『ホテル スヴィッツラ ハウス』感想1 真風涼帆&潤花 芸術が引合せた大型カップル誕生




梅田芸術劇場たった1度の公演。5月5日のライブ配信をありがたく拝聴しました🙇。

植田景子先生、私は大変感動しました😭😭。

戦時中のスイスを舞台に、命に代えても芸術を守る人々の行動、愛情、決断。セリフ一つ一つに魂がこもっていて、宙組生の演技が、心が画面越しに伝わって、もう色々な所で涙しっぱなしでした。

あぁ、いい作品観たなと🙂。

景子先生のオリジナルで初コンビ

男役としてかなりの充実期を迎えている真風涼帆と、初々しい宙組のお嫁さん・潤花との初コンビ。

ダンサーとしても活躍している潤花ちゃんのバレエダンサー役が、バレエリュスへのオマージュと相まって、景子先生が作り出す至極の男役像とバレエ芸術がぶつかり合う。

芸術が2人を引き合わせた、大型カップル誕生となったオリジナルミュージカルとなっておりますっ!(まとめてみた)

ゆりかさんと潤花ちゃん。
これからも期待MAXですよ、私は。イイと思います👍👍。

バレエ好きなら、ヨーロッパ好きなら、色々うふふっ😊て楽しめるこだわりポイントが沢山。ニジンスキーが公演した演目のお話や、その後の人生について等。
私は個人的には、ホット・ショコラータ☕(ホワイトで)が飲みたいなと思いました😋。

とはいえ、かなりシリアスな内容で、これが80年前の話でありながら、今2021年の我々にとって、まるで同時進行しているような錯覚をうけるお話。”芸術ができる事”をテーマとし、今のご時世に宝塚(芸術)が本気で挑戦している状況であり、景子先生のメッセージ性が存分に詰まっている。

無観客の劇場の緊張感と、そこで繰り広げられる真剣勝負・一瞬の煌めきを感じながら、じっくりと味わいました。

時代背景的に、大好きな「カサブランカ」を思い出しますね。知性溢れるオリジナルミュージカル。

簡単なあらすじ※ネタバレあり

連合国の情報がドイツ軍に漏れている。コードネーム”ウィリアム・テル”が、スイス・サンモリッツのホテル スヴィッツラ ハウス近辺にいるらしい。英国駐在のオランダ外交官ロベルト(真風涼帆)はスパイキャッチャー。捜査中、ホテルでバレエリュスのダンサー・ニジンスキーをオマージュしたバレエ公演が開催される。オーデションにパリからやってきたニーナ(潤花)は、母がバレエダンサーだったロベルトと気が合い、惹かれあう。

スポンサーのヘルマン(芹香斗亜)とアルマ(遥羽らら)。そしてバレエ団長のミハイロフ侯爵(寿つかさ)。彼らバレエ興行はなぜかドイツに許可が必要とされる東欧を回っている。偽装パスポートで国境辺りで捕まったピアニスト・ラディック(紫藤りゅう)がホテルに来たタイミングで、ロベルトはスパイはヘルマンだと特定したが、果たしてヘルマンの目的は何なのか?

ヘルマンは、ユダヤ人芸術家を収容所送りにせぬよう、バレエ団を隠れ蓑に救済する代わりに、金でドイツ軍へ情報を流し、やっとアルマの恋人でありピアノの天才ラディックをホテルに呼び寄せた所だった。

そして偶然にも、ロベルトの恩師ネイサン(紫藤りゅう)が冤罪で殺されてしまった真実を突き止める。ネイサンが追っていた女性”ウィリアム・テル”は、ロベルトの今の情報部高官リチャード(美月悠)の愛人だった。真実を隠蔽するために、リチャードは自らの罪をネイサンに被せて殺してしまった事が判明。

全ての真実にたどり着いたロベルトの下した判断は。全て神のお導きか…。

そして戦争が終わり、ニーナがダンサーとして成功し、ロベルトは守るべき愛・ニーナと一緒に暮らせる日が来る。ハッピーエンド🌼。

芸術が情報戦の結果を変える

戦争は情報戦である。情報を掴んだものが勝つ。裏切り者は罰しなければならない。

でもなぜ裏切ったのか、その目的は?この世が狂っているから、守るべき物、愛する者のために、時には裏切る事もある。

芸術とは、理屈ではない、心から感動したり愛したり、人間としての本能を呼び起こすモノであるかもしれない。狂った世に染まった人間の、本当の心を思い出させるために、芸術は常に必要なものではないだろうか。

スパイであるヘルマンは、芸術を守るため自分の命も掛ける行動をしてきた。果たしてスパイ容疑で逮捕するべき人なのだろうか。芸術を理解できるロベルトだからこそ、下した結果は、ヘルマンを自分の仲間として、二重スパイとして雇う事を取引する。

うむ、これが戦時下🤔なのだろう。

これが知性であり、人間の度量たるもの。
くっ、カッコいいぞ!ロベルト。

そして劇場は幕を上げ続けられるのか

私達は今、この状況でもどうにかして劇場に足を運び、ライブ配信という形で無観客でも舞台を観続けている。

舞台を公演していいのかしら、劇場に行っていいのかしら。。

というような同調圧力に負けてはいけない。それこそ狂った世なのであるから、お芝居を通して、芸術や音楽を通してしか伝えられない真実がある。そこに気づける人が絶対増えてくるはず、開眼してくるはず。

真風涼帆の最後のご挨拶、「一緒に頑張りましょう」という言葉に、私も深く頷き、前向きにこれからも頑張ろうと思いました。

2度美味しい紫藤りゅう

うふ😍。個人的には、今回の紫藤りゅうのお役が、とんでもなく印象的でおいしすぎる!と思いました。

まさに物語のキーパーソンっ!

1人目はロベルトの上官であり、なんとも非業の死を遂げたネイサン。これって、このご時世(裏の社会)でもある話だと思うし、絶対に、絶対に許してはならない事だと思う。誰かが真実を追い続けなければ、浮かばれない。

ロベルトが最後までこだわった、ネイサンの真実を突き止めたからこそ、時計の中にあった秘密のメモに気づけた。神様の仕業ではないだろうか。

2人目は、天才ピアニスト・ラディック。

貧乏だけど演奏は天才的なユダヤ人ピアニスト

見るからにその通りで、人が良さそうで、不幸そうで、ピアノを演奏する回想シーンは、キキちゃん、ららちゃんの力演もあって、素晴らしい場面✨だった!!しどりゅうの登場シーンから私は号泣😭

宙組のお芝居に、また違った目力ある男役像が加わったなと、思いました。作品にますます深みが増しますぞ!

他にもバレエ団の皆さん、そうだと思った!ゲイのユーリ―・カップル、105期生大活躍!等、沢山語りたいですが、主なキャストの感想は後日💁。

もう公演するチャンスは無いのかと思うと寂しいですが、まさに一回きりの奇跡の梅田公演となりました。
思い出として胸に刻みます。そしてジワジワと来ると思います。

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