真風涼帆『NEVER SAY GOODBYE』感想1 運命の巡り合わせ スペイン内戦が舞台のハリウッド的社会派ミュージカル
さあ、行きましたよ!宝塚へ😆。これは使命だと思った。
公演期間が減った分、観られない方も多くなってしまったかと思いますが、客席はその方々の分も代表して、大きな拍手で応援して参りました👏👏。
なかなか重厚な、骨太社会派ミュージカルです🤔。
小池先生がこだわったであろう、内戦中の真実の物語だったと思う。2006年の私にはきっと理解できなかったな😅。今だから理解できる真実。
かなり複雑に絡んでくる政治的イベント、反乱、諸外国の動き。緊迫感ある組子達の熱演に心打たれます。
泥臭い内乱シーンばかりではなく、真実を見つめるカメラマン&脚本家のトップコンビが、ハリウッド映画の主人公のように、素敵で大人なロマンスを繰り広げてくれていますっ😊!
順を追ってご紹介します。
ネバセイの見どころはココ!(個人的感想)
宙組メモリアルな作品の再演
愛する宙組生が取り組んだ、2006年初演 小池修一郎オリジナルミュージカル『NEVER SAY GOODBYE』の再演です。
当時の宙組トップコンビ 和央ようか&花總まりのサヨナラ公演。
フランク・ワイルドホーンの楽曲提供。
読売演劇大賞優秀作品賞、小池修一郎が文部科学大臣賞を受賞。
観て納得🤔
スペイン内戦を丁寧に描いた社会派ミュージカルで、ハリウッド的LOVE❤も健在のエンタメ作品です。
そして92期 真風涼帆の初舞台公演。
これほどの大作で初舞台を踏めるなんて、運命ですよね。
作曲家ワイルドホーンさんが、まだピヨピヨのレオタード姿のゆりかさんを見て、既にスター性を感じていたというような逸話が、パンフレットに書かれていました。
凄い、その通り!さすがだなー、プロは違う。パッと見て分かるんだね😃。
これが一番のメモリアル、運命の巡り合わせ、感動ストーリーのような気もします。
現組長 寿つかさは2度目の出演。紫藤りゅうが今回演じている、オランダのレスリング選手役。オリンピアの中心的人物で、感慨深いです。
ハリウッド映画のように美しい2人
売れっ子のカメラマン・ジョルジュ(真風涼帆)と、映画脚本家のキャサリン(潤花)。
この2人こそが、まるでハリウッド映画の俳優のようにドラマティックで美しい✨。
ハリウッドという虚像の世界に身を置きながらも、真実を追求する二人。ちょっと変わった、似た者同士。
キャサリンはしっかりと意見を言う女性。初演お花さんにピッタリで、これまた潤花ちゃんにも、めちゃくちゃお似合いでした😀。
脚本の改ざん行為に異議を申す!パーティーに乗り込んだキャサリンがカッコイイ😍。おいおい、何処の女優さんだよ?って見とれてしまった(エレンさんゴメンね)。
その瞬間をカメラに収めるジョルジュ。これが2人の出会いのきっかけです。なんともハリウッドっぽい😍。
一緒の景色を見ていたい💑
2人向き合ってるだけでなく、お互いの求めるものを一緒に見たい。2人で前を向いて歩いていく、そういう関係でいたい、新しい感覚のカップル。理想的です!
愛国心あるイケメン大集合(初演から引き継ぐ)
バルセロナに集まる民衆。スペイン人だけでなく、オリンピアの男達に、ハリウッドから訪れた映画関係者。そして政府関係者。
闘牛士ヴィセント・芹香斗亜 筆頭に、国を守るため、仲間を信じ、立ち上がる情熱と苦悩。とにかく男臭くてカッコよい。内戦の当事者であり主役は、このヴィセントですからね😃。
初演の映像をチラッと見たとき、骨太の汗臭い?男達がた~っくさん!舞台上に熱く集まっている印象がありました。宙組=背も懐も大きい!男役。銃の扱いも様になっている。かなり迫力があって、下級生から上級生まで、入り乱れて戦っています。
フラッグやマント裁きのシーンは舞台所せましと大迫力です。皆本当に良い顔してるんですよ、感動ものです。出来るだけ後方までウォッチしてください!
