『桜嵐記』感想1 楠木三兄弟よ、惜しいのぉ…珠城りょう&月城かなと&鳳月杏 麗しや




もっと早く観に行く予定だったけど、ギリギリ間に合った😆。紫陽花が綺麗☆彡岡田レビュー色よね。

月組トップコンビ、珠城りょう&美園さくらの、宝塚の地サヨナラ・ウィークに差し迫ってきました😢。お芝居もショーもかなり温まって、盛り上がって、出演者のボルテージが上がってるな~💥と思いました。

あっちではお披露目、こっちでもサヨナラ。心が忙しくて、1つ1つ思いを込めていたら、全部観てられません😢。特にたまきちのサヨナラに関しては、なーんか、なーんか納得いっていない自分がいて、気が乗らないというか、まだ現実を受け止めていない。

楠木三兄弟を丁寧に描く

上田久美子先生と作り上げた『桜嵐記』を拝見。
オーソドックスな日本物をということで、南北朝の争いを舞台に、公家と帝と、武家が登場します。南朝の本拠地・吉野の有名な桜をモチーフに、武士の境地と桜の花を照らし合わせ、見た目にも美しく、日本人の琴線に触れる様な、正行の最期と、たまきちのラストを合わせた作品となっていました。

(ま、言われなくても、分かるわよね😅)

北朝の足利尊氏(風間柚乃)が、楠木三兄弟がこのまま果ててしまうのは、同じ武士として何とも惜しいと言います。

まさに、珠城りょう&月城かなと&鳳月杏 3人が揃って登場するのは、これで最後。

楠木三兄弟よ、惜しいのぉ…。

私の感想も、これです。名実ともに素晴らしい武士。三人が名乗りを上げ登場するシーンは、よっ待ってました!的な、着物姿に大きな弓矢。合戦絵巻に出てくるような美しさ。これこれ、宝塚の日本物ジャンルの一つでもあります。

頭が良く真面目な兄・正行(珠城りょう)、料理が得意な優しい正時(鳳月杏)、戦が大好きわんぱく正儀(月城かなと

兄弟愛が眩しい✨眩しすぎて涙出ます。

それぞれのキャラクターを丁寧に見せてくれて、笑いもあって楽しい。
戦で各々違う道を歩む…。そこも見所でもあります。

もっとこの3人の芝居が見たかった。こんなにしっくりくる3人、そうそう無いと思うな。まさにリアルな奇跡の三兄弟です。

そしてなんといっても、お父様である楠木正成(輝月ゆうま)に教えを乞う、三兄弟のお子様時代泣かせてくれるのお。
銀橋登場で、会場でのすすり泣きが最高潮となります。我慢できません😭😭😭。

同じくこの公演で専科となる高師直(紫門ゆりや)の悪代官ぶり。

最・高 ですヨ👹!

さすが専科の演技だわ…。薄ら笑いや焦点が合わない目が不気味過ぎて、三兄弟の敵として不足無し!(ショーとのギャップにおののいた☺)
師直におびき寄せられた弁内侍(美園さくら)の道中を助けたのが正行。2人が出会うきっかけだった。

 

簡単なあらすじ※ネタバレあり

物語冒頭で、晩年の楠木正教(光月るう)が簡単に南北朝時代の背景を教えてくれます。日本史の勉強が出来て楽しい場面です。この時代に明るくなくて、史実と間違っているといけないので、大まかな流れと見どころポイントを。。

鎌倉幕府を倒し、実質武士・足利尊氏(風間柚乃)らが実権を握っていた北朝の天皇と、後醍醐天皇(一樹千尋)が自ら政治力を握り、武士ながら天皇に仕えた楠木家らが守る南朝の後村上天皇(暁千星)。2つの太陽が日ノ本を照らしていた時代。京の北朝と、吉野に落ち延びた南朝。

南朝のために戦った日野俊基(朝霧真)の娘・弁内侍(美園さくら)は、北朝の武士 高師直(紫門ゆりや)に仇討ちを狙っていたが、道中襲われ、楠木正行(珠城りょう)に助けてもらい、南朝武士の手助けをしてもらう事になる。

正行は後村上天皇に、北朝へ使者を出したい(和睦を打診)と願うが、後醍醐天皇他、先の戦いで敗れた正成、日野、北畠顕家(夢奈瑠音)の怨霊に取りつかれ、勝てる見込みのない四条畷の戦いに出陣することとなる。

正行は後村上天皇より弁内侍を嫁にもらって欲しいと言われるも、死ぬとわかっている我が身が一緒になることはできないと。それでもこの瞬間、恋を知り命を考える事となる2人。

足利尊氏が楠木家に参上し、手を組まないかと打診するも、忠義の為、父の教えを守るためと、叶わなかった。

そして決戦の日が訪れる…。

 

