日本初演ミュージカル「マチルダ」感想 正しくない!毒親と鬼校長に勝った子供たちに感動 霧矢大夢&咲妃みゆVer.




ミュージカル「マチルダ」を観て参りました🙋。
世界各国で賞を受賞している、児童文学作品『マチルダは小さな大天才』をベースに作られたミュージカルで、2010年ロンドン発、2013年にブロードウェイで上演、トニー賞受賞作品。私は初めて知りました。

アイデアニュースさんより引用します。

4人のマチルダ リアルに天才!

マチルダちゃんが可愛い。そしてリアルに天才!!

舞台はお洒落で明るく、お子様も楽しめる雰囲気。席に座ってわぁ~って声上げちゃった。可愛い。

その明るさの裏には、闇(=現実)が潜んでおります…深いですわ。見方を変えれば、地獄のような世界。

繰り広げられる大人達の違和感。現代の病魔、目を背けたくなるような毒親や、過去の栄光にしがみつくスパルタ鬼教師が跋扈する中、子供達は地獄のような日常で、理不尽な事や悲しい現実に立ち向かう、”リアルに勇気を貰える”ミュージカルです。

マチルダ役のセリフの多さ!歌の超絶難しさ!まじで天才だと思います😆。

キャストは以下の通り。

簡単なあらすじ※ネタバレあり

公式サイトのSTORYより引用します。

5歳のマチルダは、図書館にある難解な本も全部読みつくしてしまうほど、高い知能と豊かな想像力を持った少女。
しかし両親はそんなマチルダに関心を全く示さず、家庭は辛い場所だった。
図書館に居場所を求めたマチルダは、そこで教師のハニー先生に出会う。

翌日、マチルダとハニー先生は学校で再会する。
ハニー先生はすぐにマチルダが「天才」である事に気づき、その才能を伸ばしたいと願う。

しかし学校は、校長であるミス・トランチブルが恐怖で子どもたちを支配する『監獄』のような場所だった。マチルダは自らが持つ不思議な力を駆使して、子どもたちを苦しめる大人たちに仕返しを試みる。自身も苦しい子ども時代を過ごしたハニー先生は、マチルダの良き理解者となり、いつしか二人の絆は固いものになっていく―。

補足すると、図書館のミセス・フェルプスは、マチルダの創作物語を聞くのを毎回楽しみにしていた。
サーカス夫婦の物語が、かなりリアルで面白い。実はその話とは…、亡くなったハニー先生のご両親の、真実の物語だったことが分かる。(亡霊がマチルダに言わせていたのだろうか?)

鬼校長ミス・トランチブルは、ハニー先生の叔母にあたる人で、親代わりにミス・ハニーと家を引き取った。叔母に厳しく育てられたハニーは、彼女に強く言えない。ハニーもまた、家庭が辛い場所だった。

個人的な見どころはココ!

望まれない子 マチルダと、望まれた子 ハニー先生の運命

マチルダは、生まれて欲しくない子で、しかも可愛げのない賢い女の子。母や父に蔑まれても、一歩も引かず、本の世界にのめりこみ、小さな仕返しで鬱憤を晴らしていた😜。

一方、ハニー先生は、サーカス夫婦が待ちに待って授かった女の子。でも、母が死に、父が自殺し(他殺か)、叔母に引き取られる。きっと虐待(パワハラ)を受けて育ち、その学校で先生をしている。

何の運命か、この2人が出会う事になる。

どう考えても教室の生徒の中でピカ一に頭が良いマチルダ。
教師としてそれを見てみぬふりは出来ないと、ハニー先生はマチルダや校長に問いかけ(先生、頑張れっ!)、勇気を振り絞って生徒を守るけど、なかなかパワーが弱い…。

ハニー先生がマチルダをお茶☕に誘い、小屋のような貧しい家に案内する。1人の生活、これで十分だと。
この告白シーンは、涙なしには見れません😭。ミス・ハニーがやっと掴んだ自由の場所だった。

そこでマチルダの天才的超能力で奇跡を起こす。魔法を使ったり、死者と交信したり、正しくない事に真っ向向かって頭脳を使う。
誰よりも賢く強い。生徒たちも一緒に仕返しをする!感動のクライマックス✨です。

何にも染まらない子供の力とは、物凄い奇跡を産むと、私も信じている。

最終的にマチルダは、ハニー先生に引き取られ、相応の教育と家族を持つことで、そのパワーは消えていくんだな~。なるほど、大人になると必要無くなるというか、他に興味が湧いて失うように出来ているのかも。

この2人がこの物語の主人公だと思います。私はこういう話に弱い😭😭。

ハニー先生咲妃みゆに、めちゃくちゃ感情移入しちゃって。
頑張れ、頑張れって応援していました😃🌟。

透き通るような歌声、か弱いんだけど、子供達と一緒に正しくない事に目を背けない、芯の強さとか。突然めちゃくちゃ喜んだりする所は可愛い😁。

子供も大変だけど、大人も大変なんだよ。

強烈キャラ 毒親代表!

