『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』ライブ配信感想1 皮肉たっぷりコメディーミュージカル♬
やっと、やーーっと観る事ができました、花組のナイスワーク!2月6日16:30 梅田芸術劇場の公演をライブ配信視聴しました。あと3日で千秋楽、コンビネーションもうまく合い、舞台が温まってきたころの鑑賞だったのかなーと。
思った以上に大作で長丁場😮。2012年のブロードウェイ作品という事ですが、往年の古き良きアメリカのエッセンスが一杯詰まっていて、悪法で名高い「禁酒法」のアメリカらしい展開が皮肉たっぷり。今この時に観ると、感慨深いメッセージ性も感じるコメディーミュージカルでした。
簡単なあらすじ
金持ちのジミー(柚香光)はモダンダンサーのアイリーン(永久輝せあ)と4度目の結婚を控えていた。禁酒法時代のクラブで飲んだくれていたジミーが出会ったのは、その店にお酒を卸している酒の密輸売人である女性ビリー(華優希)。酔ってビリーを口説くが全然覚えていない。ほとんど使わないロングアイランドの別荘話を聞いて、通称”ブラウン・ベア”で名が通っているボスの手下である売人仲間、クッキー(瀬戸かずや)、デューク(飛龍つかさ)と共に、400本の酒の隠し場所として別荘に向かう。
そこに、結婚初夜を迎えるためジミーとアイリーンがやってきて鉢合わせ。クッキーは執事の服を着てお手伝いと化し、地下室の酒に気づかれないよう、ビリーによって色仕掛けでジミーをその気にさせる作戦にでる。2人は本気にお互い好きになってしまう。同時に密輸売人を逮捕するため、警察官(汝鳥伶)一味もこの別荘を調査する。
一旦はジミーの重婚騒ぎで破断になりかけるが、アイリーンの上院議員の父(和海しょう)、禁酒取締り?委員の叔母(鞠花ゆめ)が結婚の挨拶にとアイリーンと別荘に戻ってくる。
色々あって、どうにかしてジミーが結婚を断わり、ビリーと一緒になれるよう、クッキーはある事を思いつく。結婚昼食会の場所にジミーの母(五峰亜季)が現れ、実は…重大な2つの真実を知る事となる。
←最後の重大真実が、かなりツボにハマりました。さすがアメリカ!綺麗は汚い、汚いは綺麗😉。
ナイスワーク 個人的見どころポイント
まるで当て書き?
このミュージカルを花組メンバーの当て書きのように潤色された原田先生に拍手だと思います👏👏。最近、原田先生づいている私ですが😊。
トップスター柚香光の爽やかさとタップの美しさ。華優希の健気さと、ふとした時に感じる往年のハリウッド女優のような美しさ。そして日本のどちらかのホテルマンのような(笑)、オムレツ作りが得意な瀬戸かずやと、カンペキ!なブロンドヘアの永久輝せあ。それぞれの個性が光り輝いていたと思います。
この4人を中心に、脇を固める恋する面々のバリエーションが見事。上院議員で裁判官で牧師でもある(なんじゃそりゃ😅)和海しょう。お酒ダメ!と言っておきながらジン入りレモネードで人生開眼する鞠花ゆめ。完全に3枚目で異彩を放っていた、密輸売人の飛龍つかさ。そしてオープニングのダンスナンバーでセンター大活躍のクラブの踊り子・音くり寿。
そんでもって、ちょっとトボけた警官の専科・汝鳥伶さんや、いつ登場するの?!って一番の大御所だった母・五峰亜季さん。
アメリカのあるある
昔のブロードウェイミュージカルやハリウッド映画には、ブロンドの見た目美しいだけの女性、風紀委員のように、手作りクッキーを配るような良妻賢母の女性、何で生計を立てているか謎なプレイボーイや、人気取りだけの議員とか、アメリカの象徴のように登場するんですよね、皮肉な感じで。我ら勝ち組だぞ、みたいな。
その人たちは、実は汚い商売をやっているとか、世間をよく分かっていないとか、まあ色々で、真実の愛とは、本質とはなんだろかと、表と裏がある事を皮肉っている。
↓ウッディ―アレンの映画「マンハッタン」ではガーシュインの音楽が使われて、お頭大丈夫?っぽいアメリカ人が登場するところが印象的だったんですよねぇ。
また音くり寿演じるジェニー・マルドゥーンが、イギリス王室に入りたいと言います。アメリカ人にとってイギリスは常に憧れであるのは、今でもそうなのか、イギリス人=クールみたいな。
その当時のアメリカの光と闇が、明るく楽しく😁映し出されていて、ちょっとした台詞に個人的に反応してしまい、いちいち突っ込みたくなるものでした。
かなり個人的過ぎるポイントですね、ハハ😓。
沢山のカップルが誕生した所も、個人的にはサプライズな感じで、ハートフルウォーミングなラストだったと思います!ハッピーな雰囲気に包まれました~(ゆうちゃんさん&ひとこ、とかね😆)各々キャストの感想はまた次の記事で。
ガーシュイン名曲に懐かしむ
アメリカ人の有名な作曲家といえばガーシュイン。やはり「ラプソディー・イン・ブルー」や「スワンダフル」が流れるとノッてしまう、嬉しいです。
また個人的に好きだった映画「恋人たちの予感」にも登場する歌がいくつかあって、懐かしい~。
ジミーとビリーで、♬ガーシュインとパンプキン。タンバリンとサーロイン、面白いですよね!映画ではアステアも歌う、♬ポテト、ポタト、トメト、トマト で訛りの違いを男女で歌います。(Let’s call the Whole Thing off )
ビリーが歌う「バット・ノット・フォー・ミー」が切なくて美しい(←これ、正しいかな?ちょっとうる覚え)。その他色々な名曲が上手く物語の中に組み込まれていて、とても楽しい演出になっていると思います。
ダンスナンバーはタップダンス
ブロードウェイミュージカルですから、ダンスナンバーがかなり豊富。タップダンスが印象的で、大きな階段を使ったり、お風呂のバブルっ娘達が沢山出てきたり、夢ある1つのショーみたいで楽しめます😀。そこは下級生含め、メンズ&ガールズがめちゃくちゃ頑張っていたと思います!!
そしてやはり、柚香光のスーツを着たタップダンスは、はい!フレッド・アステアのように。スマートで軽やか。見ていて楽しいダンスです。案外クラシカルな雰囲気も持っているれいちゃん。ハットにステッキもお似合いです。
フィナーレのタップダンスはゾクゾクするような、久しぶりに正統派タップの群舞に心躍った気分です。
そしてデュエットダンス、掛け合いのような2人の関係性も良くて、ああ、あと1公演でこのコンビは終わりなのかと…勿体ないなぁ、なんて思って観てました。
一先ず今日はここまでで。主なキャストの感想はこちら。
思った以上に大作ミュージカルで、一回の配信だけでは理解できなかったかもしれませぬ。。コメディ作品だし、笑いのテンポも大事だし、歌もダンスも、かなり盛沢山だった!複数回観られる方は羨ましい😄。
2月9日(火)が大千秋楽という事で、あともう少しで終わっちゃうけど、皆さん頑張って楽しんでくださいね!