『エル・アルコン 鷹』感想2 復讐劇が幾層も重なり 黒い礼真琴が物語を引っ張る
なかなか珍しい設定だと思います、きっと初演の時も。漫画の存在は知りませんでしたが、あの頃もトップスターが悪役で、トップ娘も悪役なんだーって思ってました。
安蘭けいの悪役は最高です
安蘭けいの悪役、めっちゃお似合いですよね。ウフフ。
丁度今、TBSドラマ「危険なビーナス」に出演されておりますが、
もうね、本当に悪女👽。
最高ですよ、うますぎる😆。
とうこさんのシーンだけマジ見してます。この路線一本で、今後もお茶の間🍵を震えさせて欲しいと願う。
ダークヒーローなる所以
さて、なぜ悪役なのか?出演者が皆、それぞれに辛い過去があり、憎しみがあり、守りたいものがあり。それらに復讐を誓って、力をつけて、各々の考えのまま生きてきた。悪に染まる物もいれば、正々堂々と戦うものいる。
逆にそのような信念もなく、地位や名声だけの為に生きている位の高い人たちは、簡単に騙され、ヤラレテしまう。なかなか骨のある面白い作品だったのではないかと思います。
初演のあらすじが昔の公式サイトに掲載があったので、私も参考にしました。
黒いお役の礼真琴がどんな風になるのかが、やっぱりキーです。一貫してダークヒーロー物を引っ張っていかなければならない。
主なキャストの感想
ティリアン・パーシモン:礼 真琴
黒いロングヘアが印象的なティリアン。流し目の上から目線。
イギリス貴族だけど、ひょっとするとお父さんがスペインのスパイであるジェラードだったのかな?スペインの無敵艦隊を持ってイギリスを倒すことを願っている。
台詞の語尾のニヒルな感じとか、歌はもちろん耳心地良く、とうこさんにちょっと面影が似ていたりして。
悪い奴だけど憎めない、セクシーな冒険活劇の主人公だったと思います。
悪役は台詞の語尾が大切だと思うんですよね。浮ついた感じにならないように、上から押させつける様なもの言い。普段のまこっちゃんとは違う次元のティリアンだったと感じました。
見どころは、
きゃ~ラブシーンだったよねっ!
くらっち演じるペネロープは、なんと!グサッと一突き😱。抱き合いながら殺されるなんて、オッカナイ~。そして、
ギルダとのラブシーンは、ちょっとした名シーンだねっ!?
少年時代、イギリスでのけ者にされていたお話も織り交ぜ、ティリアンは可哀そうな人なんだ…って思わせておきながら、容赦なく許せない邪魔者は殺していく、やっぱり酷い奴。きっと目的のためには情を捨ててきたのだろう。その徹底ぶりが逆に好感を持ちました。
まこっちゃんのティリアンは、なかなかのモノ。
掴めそうで絶対手に入らない、振り向いてくれない冷酷な男。悔しい~😫って女性なら思うだろうなと。
確かに8日間では惜しいかも。もう少し長く観ていたかったと、ファンの方々は思うだろうなぁ。
「七つの海七つの空」の歌は、物語を壮大な空気に変えてくれる主題歌で良かったと思います。
ギルダ・ラバンヌ:舞空 瞳
女海賊の長として登場してきたときは、これまた凄いな~って思いました。
般若の様でしたよ(褒めています)😈
話が進むにつれ、実はフランス領の小さな島の娘で、他国から奪われないように自分たちで海賊として守っていると。そのために受けた胸の傷跡は生々しい。
ギルダも一本筋が通って行って、ティリアンとは幼い頃に出会って助けていたという、これまたビックリ。
出会いは敵同士だけど、実は深い所で繋がっていて、お互い惹かれあう。でも悪役は最後は死んでしまう定め。2人は天国で結ばれるのかな。
きっと礼真琴に引っ張られるように、ダークヒロインに磨きがかかったんじゃないかなあ。2人ともダークヒーローを演じるという挑戦を見事にやってのけたーって感じを受けました!
