「羽世保スウィングボーイズ」感想 和太鼓&タップと日本の造船所の未来 華丸さんの元妻役・大空ゆうひ出演
大阪・新歌舞伎座で博多華丸さんの舞台「羽世保スウィングボーイズ」を見て参りました🙋。
博多発信のお芝居。前回東京で戦後昭和の人情たっぷり「めんたいぴりり」で感動した口ですが、今回も大空ゆうひ出演続投!という事で、これは観たいと決意。博多弁が心地よいんですよね~。
舞台の真ん中に和太鼓が。バックにはジャズバンド、そしてフラットな舞台はタップダンスを踏めるようになっている。とってもお洒落な空間だなーと思いました😀。
公式映像ダイジェストより。
華丸さん、和太鼓、タップ、めちゃくちゃ大活躍😆!!
ジャズの街、タップの街・羽世保。この港湾都市の財政事情や、造船所のリストラ問題、昔亡くなった同僚が得意とするタップダンスが繋ぐ、親と子の愛情。地元を愛する謎の名士が、羽世保造船を守るためにある約束を提案します。
和太鼓、タップ、ジャズ演奏がふんだんに織り込まれており、ストーリーとしてはかなり社会派な内容で、最後は半沢直樹かっ!って思う位のストーリー展開。ドラマティックで、色々な要素が沢山詰まった作品でした!
主人公は、羽世保(きっと長崎の佐世保がモデルかな)にある「羽世保造船」に勤める、腕の良い溶接師・五代剛(博多華丸)。造船所の吸収合併か、リストラかと問題が持ち上がります。これは今の日本各地で置かれている問題とリンクし、ちょっと切ない😐。
造船所内では、和太鼓クラブの練習や、羽世保はタップの街という事で、タップクラブの練習風景が見られます。会社内の部活動って、昔はあったなーと懐かしい。
カメリア探偵社は夜はジャズバー(椿鬼奴がママ)。その歌手、亜沙子さんの役が、大空ゆうひさん。
うふふ、本格的なジャズナンバーを2曲、聴く事が出来まーす😍。ゆうひさん、上手い!ジャズの渋ーい感じが最高です👍👍。
亜沙子の設定が、なかなかのやり手で。
ネタバレ覚悟でお伝えすると、主人公・五代剛の元妻。娘を産んで30歳になって、夢があるなら後悔してはいけないと剛に背中を押され、離婚して単身ニューヨークにダンスの修行に飛ぶ。(女30歳って、リアリティあるよね😏)
その後、地元に帰ってきて、地元の為になる仕事がしたいと思い、市長選に立候補。現在は羽世保市長さん。パンツスーツ姿がナイス・スタイル👌(さすがのスーツの着こなし、お見事)
街の財政を考え、羽世保造船所の跡地を、”ポリーハッタ―”アトラクションを建設する案を検討していく。え、まだ吸収合併もリストラも決まってないのに、なぜポリーハッタ―??水面下で計画が進んでいた。これまたどこかのIRカジノ建設の話と被ったりしますよねぇ😑。。
羽世保造船は、職人の実力はピカ一なのだが、昨今は安い韓国の造船所に受注を取られてしまい、会社は倒産の危機に追い込まれているらしい。韓国、近いもんね…。このあたりもリアルに切ない。
さて五代家は、剛は姉・栞と弟・匡の2人の子供達を男手一つで育てる。母の亜沙子の存在を、まだ子供達には話していなかった…。栞が結婚すると彼氏を連れてくる。
実は匡は、タップダンスが得意で仕事上の事故で亡くなってしまった昔の同僚の忘れ形見だった。タップダンスのメンバーを上達させ盛り上げるため、亜沙子は匡の力を借りるべきだと言う。実の父に似てタップの才能は素晴らしい。
タップダンスの起源は、アフリカの人たちが楽器を奪われ、何もない中でも音楽が無いと生きていけないと、足を鳴らして演奏したのがキッカケで生まれたのだそうです。
日本の打楽器・和太鼓と、タップダンス。どちらが最高の打楽器なのか‼セッションが始まります。
この街に本当に大切な物は何なのか?安けりゃいいのか、タップが上手けりゃいいのか、お金になればいいのか。
他キャストのサブストーリーも充実で、ドイツにパティシエ修行を考える南沢奈央演じる食堂の女性に、恋焦がれている羽世保造船の工員。タップがあんまり上手くないけど頑張って練習している工員。亡くした同僚のために労働組合を仕切る工員。
じ~んと来る😢、ええ話が散りばめられています。
どうすれば大切な物を守れるのか。色々考えさせられる社会派作品だと思いました。
最後に・・・、
ゆうひさんのタップは、見られないのでしょうか?(宝塚風のタップで良いので😊)
もしや元タカラジェンヌの方では?
お、お、鳳 蘭?(惜しいっ😅)
次の舞台出演の告知ネタ、分かった人どれくらいいたかなぁ~😁。
これは是非、東京で再演されることを期待してまーす!
←明治座150周年で上演中です。2022年10月23日~28日迄。
明治座の羽世保スイングボーイズは、大阪の時よりも間が良くてパワーアップ。客席も笑って泣いて、最高でしたよ!!華丸さん、気合がスゴイ!熱い!皆さんの魂のタップと和太鼓の音。やっぱり涙、感動、感動の初日でした👏👏👏。
明治座って本当に素敵でワクワクする劇場ですよね。目の前の銀杏並木が色づき始め、銀杏の香が鼻を突く心地よい秋晴れでした。
「羽世保スウィングボーイズ」
作・演出:G2
企画・製作:博多座
1幕80分、休憩30分、2幕65分(合計3時間)
博多座:2021年7月16日〜27日
新歌舞伎座:2021年8月28日、29日
明治座:2022年10月23日~28日
出演者:博多華丸、南沢奈央、大場美奈(SKE48)、中村浩大(Jr.SP/ジャニーズJr.)、椿 鬼奴、斉藤 優(パラシュート部隊)、天宮 良、財木琢磨、幸田尚子、天津木村、松岡裕哉、坂本あきら、大空ゆうひ、長谷川初範