柚香光『哀しみのコルドバ』あらすじと主なキャスト感想2 韓流系結ばれぬ初恋
花組全ツ 柚香光&星風まどか の『哀しみのコルドバ』感想を。あくまでも個人的な感想になります😁。
簡単なあらすじ
スペイン コルドバ出身の闘牛士 エリオ(柚香光)は、スペインで大変人気があり、闘牛士仲間でもグラン・エリオと呼ばれている。アントン・ナバロ (和海しょう)師匠で、娘のアンフェリータ(音くり寿)と婚約中である。
マドリードの名士、リカルド・ロメロのお屋敷のパーティーで、偶然にも初恋のエバ(星風まどか)と遭遇する。若くして未亡人となり、ロメロ(永久輝せあ)とは恋人同士で、求婚されていた所であった。
エリオとエバは、コルドバで若い頃恋人同士だったが、エバの母親パウラ(鞠花ゆめ)の再婚話が持ち上がり、突然2人は街から姿を消してしまった。ずっとお互いを忘れずに今まで過ごしていたことを、マドリードで気づいてしまう。
闘牛士仲間のビセント(聖乃あすか)は、セバスチャン伯爵(一之瀬航季)の奥方であるメリッサ(春妃うらら)と恋仲となり、どんな事があってもメリッサと一緒に幸せに暮らしたいと言う。祭りの夜に2人でいるところを伯爵に見つかってしまい、伯爵から決闘を申し込まれる。
介添人は、エリオとロメロ。この2人がこの後、エバをめぐって本人同士も決闘する事になるとは…。
決闘に勝利したビセントは闘牛士を辞め、メリッサと貧しくとも幸せな生活を送る。
コルドバでの試合を控え、エリオは故郷に戻り、エバもコルドバに帰る事にする。2人の仲が怪しいと勘づいたロメロは、甥のフェリーペ(優波慧)に見張りを頼む。
エリオの母マリア(高翔みず希)は、パウラと実は同じ工場の男と恋仲であり、マリアはエリオを、パウラはエバを産み、お互いの父親の存在を明かしていなかった。つまり異母兄妹だったのだ😱。
結ばれてはいけない2人。エリオとロメロの、エバを巡った決闘当日に、パウラが事実を明かし決闘は中止となる。
エリオが選んだ道は、エバに真実を伝えず、2人で幸せに暮らそうと、試合の後に教会の裏で待っててほしいと嘘をつく。
試合当日、エリオは最後に自らの命を闘牛に捧げる事になる…。
見どころは?
スペイン闘牛士の美しさ
宝塚、数あるスペイン物、スペイン風ショーがある中、柴田先生のスペイン三部作と呼ばれるものもありますが、このコルドバは闘牛士が主人公なのが特徴。
闘牛士のお衣装をバッチリ着こなせる男役かどうか、ここが魅力かなと。
黒塗り化粧に黒い髪。シュっとしたスタイルで赤いマントを翻す時のキリリとした顔。
オープニングのスパニッシュ群舞も素敵ですし、スペイン風の音楽も心地よい。あの赤いマントを翻し踊るマタドールは、ああ宝塚だわ~♬って思わせてくれますね。
愛を貫ぬくか、対面を重んじるか
お芝居冒頭に伏線として登場するのが、純粋なビセントとメリッサの年の差カップル😍。
ああ、身を滅ぼしちゃうかも…この2人って思うのですが、神様は純粋な恋人達の味方するんですね~。
エリオがあれだけ闘牛士の道を捨てるのは止めろと、ビセントに説得したけど、結局自分も初恋のエバを選択するという、破滅の道へと突き進んじゃう訳です。柴田先生の展開ですね。。
そして婚約者のアンフェリータ😢。向日葵のようなあんなにいい娘、居ないよっ!!バカ…。
とても理解のあるアンフェリータ。そんな都合の良い女性の描き方。男性目線ですよねぇ。。まあ、初恋の人には勝てないから、時間をかけてフェリーペ君を頼れば良しという事で🙆。
名曲揃いのコルドバ♬
三角、四角関係の恋人達の心情を、あの名曲エル・アモール♬でお届けします。この三重奏がとっても素敵なんですよね。メロドラマチックで、ここが一番の見どころだと、私は思います。
そしてお芝居冒頭の、ソル・イ・ソンブラ♬は、太陽と影(Sol y sombra)という意味だそうで、日差しの強いコルドバの太陽と闘牛士のカッコいい曲。あれも名曲。峰さを理のあの歌をふと過りました。
れいちゃんエリオの、ソル・イ・ソンブラ♬ カッコよかった😎!
どうしたって結ばれない訳
初演が1980年代でしょ?まだ韓流ドラマなんて無かった時代ですよ。その頃から、異母兄妹だなんて、衝撃的だったでしょうね!
