グレートな月組の『グレート・ギャツビー』2022 感想3 束の間の背徳感に酔いしれて
2022年10月9日。月組ギャツビー大千秋楽。ライブビューイングで映画館に行ってまいりました🙋。大劇場で初日を迎えたのは夏だったな~。もうすっかり秋の10月。とうとう東京公演も全日程完走で最終回を迎えました。
ムラバージョンを観た時とはずいぶん深みと凄味がパワーアップし、物凄い熱量を感じる、まさに組長がおっしゃるグレートな月組2022年バージョンのグレート・ギャツビーだったと思います。まさに完璧だった。
最近の宝塚芝居は、現代的エッセンスが加わった、スピード感あふれる物が多い中、雪組初演の約30年前の作品を、1本物で、じっくり、ゆっくり、ゆったり、往年の宝塚感をたっぷり感じれる作品は久しい。
空間、間を埋める事が最大の課題だと思うんだけど、そこは主演月城かなとと、名コンビの海乃美月の背徳感溢れる濃厚なラブロマンスが永遠続く贅沢な空間だったと思う。ファンにとってはたまらないと思うし、特に往年の宝塚ファン、宝塚関係者には、そう、これこれ!と言わせる完璧な仕上がりだったんじゃないかなーと思いました。芸術は背徳から生まれる、どこかで聞いたことがある。
余りにも完璧なジェイ・ギャツビーに、どこか隙があるんじゃないかって、あまのじゃくな私は観ていたんだけど😊…。黄色い車を運転していたのは、ギャツビーではなくデイジーだったのでは?とニックに言い当てられた時の、ヤバッって顔が曇るギャツビーに、最後の最後に隙を、人間らしさを感じて、ちょっと親しみをもった。
ご挨拶で、れいこさんがギャツビーという役に対し、こんなにも離れ難いと思ったのは初めてだと言っていましたね。ギャツビーは演じる側も大変魅力的だと思います。愛する人へ一筋な面と、アウトローたっぷりな面もありで。
先日、アストロ・ピアソラ生誕100周年のコンサートを観に行って、アルゼンチンタンゴって素晴らしいな~って思っていた所。ギャツビーパーティーの、夢奈瑠音&蘭世惠翔 が歌うタンゴの曲が頭によぎりました。
あの3組の背徳のタンゴ。1920年代のファッションが美しく、とても象徴的で大好きな場面でした😃。
素敵な演目を復活させてくれたグレートな月組に感謝!ありがとうございました。
そして、男役志望だった😯夏月都さん!21年間本当にお疲れ様でした。95期の仲間達に囲まれて、トップスター月城かなとに背中ポンポンされての退団だった晴音アキ、声がとってもおっとりしてて可愛かった佳乃百合香。お疲れ様でした、東京大千秋楽を迎えられたこと、本当に良かったな~と思いました😃。