私の切ない恋愛 宝塚作品ベスト7【まだ STAY HOME?】
スカイステージのおかげで、STAY HOME中も胸キュン・切ない恋愛に心を動かされています。思わず筆を、いや記事を書いた次第。さっそく行きます。
1:どう切ないか 2:主演 3:おススメポイント
No.7 龍の宮物語(2019年 星組)
- 書生と生贄になった娘、龍神の三角関係😢
- 瀬央ゆりあ&有沙瞳
- お伽噺が色濃く鮮やかに表現され、主演の目力と熱量に圧倒
スカイステージで拝見しましたが、
凄く面白かった~😀
切ない。
そう、切なくて心を動かされました。
案外フレッシュで清々しいせおっちと、玉姫様演じる大女優・有沙瞳。
くらっちの目に吸い込まれそうで、本当に、本当に美しかった。
同じく龍神様の天寿充希は、目が血走っていて威厳が凄まじい。人間との違いが良くわかる。
龍に化ける玉姫様のあのシーンは、後世にも残るでしょう!歌舞伎や文楽の手法のようで、私が好きな美輪明宏のような、濃い名シーンだったと思います。
最近の星組は、しっとり和物とはちょっと違う、お伽話系(ファンタジー)日本物を確立していて、ダイナミックでぶっ飛んでて、とても面白いと思います。イイです!
No.6 霧深きエルベのほとり(2019年 星組)
- 身分違いの恋(王道)😢
- 紅ゆずる&綺咲愛里
- 荒くれ者が愛する人を思って打った大芝居が、辛い
紅だから切なさが倍増だった、菊田一夫の名作エルベ。
荒くれ者の船乗りカールが、べらんめえ口調で陸に上がり、家出娘のお嬢様マルギットとのひと時の恋。いくら貧乏でも構わないと言っても、やっぱり成就することは叶わない。
自ら身を引くために、金で買ったんだよっ!って愛するマルギットに大芝居を打つなんて、やり過ぎだろう。。って思ったけど、最後に酒場のマダムの胸を借りて大泣きするラストに、切なさでグッと胸を掴まれました。
良くある話かもしれないけど、この切ない物語をじっくり丁寧に、ビール祭りの明るい音楽と共に描かれていて、切ない恋愛の王道だなと思いました。
No.5 琥珀色の雨にぬれて(2017年 雪組)
- あ、こっちも身分違いの恋😢
- 望海風斗&真彩希帆
- オトナの女が愛する人を思って元サヤに戻る、辛い
こちらは、お坊ちゃまクロード相手に、ハウスマヌカンのオトナの女性・シャロンに惹かれてしまうお話。
ハウスマヌカンという自立した職業を持つ女性は、当時は憧れの存在だったと思いますが、内情は高級娼婦みたいなものですかね。
パリの社交界を舞台に、華やかなイタリア・マッジョーレ湖の別荘地のお話がでてきますが、輝く世界には必ず裏の社会がある。ジゴロや娼婦達の物語もあり、婚約者フランソワーズも登場し、クロードとシャロン2人の切ない恋も、やっぱり成就しない。
身を引くシャロンに、切なさと共にカッコ良さを…同性としては思いました。
逆に言うと、まだまだ甘ちゃんなクロードがじれったく、でも男ってこんなもの?って思ったりしました。
柴田先生に男女の関係について、色々勉強させてもらいましたとさ。
No.4 蘭陵王(2018年 花組)
- 美しすぎる武将と、刺客で送り込まれた女の切ない恋😢
- 凪七瑠海&音くり寿
- 愛する事を知らない男女が、最後に選んだ幸せにグッときた
愛されずに育ち、愛を奪われて利用されて生きてきた男女二人。似たもの同士なんですね。
蘭陵王様のために唇を読み、忍びとして守り抜いた洛妃。
最後は、蘭陵王が賢明な判断をしたと思います。
武将として死を選ぶなんて、やめたやめた!俺は生きる。どんな形をとっても、名前を変えても普通の民となって、愛する洛妃と生きる事を選択した。
思いがけずハッピーエンドだった、2人の切ない恋物語の結末。あ、新しい!って思いました。
愛した男たちが皆去ってしまった、皇太子・瀬戸かずやの虚しさも際立っていました。
人生、何が幸せか・・ってね。
東儀さんの笛の音が心地よく、シンプルなセットの中にも荘厳な中華オペラを堪能できました。フィナーレの踊りも素晴らしく、カチャの代表作です!