初演はダイジェスト版で歌しか映像で観てなかったので、あらすじを知らずにコルドバをフルで観たのが、全ツ雪組早霧せいなバージョン。この時の衝撃といったら…。
韓流やねん!まずい、まずい、その展開~。
って一人突っ込みしてました。母同士のやり取りが、コルドバの田舎のおばちゃんって感じで、占い師・美穂圭子さんまでが怪しく登場したりして、ぶっちゃけトークがなかなかの見どころだったと思います。
当の本人には伝えられない親心があったのかなあ…、コルドバの街を出た時点で、ちゃんとエバに教えてあげればこんな悲劇は無かったのに…。
お母ちゃん達が悪いんやね😣。
組長さんとゆめさんのお芝居が、迫力があって良かったなと思います😃。
死を選ぶしかなかった、グランエリオ
全てを手放してエバを選択しようとした所(ビセントも幸せそうだし、俺も😊みたいに)、結ばれてはいけない理由を知らされるエリオ。後がない所まで来ちゃう男の姿ってのが、柴田先生のお話に多い展開。まさにドラマティックなんだけどね。
咄嗟の判断だったのか、闘牛場で一人晴れ舞台の場で、マントを手放し、愛するエバに真実を告げずに死を選ぶエリオ。男の身勝手と言うか、追い詰められてもなお、自分の美学を貫き、人生を懸けた闘牛場で果てる事を選んだんだか…。
色々想像できますね。これって男性のご意見を聞きたいところです。
衝撃的なラスト過ぎて、思わず顔を覆って😱、幕!って感じだったなあ。最後に余韻が残ります。
主なキャストの感想
エリオ・サルバドール:柚香 光
きっとエリオを演じたいと思う男役が多いのかなー。
5代目エリオ、選ばれし男役だったのでしょう。
ダンサーとしての資質はもちろん、情熱、パッションみたいな物も持ち合わせていて、お似合いだったと思います。
今回強く感じたのは、闘牛士仲間から慕われる「グラン・エリオ」と呼ばれる男である、という所。大先輩の余裕がとっても画面越しに伝わってきました。
アンフェリータへの愛情、和海しょう演じるアントンさんへの想い、そしてパッと火が付く初恋のエバへの想い。其々が愛おしく心を感じたお芝居でした。
そしてお歌が、なかなかGOOD!!でしたよ~。
エバ・シルベストル:星風 まどか
未亡人として登場ですから、こちらもドキドキしました(笑)。大丈夫かしらって。
年齢設定的に色香を感じる女性という事ですが、ロメロと一緒にいるときは、小悪魔的で女亭主というしっかり感が出ておりましたね。
エリオとの再開後は、
もう10代の少女のようで👧。可愛かった~😊。
エル・アモールの美声はやっぱり素晴らしい。今後も沢山歌って欲しいなー、って思いました。
リカルド・ロメロ :永久輝 せあ
私のロメロの印象は、大空祐飛、望海風斗、そして渋い初演・新城まゆみと、かなり円熟した強面の男で、黒い印象でした。
ひとこも十分怖かった😀。
こういうお役もイイですよね。ってそればっかり思ってました😊。
ビンタしたり決闘申し込んだり、対面を重んじる男らしいスペイン男なのでしょうか。こういった男性と一緒になる事も、スペインではリッチで幸せになれたかもしれない。。
アンフェリータ・ナバロ:音 くり寿
個人のキャラとしては、くりすちゃんがエバで、まどかちゃんはアンフェリータっぽいけどね😊。
とはいえ、くりすちゃんのアンフェリータ。前回の大劇場で、あきらを慕う婚約者の印象そのままに、可憐で誰からも好かれるいい子でした。
だからこそ、エリオは罪なのですよ…😠。
その対比が良く出ていたと思います。ソロの場面は聞かせ処!耳福でした~。
ビセント・ロペス:聖乃 あすか
ビセントという役が、スペインの伝統・対面を重んじる古い空気に、新しい風を吹かせてくれる象徴です。
後先考えない若気の至り、いや、恋とは、生きるとはそういう物なんじゃないか?と思わせてくれる存在。
初々しいあすかちゃんのビセント。艶のある存在感がありました。とっても応援したくなるようなキャラですよね!
新コンビ柚香光&星風まどかについては、次大劇場を待つ!
このコンビ、どうだったか?と言われると…、正直コルドバでは、2人のコンビネーションを判断する事は難しく、まだ未知数だなと思った。
花組に参加早々、未亡人を演じるまどかちゃん。艶があって女亭主という雰囲気も出ていたと思いますよ。ただ、れい&まどかの個性が生きる設定だったかとういうと🤔。
これはこれで素敵でしたが、次の大劇場作品を期待したいな、という所です。
れい&まどかコンビの人気は、かなりありますね!そういう感じがしています。
キュートな魅力の2人が作り出す今後のコンビネーションを、これからも楽しみにしたいと思います🙆。