ってきて高得点狙うみたいな感じ?

大きく見栄えする二人だから、何処の席から観ても華やかに際立つ空間となっていたと思う。ああ、もう一回観たいなー。

エトワールは、106期 葉咲うらら。
キキちゃんのディナーショーに参加していた、小柄で可愛い歌うまさんね。綺麗な歌声が劇場一杯響き渡っていました!

ふー、一旦ここまで!

東京のチケットは、ナッシング!どうにかならぬかのぉぉ。

そして今回も、ありがとうございました!ぴあ貸切公演。恩に着ます🙇。

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