宝塚版の『壬生義士伝』に笑いと涙!望海風斗の独壇場!感想1
東京宝塚公演 雪組『壬生義士伝』を観にいきました。
外は夜でもあちい。でも雪組の壬生義士伝は雪降る岩手。気持ちヒンヤリしました。
宝塚版の『壬生義士伝』
映画やドラマにもなっている、浅田次郎氏のベストセラー小説「壬生義士伝」。岩手の南部藩足軽、吉村貫一郎と新選組の仲間たち、そして国にいる家族、しづと子供たちとの物語です。
宝塚で幕末といえば、「るろうに剣心」「桜華に舞え」「誠の群像」等、沢山上演されており、特に雪組は得意中の得意。若干、既視感がぬぐえない点も多いのですが。。。そこは史実に基づいているので、避けては通れない場面なのかな。
鹿鳴館といえば、明治政府のご婦人や元芸者たちがフランス風のドレスを着てワルツを踊る。フランス人講師がきてマナーを教える。
明治政府でも活躍した、凪七瑠海の松本良順先生の語りによって、ここから幕末の志士たちの物語が始まります。
くすっと笑える新選組
石田 昌也先生の演出で、素材感ある素敵なだんだら羽織をはおった新選組志士は、
とっても面白かった😁。
肩の力が抜けていて、気負いが無く、一味も二味も深みを増した新選組だったような気がします。
特に、あーさの斎藤一と、しょうちゃん土方さんのやり取りとか、それを取り巻く志士たちのじゃれあいとか、ぼそっと面白い事言うし。組長谷さんは、もうベタだし(笑)。あす小川さんは、またスゴイ役で度肝を抜かれたし…。
あーめんどくせえ、めんどくせえ。
新選組後半になると、自分たちの存在意義に疑問を感じたり、忠義ってなんだろうとか、ただの寄せ集めだった彼らの中にわだかまりができて、妬み、裏切りが起こる。とても人間っぽく血なまぐさくなってくる。
演出の石田先生らしい、素の彼らのやり取りがくすっと笑えて、でもだんだん死に近づいてくる、辛く、切ない。
ひとこ総司が、カラッと明るい中に、命短い若者の儚さを感じます。いやぁ、、、本当に雪組からいなくなっちゃうなんて、その時は知らなかったよ😥。。。
和物の全員芝居。舞台の端から端まで、私にとって一番の見物でした。
名曲誕生、親子愛に涙
本当にいい歌ですね~。
風に乗って届け~♪俺の心。
名曲誕生ではないでしょうか?
だいもんときいちゃんで、あの歌を歌ってくれるだけで、目をつぶると岩手山が見えてくる。まるでジブリ映画・久石譲の音楽のような。
この曲が生まれたことで、この作品は名作となっていくと思います。まさにダイモンの歌として今後も歌い継がれる気がします。
私が涙したのは、岩手の子供たち。彩彩コンビ!!
もぉおお、客席からもすすり泣き、嗚咽に近い物が聞こえてきましたよ。
彩みちるちゃんは、子役専門ですからね。彼女が一言発するだけで私は泣いてました。いじらしくて本当に子どもの心が見えてくる。
そして新人公演主演の彩海せら。あみちゃんも「ファントム」から続いてダイモンの子供役。利発そうな武士のせがれ。
きいちゃんお母さんが大切に育てた、とてもいい子達。泣ける・・・。
どうしてこの時代は、こんなに貧しいの????
しづが身ごもったまま川に身投げとか、もう勘弁😫!辛いっす。
望海風斗の独壇場(反則です)
そして肝心の主役・望海風斗の吉村貫一郎。
演技が凄すぎて、反則ですよ!
客席からはすすり泣きが聞こえてきましたが、圧倒的すぎて、私は涙も出なかった🙀。
またしてもダイモンにやられた、やっぱりスゴイな…。
家族のために守銭奴うになって、腰を低くして生きている。剣の腕は超一流で、鼻息荒い新選組とは一線を画した存在感が、皆から一目置かれる存在となる。こんな新選組のサブストーリーがあったのかーと思いました。
クライマックスの、大坂 南部藩蔵屋敷での咲ちゃん大野次郎右衛門とのやりとり。血まみれになって握り飯を横目に、ボロボロの刀で自ら一刺し…。
泣けるどころか、壮絶過ぎて圧倒されました。
横で講談師がうぎゃーーって畳みかけるような名場面、クライマックス。
このシーンが一番の見せ所なのは間違えありません。
しかもダイモン一人っきりで、まさに独壇場でございました!!
2度目の観劇にトライ
お話全体を通して、『壬生義士伝』もう一回観たいって感じです。
私も客席と一緒に涙したい😓。(うまく泣けなかった)
一つ一つ集中して全舞台を見すぎて、どこか夏の暑さにやられていたのか、若干取りこぼしがあった感じが。ムム。。
チケットがもう1枚、幸運にも手元にあるので、改めて観劇して再度感想を書きたいと思います。