『アウグストゥス』感想2 トップ柚香光 誕生と重ねるローマの歴史物語




花組『アウグストゥス-尊厳ある者-』について。

ローマ時代の史実を元に、トップスター柚香光をローマ初代皇帝オクタヴィアヌスに見立てたお芝居となっています。自分なりの解釈を楽しみながら書いてみました。あくまでも個人の感想です。

簡単なあらすじ

内戦に勝利したユリウス・カエサル(夏美よう)凱旋式に、大甥で跡継ぎとされているオクタヴィアヌス(柚香光)が留学先からローマに帰ってくる。オクタヴィアヌスの友達アグリッパ(水美舞斗)、カエサル腹心のアントニウス(瀬戸かずや)、カエサルの恋人クレオパトラ(凪七瑠海)、敵方ポンペイウスの一味だった元老院ブルートゥス(永久輝せあ)、カッシウス(優波慧)等の面々も。ローマ市民に愛されるカエサルは、終身独裁官となる事を発表する。

その時、ポンペイウスの娘ポンペイア(華優希)が、父の仇とカエサルに斬りかかろうとするが、オクタヴィアヌスが逆に傷を負う形でその場をおさめ、助ける。ポンペイアは自分の復讐心が他人を傷つけたこと、そして助けてもらった事、愛を感じたことに自らを許せなくなる。

剣の腕前よりも法律で国を治めるべきだと、皆が助け合って国を一つにまとめたいと、温厚である意味”お坊ちゃま”なオクタヴィアヌスは国造りについて思う。

だが内戦後も虎視眈々とカエサルの命を狙う物がいる。ブルートゥス一味はカエサルを暗殺する

跡継ぎは若きオクタヴィアヌスとなるが、実力でのし上がってきたアントニウスはそれが許せない。クレオパトラを愛してしまったアントニウス。2人は恋人となりエジプトと同盟を結び、逆にオクタヴィアヌスのローマとアクティウムの海戦で戦う事になる。

王座を夢見たアントニウスは、命からがらエジプトに戻るが殺され、クレオパトラも自害する。

長らく続いたローマの内乱が一件落着したオクタヴィアヌス。実は陰ながらポンペイアが味方しれくれていたことを知る。

皇帝誕生までの見どころポイント

公正で高潔な人物

「ルビコン川を渡れ」という有名な言葉がある。
カエサルが、元老院とポンペイウスの企てた罠にハマると知って、背水の陣、絶体絶命の時。ローマの法律で渡ってはいけないルビコン川を、死罪覚悟で部下を引き連れて渡り、相手を打ち負かす話だった。

「法律を破る」という事が、後々シコリが残るし、結局自分も殺されてしまう結果となる。

オクタヴィアヌスが「法律で国をまとめる」事を指針としている事、また留学先で「無知の知」を実感する謙虚さ。最終的にはこういう公正な人が国のトップになってくれると、平和が訪れるのかなと思います。(と、聞いたことがあります😉)

策略で相手を利用し倒したり、力づくで奪ったり、色々やっても、結局は同じように自分もやられる。そんな歴史の繰り返しなのでしょうね。

その全てを受け入れて、公正なやり方で全身全霊で国のトップになる。その人に市民は付いていくのだと。

トップと2番手の最終対決 新花組を演出

オクタヴィアヌスとアントニウスの一騎打ちとなりますが、瀬戸さん演じるアントニウスが「かかってこい!」とげきを飛ばすようで、なんだか泣きそうになりました。

もっと強く!倒してみろ!
本気みせろー😈みたいな(脚色付けすぎか)。

優しさだけではダメなのだ。守るべき物のために鬼にもなれ!れいちゃんの目力は凄かったです。

アントニウスは愛するクレオパトラのいるエジプトに逃げちゃいますが、、これはそういう物語なので、決して瀬戸さんが弱腰なのではありませぬ。
見果てぬ夢を追い求め、かの地で2人一緒に死ぬ事が出来れば、それも美しいストーリーかなと思います。

2人の女神の対比が面白い

この2人の対決の裏には、美しい女神、恋人がいます。

オクタヴィアヌスに助けられたポンペイア。
彼女の祈りと存在が、どれだけオクタヴィアヌスの力となったことでしょう!

そしてクレオパトラは、知性と美しさを兼ね備えたエジプトの女王。
アントニウスを本気で愛してしまった。エジプトの政治のために自分を利用してきた今までとは違う。彼の為に戦います。

対照的な2人の女性が登場しますが、どちらも「真実の愛」がそこにあります。
ここもお芝居の見どころポイントです!

市民の心は移ろいやすい

政治とは何ぞや?
ローマ市民を収めるためパンと芝居を与えたと言いますよね。そして宣伝を政治利用して上手くコントロールするとか、紀元前からあるわけで。。

人気があるか無いか、市民の心は本当に移ろいやすい。

まあ、私達もそんなもんだし、真実から目をそらさないでウォッチして行かなければいけませんね。

イタリア宗教絵画のような美しいローマ市民

大きなマントを翻し闊歩するローマ政治家達が、めちゃくちゃカッコよいです😍😍。若手男役さんも沢山いて、みんな骨太で威勢が良くて、まるで絵画のようですね~。

女性陣もローマ時代のドレスで着飾ります。特にクレオパトラは異国情緒というか、なんか現代的な衣装なども身に着けたり、とにかく見ていて楽しい!あの空間はショー的なスパイスであり、思わず目が覚めます🙀。

最後の海戦のシーンは、まさにイタリア絵画のワンシーンのような照明のあて方で、美しいなあ~と思いました。田淵先生のこだわりではないでしょうか。

一番スポットライトが神々しかったのは、ラストのれいちゃんの真っ白なお衣装で登場するシーン。

ま、ま、眩しすぎる😎

芝居中、コロスのような(黒天使的な)怨霊、闇を象徴させる黒いダンサー達が、結構怖いです😣。怪演なのですが、他にも死んでしまった人たちの怨霊が象徴的に登場します。

しかし、最後は全ての闇を吹き飛ばすような光を放っており、象徴的なシーンです。

後日、主なキャストの感想を🙋

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