ルミナス・レッド・ベネディクト:愛月 ひかる
正反対なのがルミナス。
若くてハツラツとした明るい好青年。
父をティリアンに殺され、復讐のために海賊になる。ついつい愛ちゃんがいつか悪い人になっちゃうんじゃないかって想像したり😋してましたが、ルミナスは本当に良い奴で、仲間にも恵まれ、復讐に成功しますね。
やっぱりカッコいいな~。とても美味しい2番手のお役だったと思います!
ジェラード・ペルー:綺城 ひか理
面白い役どころでしたよね!
ティリアンの父親代わりみたいな存在であり、海賊の師匠でもあるスペインの貴族。万里柚美演じるイザベラの情夫?かな。
ちょっと謎めいた存在で、切れ者だけど油断ならぬ人という雰囲気が醸し出されていました。
最後の、ティリアンに殺されるシーンは、名シーンでした!切なかったなー。
ペネロープ・ギャレット:有沙 瞳
イギリスの豪商の娘、ピースケ演じるエドウィンという婚約者がいるのに、父に近づいてきたティリアンに心奪われてしまい、本気になってします。
めっちゃ可愛いお金持ちのお嬢様👸。
こういう役どころも、本当に得意ですよね。お衣装がどれも美しくて見とれてしまいました。
最後の殺されるシーン、こちらも名シーンだよねっ!手の震えが最高でした🙆。
エドウィン・グレイム:天華 えま
ペネロープの婚約者なんだけど、ティリアンに奪われてしまい、復讐に立ち上がるイギリス紳士の役どころです。
紳士らしいいで立ちは、うーん!スカーレットピンパーネルのパーシーを思い出す😊。ピースケの貴族っぽい役どころは、私は好きなんですよね。
最後はちょっと可哀そうな役どころでしたが…。
キャプテン・ブラック:天飛 華音
見るからに海賊!強そう~。
愛ちゃんベネディクトに心惹かれ、一緒に復讐のお供をしてくれることになる。
いよいよ大きな役が回ってきましたね。声が太くて聞きやすいし、ほんと、強そう(笑)。
ショーでもせおっちの1場面を担当していて、星組の戦力になっているんだな~と感慨深かったです!
ジュリエット・グリンウッド:桜庭 舞
この役は一体なんだったのぉ~☆彡
終始頭(・・?(ハテナ)で見ておりましたが、ぶっ飛んでて、目が覚めるシーンというか😆。
1ミリもひるまず、ぶりっ子ちゃんを演じている桜庭舞ちゃんに、感動すら覚えました。そう、外部の舞台ならば、神田沙也加ちゃんが演じそうな、乙女な少女。
愛ちゃん軍団に力を貸してくれる、冒険好きな少女キャラクターでした。可愛かったです♥
主要なキャストでは以上でしょうか。
色んな国の貴族が登場したりで、星組のイケおじ達や、個性的な女性が沢山でてきて、楽しかったなー😀。
どんだけ妾がいるのよ!パーシモン卿の朱紫令真や、その妾の一人、シグリットの音波みのり。
はめられたグレゴリーの輝咲玲央、イギリスの女王エリザベスの白妙なち。
そして礼真琴のお母さん役がこれで最後となるイザベラ役の万理柚美さん。
1回のライブ配信ではわからない所もあったような気もしますが、ちゃんとお話は理解できて、幾層にも織りなす復讐劇の連続で、最後は大きな海原を目指すティリアンとギルダの夢を天国で叶える、真っ白な衣装に包まれた2人でエンドでした。宝塚らしい最後でホッと一息でした。
礼真琴は、実は黒い役が似合う?
ちょっとそんな風に思いました。
いつも笑顔で明るいホワイトな印象なだけに、俳優として黒いお役をやるとそのギャップにファンは若干ショックを受ける。それが相乗効果となって、極悪非道、狂っている役、人間の血が通っていないような役が、結構イケるというか。見所がある感じがします。
例えば、柚香光の黒い役よりも、礼真琴の黒い役の方が、怖い。
何考えてるか、何するかわからない感じ。モーツァルトがそんな感じでしたよね。
また違う礼真琴のそういった役を見せてもらえたら、面白いんじゃないかなーと思いました。
なーんていっても、
ロミオが一番観たいよね!!
次の大劇場公演が楽しみです♥。