No.3 ドン・ジュアン(2016年 雪組)
- 本当の愛を知る事で”死んだ”、歴史的に有名な放蕩息子のお話😢
- 望海風斗
- どうしようもない男なのに、殺された瞬間は、何故か救われた気がした
これは‥‥、切ないのかなあ。(自分で書いておいて)
ヒドイ、最低😡。
さいってーーーな男のお話ですよ。
手あたり次第女性をモノにして、簡単に捨ててしまう。道徳もルールも何もない、自由奔放。もう信じられない、目も当てられない。観劇中、虫唾が走る位の最悪な男。
でも、何故だか魅力的で様々な人が惹かれてしまうのが、このドン・ジュアン。
ダイモンだからこそなのかな。
最後の最後にマリアという女性に巡り合って、やっと愛を知ったのに‥‥。
騎士団長の呪いの予告通り「愛によって死ぬ」事となったドン・ジュアン。
でも最後は爽やかな笑顔にも見えた。何だか切なかったなー。色々な意味で衝撃的でした。
同じように、最低な男の話『仮面のロマネスク』も似ている切ない恋愛かもしれません。むしろ美しいと思わせる貴族のお話です。
何故こんなに名作として再演されるのか…、私にはちょっと理解できないところがある作品でもあります。
No.2 アンナ・カレーニナ(2019年 月組)
- 有名なロシアの将校と人妻の不倫物語😢
- 美弥るりか&海乃美月
- ”愛しすぎた”2人の美しさに目がクラクラしました
植田景子先生の繊細で美しい感情表現が、私の琴線に触れたのだとは思いますが、それよりも美弥るりかの美しさと、海乃美月の儚い美しさがあいまって、本当に切なかった。
愛しすぎたのよ、私たち😭
まさにこの一言に尽きる。
愛しすぎると、お互いを傷つける事にもなる。自分も傷ついて死にたくなる。
一度は引き返すも、心がそれを許さない。
結末は…、もう死を選ぶしかないのかな。
周りがどんなに止めても無駄なんだ。
No.1 神々の土地(2017年 宙組)
- おっと、こちらもロシア革命中の2人の貴族の恋物語!😢
- 朝夏まなと&怜美うらら
- 個人的に大大大好きな、切ない美しい絵画の様な大人の恋です
私にとっては宝物の様な作品です。まぁ様サヨナラ公演、上田久美子先生の「神々の土地」。
ロシア革命によるロマノフ王朝崩壊の足音が聞こえてくる頃のお話。歴史上の人物が登場する、大人の切ない恋愛物語となっています。
うまーく、まぁ様とうららの当て書きに脚色されていて、終始うっとり。
まるで絵画のような大劇場作品✨
イレーネ👨
イリナよ👩
うぅぅぅ。ドイツ語読みではなく、ロシア語読みの名前でいいかえるイリナ・うらら。セルゲイ大公と結婚したロシア人のイレネであると。
皇后アレクサンドラもドイツからの輿入れ。2人のドイツ姉妹がロマノフを支えていく訳ですが、甥っ子にあたるまぁ様ドミトリーを育てながらも、淡い恋が芽生える2人。大人として軽くあしらうイリナだけど、ロシア革命の色が激しくなり、お互いが危険な目に合うかもしれない時、2人は自分で決めた道を行く事を誓います。その道を尊重しあい、陰ながら無事を祈る2人。
ラスプーチン暗殺により流刑されるセルゲイは、途中で列車を抜け出し、イリナのいる実家に向かいます。2人しかいない夜。朝。ロシアの冷たい大地で、2人は出会った頃のようにはしゃいで、お互いの思い出を語ります。
その後、2人は各々の場所で最期を迎えます。
宙組全員で作り上げたロシアの物語。
豪華絢爛なロマノフの貴族たち。赤絨毯を敷き詰めた大階段に将校達の圧巻のダンス。革命のうねり、民衆の歌がこだまする。ラスプーチンの霊的な力、怪演。
全てのピースが精密機械のようにピタリと収まり、一つの芸術作品となってこの切ない恋愛を彩っていたと思います。語り過ぎましたね(テヘ)。
美しいものを見る事は価値がある。
急ぎ7つピックアップしましたが、よくよく思えば、宝塚の恋愛物語は切ない結末が多い、どれもこれも。そのあまたの作品の中でも、ここ最近個人的に唸った、面白い、なるほどと思えた作品を上げました。
今すぐに劇場で宝塚は観れないけど、観てきた事を思い出したり、想像したり、映像で見返して、あの感動を呼び戻すことはできる。心を動かして、世界中を旅して、引き続き楽しみたいと思います🙋