戦争屋の裏事情、そこにある真実
前回の宙組大劇場は、シャーロックホームズでした。ここで武器商人のお話がありました。繋がってるな…。
彼らは国が、地域が、沢山争って武器を買ってくれれば喜ぶ悪魔です。組織的に各国の火種を見つけては、武器を流して仲たがいさせ、戦争を長引かせて武器を売り続けます。
共和制を勝ち取ったスペイン。しかしそれは内戦へのキッカケだったかもしれません。
色々な民族が、異邦人達が寄せ集まるスペイン・バルセロナ。
人民オリンピック出場でバルセロナに訪れたオリンピア達と共に、闘牛士ヴィセント(芹香斗亜)は国を守るために民兵センチュリア・オリンピアーダを組織します。
国内がバラバラでは、ファシストにやられる!と、スペインを一つにまとめたがる統一社会党PSUC・アギラール(桜木みなと)が、オリンピアーダを宣伝利用しようと企みます。
市民が立ち上がろう!と声を上げるPOUM統一労働者党・アルフォンゾ・リベラ(澄風なぎ)。女性革命家・ラ・パッショナリア(留依蒔世)のうねりも同時進行。
うごめくスペインを見届けたいと、希望を持って集まる異邦人達。
皆、目的は”スペインを守る!”事なのに、あいつはダメだ、こっちのいう事を聞けと粛清が始まり、内紛となります。
同じ国民同士、銃を向ける一瞬の動作に、緊迫した空気が流れます。まるでスペイン ゴヤの絵の様です。
こんな哀しいことはないよ😢。一度始めた戦いを終わらせるのは大変難しい。交渉の切り札とか、ちゃんと用意して始めないと、後は突っ込んでいくだけ…。
内紛の裏には、戦争屋ビジネスがちゃんと控えています。表立って出てきたのは、ソビエトの夏美ようさんでしたね。
スペイン内戦は、祖国の独立と自由を望んだ若者の希望だったとは思うけど、色々な反省も得た事件だったのかなあ。。
その虚しさの中で、人は”ガス抜き”と言うかもしれないけど、腐敗した政治に戦いを挑む、若者の勇気と仲間との絆は、真実の姿だと思います。
その一瞬一瞬を写真に収めたのが、ジョルジュのフィルムです。
スペインの闘牛士、オリンピア、サン・ジョルディの祭り
素晴らしいスペインの伝統的イベント。本格的な舞踏を宙組組子が取り組みます!
圧巻!迫力のマタドールに、オリンピア開会式リハーサル。感動しました~♪
そしてドラゴンが襲いかかる、赤い薔薇の伝説、サン・ジョルディの祭り。とっても楽しい。宝塚らしいシーンが盛りだくさんで、群舞の素晴らしさを実感できます。最高👍👍。
でもこれらが、全て政治的に利用されていく様を見届ける事になるのです😎…。
ハリウッドの脚本改ざんと、まるで一緒です。せっかく作り上げた作品を、政治思想に合わせるよう、宣伝(洗脳)利用するのです、政治家は。ここにも真実を見ました😣。
2020や2022オリンピックは、お金の問題や、政治的影響に色々疑問を持ったキッカケになりました。開会式も改変(改悪)されたんじゃないかなあ。。まさにこのネバセイにも伏線が描かれていたわけです。
現代に置き換えたら…
2022年に置き換えたら、スマホ片手に何処にでも取材に行く「真実系ユーチューバー」と、ブログやツイート内容をまとめて自費出版する「ブロガー」のカップルかなぁ、なんて思ったり😄。
今はネットありきですから、なんでも瞬時に伝えられると思うけど、そうでもない!ネット検閲があって、あまりにも不都合な事を配信するとバンされるし。言論統制のファシズムの世は、形を変え巧妙に(気づかれないように)残っています。
ドンパチだけが戦いではない。例えば、公衆衛生を盾に自由を奪われている、形を変えた戦いの毎日を、私達は生きているかもしれない。現代の戦の形かもしれません。
フィナーレはマタドール 銀橋デュエダンは圧巻😃
ちょっと戦いの話は終わりにして。
ご、ご、極上のフィナーレが待っております(キャ~)😍!
思わず声が出た~♪おぉ~圧巻!
男役は情熱の赤いマタドール衣装で、マントを一斉に翻します!大階段を埋め尽くすマント。圧巻ですっ!
そこを黒いフラメンコの衣装の娘役が、さささ~っと登場し、舞台上にスペインの香りが湧きたちます。今までの辛い戦いのシーンを払拭するかのような、そして祈りのような群舞。これは~、何度もリピしたいです。
そして、デュエットダンスのゆりかさんと潤花ちゃん。最後の決めポーズ!
銀橋で超絶技巧ポーズを決めちゃう、潤花ちゃん!それを支える男・ゆりかさん!
これ凄いから、一見の価値あり。思わず声上げちゃいました、私。こんな事も出来るのね~拍手です👏👏。
エトワールは、ハリウッドの人気女優 天彩峰里。ご登場ですよっ!2番手娘役格として、大活躍でした。
考えてみれば、退団した先輩も多い中で、メンバーが若返り様変わりしたんだなと、フィナーレで気づきました。そして、小池先生作品は、あまり退団者サービスが少ないから、ふと忘れてしまうんだけど…。
潤花ちゃんキャサリンの同志(恋人)イケメン・ピーター役の春瀬央季。
占い師でカマラーダ達を手助けするアニータ役の瀬戸花まり。
闘牛士の仲間の役でカッコいい水香依千、穂稀せり。そして愛海ひかる。
この5名の退団公演でもあります。じっくり目に焼き付けたいと思っています。
宙組からONE HEART 愛を発信する
歌の「ONE HEART」とは、心を一つにして、国境や民族など関係なく、皆一つだよ、という意味だと思います。なかなか難しいお題だとは思います。でも、想像する事は出来ると思う。
どれだけ広く、多くの人々の事に思いを寄せられるか。それが”愛”なんですって。
ONE HEARTのイメージを持っていれば、心が静まり、真実がおのずと見えてくるかもしれない。宝塚の舞台には、真実の物語が必ずあります!
ムラでの公演期間は3月14日までですが、濃密な時間を過ごしている事でしょう。