南朝に滅ぼされたのか?我らは…。

煮ても食えない”忠義”とやら🤔

れいこ正儀はぼやきます。
そうだよ、忠義って何なんだよっ!?
負けるとわかっていて公家のために戦う武士とは、一体なんなのだろうかと。

北朝と和睦を結ぶしかないと気づいた、パパ正成の教えの通り、正行も北朝へ使者を出すことを願いますが、後醍醐天皇の怨霊のせいか、そうはさせてくれない後村上天皇。彼も辛いよね…、ありちゃんの涙、とても美しい。

北朝との闘いは、はじめから勝敗が決まっていたわけで、まさか味方(南朝)に滅ぼされる事になろうとは。なんだか三兄弟同様、私の胸にぽっかり穴が開いたような気分になりました‥‥😮。

虚しい。武士って何なの?公家って何様?

『ヴェネチアの紋章』みたいになってきたな…、絶体絶命。彼らはどう決断するのか!です。

戦っているのは武士だけではない。女子供皆殺しにあい、一人残された弁内侍。料理以外は(笑)すべて自分でできる、誇り高き女性。そんな中、北も南も、武家も農民もなく考えられる、正行の大きくて公平な人柄に出会い、心が溶かされていきます。

大きな流れの中で、一番の選択をすること

兄貴・正行は最後の最後で、兄弟たちに好きにしろと言います。

もうどうして良いかわからない。今まで信じてきたことが本当に正しいかどうか、という問題でもない。大きな世の流れの中で、今ここにいる自分にとって、何が大切か、何を選択するか、その選択は自由だ。考えろ。

この「大きな流れ」大局をみる冷静さが凄いと思います。自分だけでなく、我が家だけでなく、その先の日ノ本、そして世界、宇宙に心を配る事。常にそう意識すれば、世界は平和になれるのかな。

自分、不器用なんで(妄想)

実直な正行は、愛した弁内侍との思い出を胸に、彼女を最後の女としたかったから、いや、彼女の替わりに最後まで戦い、この戦いに挑み果てる事を決めたと…。照れくさそうに、髪を乱しながら、笑ってもういいぞと、カッコよく果てます(カクッと)。

なんなのぉおぉ!!不器用すぎる~😍

たまきちっぽくて、上っ面な甘い言葉は語れず、”無理”で、でも実はロマンチスト、彼女の事大切に思っていたのねーウルウルと思いました。

やはりこの正行の最期が、この物語の一番の見どころでしょう!

大きな珠城りょうだから醸し出せる、滅びの美学。陰影のある絵的にも素敵なシーンです。

れいこ正儀は生き延び、ちなつ正時は先に自害して逝ってしまった妻・百合(海乃美月)の元、三途の川へ行く事を選択します。

えんやら、えんやら、どっこいせー♬

河内 赤坂 関西では有名な歌なのですか?私は初めて聞きましたが、家臣たちがこの歌を歌って、戦勝を祝い、士気を挙げます。

「桜嵐記」は案外土臭いというか、この河内の歌にもあるように、綺麗な場面だけでない武士や民の場面が心に響きます。民謡の手拍子のように、特に往年のファンの方にはゆったりして見やすいお芝居だったのかなと思います。

最期の壮絶な戦いのシーンは、スローモーションで描かれていて、そこにはこの歌も思い出されるし、牧歌的なパパ正成の子供たちへの教えもあったりで、野郎臭い感じが良かったです。

弁内侍に金で雇われて道案内をしていたジンベエ(千海華蘭)が、いつもながらにイイ味出してます👍。農民の代表って感じで、軽やかに自由で、”弁内侍を守る武士”を拝命し、晩年もずっとお傍にいる事になります。

まるで映画「七人の侍」のように、農民は強かに謙虚に生き抜くんだなー。これまた印象的なキャラクターです。

滅びの美学では片付かない、これからの日本

改めて南北朝のダイジェスト版のような物語を観て、歴史とは繰り返しているのだなと思いました。

でも、これでいいのかな。滅びの美学は、物語だけにして欲しい。

現実社会で、私達も同じような立場になってはいないだろうか。忠義が美しいのは分かるけど、必ずしも忠義を尽くす相手が正しいわけではない。

それでも生きていかなくてはいけない。絶体絶命の極限の中で、私達が選択をする心は、バリアを張らずに常に自由にしていなくてはいけないと思います。

楠木家の貢献は、今でも語り継がれます。たとえ敗れても、またこうやって蘇り、いつか南北朝統一の本当の意味での平和な世界がやってくることを、いやそれしか方法は無いと、願います。

もうムララストデーが来週21日(月)に迫っています。またライブ配信や東京で再び観劇出来る事を楽しみにしています。

和物はスルメのように、ジワジワと味わい深いもの。何度観ても発見があります。また感想書きます🙋!

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