『柳生忍法帖』あらすじと感想1 なんだか色々凄かった 十兵衛と女達と妖術使い




星組公演『柳生忍法帖』『モアー・ダンディズム!』を観て参りました😃。

ザ・ダンディ~~♬ザ・ダンディ~~💙

脳内リピートしまくってます😍。あー、やっぱりダンディズム良いですね~。また別の記事で感想を。

お芝居の方『柳生忍法帖』のお話を。
なんか、色々凄いと思ったんですよね。

大野拓史先生の一筋縄ではない和物

いや、恐れ多い私なんぞが演出家先生を語ることなど到底できるものではありませんが。。

直近で観た大野先生の作品、宙組『エルハポン』では、慶長遣欧使節団として派遣された仙台藩士が、スペインで活躍するお話でした。日本の女性達が奴隷としてヨーロッパに売られていたなんて、初めて知った驚愕の事実が物語に描かれていました。剣を扱う者同士、日本のサムライとスペインの剣士が心を通わし、弱気を助ける。国境を超えた交流があったのかもなと。

江戸時代、鎖国下と言われていますが、対象国を限定し、港を限定し藩を幕府が管理する事で、華やかな国際交流や高い文明が既にあったという説も出ています(ここは花組『元禄バロックロック』に期待)

本作『柳生忍法帖』に出てくる会津藩の裏の権力者・芦名銅伯と、七本槍のキャラクターは、まるで外国人の傭兵の集まりか、人間ではない宇宙人妖怪サイキック集団か?

あると思います🙋!

面白いです。芦名銅伯が107歳の美男子って、普通の人間じゃ無さそうだし、特別なお香で人を呪いに掛けたり、バカ殿・加藤明成(輝咲玲央)(←ゴメンナサイ🙇最高です👍)に傀儡政治を表向きさせて、ひたすら女を与えまくり堕落させる知恵。

これが有名な山田風太郎の世界なのでしょうか。なんだか色々凄い設定だなと。普通の大河時代劇ではない、でも本当にあったかも(どこぞのお隣の国のハニトラ💋と一緒?現在進行形かも)、興味深い和物だと思いました。

見どころとあらすじ

簡単なあらすじ※ネタバレあり

会津藩主 加藤明成(輝咲玲央)の家臣、堀主水(美稀千種)はじめとする家臣達が、会津藩お抱えの七本槍(漣 レイラ、ひろ香 祐、瀬央ゆりあ、綺城ひか理、極美 慎、碧海さりお)と呼ばれる剣客達に囚われる。
堀の娘・お千絵(小桜ほのか)と他女達(音波みのり、紫月音寧、夢妃杏瑠、紫 りら、音咲いつき、澪乃桜季)は鎌倉の東慶寺に身を寄せるが、加藤の命で女性達を連れ戻せとお達しが来る。

これはルール違反です、治外法権。東慶寺の天秀尼(有沙 瞳)に怒られます。ここにたどり着けば女人も安心に暮らせるはずなのに。。

天秀尼の母で、徳川幕府の千姫(白妙なつ)(秀忠の娘)の計らいで、沢庵和尚(天寿光希)に堀の女性達の仇討ちを叶えてくれる指南役を紹介してもらう。それが柳生十兵衛(礼真琴)。父・柳生宗矩(朝水りょう)の後を継ぐ事もなく自由にフラフラ?と己の心に正直に生きている十兵衛。

技だけでは到底勝てるはずがない。不意を突いたり、変装したり、知恵を使ったり、技だけでは無い、あらゆる手段を使って目的を達成する事だけを考えろと、十兵衛から術を教えられます。

七本槍を従えるラスボス・芦名銅伯(愛月ひかる)は、娘のゆら(舞空瞳)を加藤明成の妾とし、跡継ぎを産んで会津藩を乗っ取るつもりで画策している。昔の会津を支配していた芦名家の再起を叶えるためだった。

ゆらは憑依体質(妖術)で、父の言葉を発したり、目の前の人に恋をしてしまう魔術で人を惑わしたり。愛らしい容姿を武器に、見た目に似合わずめちゃ策士です。親孝行な娘だな。

七本槍を1人づつ、堀の女性達は様々な場面で、本気で倒していきます。本当に仇討ちしちゃうんですよ~😃。その間色々な、目を覆うような、女子供をいたぶる辛いエピソードもありましたが(かなり略し過ぎてスミマセン)、1人消し、1人消しと、ドンドン成功していきます。

最後は最強の男・漆戸虹七郎(瀬央ゆりあ)。柳生十兵衛との一騎打ちです!