ここ最近の海外ミュージカルは、世相を皮肉った内容・演出をよく目にし、流石に日本でそこまで言う?って位、強烈な描写が多いんですね🤔…。やり過ぎ感が、某夢の国アニメーションのよう。それが魅力で笑える部分であるとも言えます。

マチルダの母
ミセス・ワームウッド:霧矢大夢

ヤバいっす。最近パワフル(勘違い)主婦といえば、霧矢大夢って位、ミュージカルの継母的役回りはお手の物(「ピピン」とか)。アメコミ風でミュージカルコメディに最適。
社交ダンスガンガン踊るし(現役ね)、常に高圧的で怒りまくってるし、もう最高です👍。

マチルダの父
ミスター・ワームウッド:田代万里生

本なんか読まないでテレビ見てろ!って真面目に怒る事に唖然😵。
彼はまだちょっとマチルダへの理解がある方かなあ…。マチルダを息子と呼びながら、最後には娘と言ってるし、なんだかんだいって彼女を見捨てないスタンス。
家族のため稼ぐ(=詐欺まがい)、かなりイッちゃってるセールスマン。ひたすら憎たらしい程、熱演です👍。

怖すぎてカワイイ校長

そして、もうここまで来ると愛らしい😈とまで思ってしまう。
校長先生ミス・トランチブル:大貫勇輔 

デカッ!!ハンマー投げや新体操など国の代表選手だった。
アングロサクソン系の大きな女性風ないで立ちが、アニメのキャラクターが動いている感じ。何で男性が演じるの?って思ったけど、これは男性が演じないと無理😆。

めちゃくちゃ怖い雰囲気抜群で、最高キャラクターです👌!

実はとても弱い人で、プライドを傷つけられると、とんでもない行動に出る危ないタイプ😱。
過去の栄光、数あるトロフィーを眺め、子供達を監視カメラで日々監視している校長。なんか、妙にリアルで怖かったです…😓。

このように、恐ろしい大人の過剰な演出が、案外リアリティありで、風刺が効いてやり過ぎ感がある所がまた、愛らしくも思える。

初めはうわぁぁ😳って思うだろうけど、慣れてくるとこの刺激がたまらなくなるかも😅。

個性豊かな子供たち

大小さまざまな子供、青年が同級生として登場しています。もう必死に食らいついている生徒を見ていると、痛々しいというかなんというか…。でもこれが学校なのかもな…。

チョコレートケーキを食べすぎちゃったぽっちゃりした男の子が、凄い面白くて。最後マイクを持って熱唱して、皆で戦うシーンは、盛り上がりました~😆🎊!

才能を見つけてあげるオトナの役目

”子供の(ような)心”が奇跡を起こす。

大人達の犠牲となっている子供達の姿は、ペットか兵隊か奴隷か?
信じられないけど、今の世の中と重なる部分もある気がして、実は私達も昔、知らないうちに奴隷化されていたのかもしれないと、ちょっと怖くなりました😥。

軍隊のような体育の授業、鬼教師の罰則、お仕置き部屋。懐かしいなぁ…。今とは随分違っているとは思いますが、逆に可愛がり過ぎとか?期待を一身に受けすぎてストレスになっているパターンもありそうですよね。

どちらにしても子供を規則や親のエゴに従わせすぎ、なのかしらと。世間がそうしろと、圧がある世の中でもある。

もっと子供自身の才能を、遠くから観察して気づいてあげる位で、ちょうどいいのかもしれない。だって子供の心の方が純粋でミラクルなんですもの。
あ、でも子ども同士のイジメとか、その辺りはまた別の話かもな…難しい。逆に先生が厳しいと子供達が一致団結するとか?どうなんだろー。

とにかくハニー先生の子供達を見る目、気づきは、素晴らしいと思った。
マチルダもハニー先生は他の先生とは違うと見抜いた。

こういう心の交流は感動的だし、これからの時代には必要なスキルかもしれませんね。

↓カーテンコールは撮影OK📽📸という事でした(プレビュー公演だけ?)。
上手く撮影出来てないけど、皆さんご挨拶。

もう一回、マチルダの世界観にドップリ漬かりたいかもな。
プレビュー公演だったから、その後マチルドが進化してるかもしれない。再度観てもいいな~って思っている。

ミュージカル「マチルダ
1幕75分 休憩20分 2幕65分(合計約2時間40分)

東急シアターオーブ:
プレビュー公演 2023/3/22(水)~3/24(金)
本公演 2023/3/25(土)~5/6(土)
梅田芸術劇場メインホール:2023/5/28(日)~6/4(日)

マチルダ:嘉村咲良/熊野みのり/寺田美蘭/三上野乃花(クワトロキャスト)
ミス・トランチブル校長:大貫勇輔/小野田龍之介/木村達成(トリプルキャスト)
ミス・ハニー:咲妃みゆ/昆 夏美(Wキャスト)
ミセス・ワームウッド:霧矢大夢/大塚千弘(Wキャスト)
ミスター・ワームウッド:田代万里生/斎藤 司(トレンディエンジェル)(Wキャスト)
ミセス・フェルプス:岡 まゆみ/ 池田有希子(Wキャスト) ほか

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