事の一部始終を見ていたゆらは、十兵衛の男気に心を揺さぶられ、実は恋に落ちていた😊(ここはビックリした)。
自分とお腹の子供を引換えに、父・銅伯に対抗し、十兵衛の命を守ろうとします。ここでやっとかな?十兵衛とゆらの愛ある❤やり取りとなります。

無事に仇討ちを遂げた堀の女性達と別れ、十兵衛はゆらの弔いの旅にでます。(という感じだったような)

仇のキャラが濃いっ!

ベースは、柳生十兵衛(礼真琴)とゆら(舞空瞳)との束の間の愛、そして十兵衛先生と堀一族の女性達との子弟関係。これがメインの話であるのですが、

愛月ひかる演じる芦名銅伯と七本槍のキャラクター達が、人間とは思えない面々で、まるで「ANOTHER WORLD」の鬼か「るろうに剣心」のアニメキャラのようでした👹😈!!

気になって気になってしょうがなくて😅、え、何なの?この人たち何なの?肌の色や髪の色、ギラギラの衣装等、皆がバラバラで、どうしてこうなったのか、以下の漫画の絵を見て納得。キャラが濃くて。
(お試し読みの画面キャプチャさせていただきました)

スゴーーい。

プロマイド、欲しいね?
宝塚版・七本槍の仕上がり。


きっと黒人の血が混じってるだろうなー(ピースケ)とか、中南米系だなー(レイラさん)とか、お坊さんなのねー(ヒーロー)とか、美少年設定ね、わかるわかる(極美慎)とか。

愛ちゃんは人ではない地球外生物の血が混じっていると思う程、神話に出てくる人物ような。
天海大僧正と双子であるという秘密があり、天海さんは江戸で大切な人物。片方が死ねばもう片方も死ぬ。沢庵和尚にとっては恩義もあるお方。だから倒すことは出来ない…、そんなエピソードもありました。

各々をロックオンしていく面白さもあるかなと思います。個人的に妄想が膨らむ、膨らむ。

女性達の様々な生きざま

大野先生が描く、この時代の悲惨な女性の立場や仕打ちなど、ちょっと辛くなったりする。でも、「エルハポン」の時もそうだったけど、悲惨な境遇であっても女性達は志を持って戦います!

ある意味、この物語の主役は女性だと思います。女性にフューチャーしてみます。

仇討ちを願う堀の女性達。かなり強いというか、荒唐無稽な発想というか‥。

しかし、その志を叶えさせたいと思う、千姫様のお裁きもお見事👏👏。彼女たちのために尽力します。

バカ殿・加藤のための女性狩り。祝言の日に若い女性を捕らえる計画というのがありまして…。本当に見てて辛い(ひどすぎる😠)

沢庵和尚が尼寺を作るという名目で、加藤に若い女性が取られないよう計画をしますが、それに呼応するかのように、同じ人数の女性を殺していく芦名銅伯の仕返しは、怖かったですね…。

極美君の美しさに惑わされ、捕らえられた女性おとね(水乃ゆり)が、魔術に洗脳されぬよう真実を訴えて皆を助けようとする場面などありました。お香を焚いて人の心を変えてしまうとか。ああ、るろうに剣心の時に、蜘蛛の巣(アヘン)で皆イカレちゃったなーと思い出しました。

七本槍のレイラさんにお供をする子供達・天丸(瑠璃花夏)地丸(星咲 希)風丸(綾音美蘭)は、いざという時におとりに使われ、死んでしまうんです。可哀そうなんですよ。。姉(都 優奈)のために戦う弟たち。天丸君の倒れそうなソロのシーンは、涙を誘います。

そして忘れてはならぬ、妾のゆら。

日本人形のような美しさ、愛らしさ😍

でもどこかちょっと冷たい感じ、人ではない存在感。愛ちゃんの娘ですからね。彼女も父の願いを叶えるためだけに生きていると言っても過言ではない。妾としてちゃんと仕事します。

でも最後には、今まで出会った事もない正義感のある男 十兵衛に出会って、その気持ちが愛に変わります。最後はそういう展開なのね~。
土壇場で自分の命と子供の命を天秤にかける策士ぶり。さすが出来る娘。ちょっと怖いけど、そうきたかーって唸りました🤔。

ヒーロー十兵衛と沢庵和尚

最後になりましたが、礼真琴が力強くヒーロー物の主題歌を歌い、剣を片手に技を披露するシーンは、

スーパーヒーロー、登場っ😎!

って感じで痛快です。
歌がイイ👍歌が熱い👍流石ですね。

十兵衛のキャラクターが、正統派剣客ではなく、自分が自分が!って目立たずに、女性達にちゃんと仇を討たせる仕込みをしてくれる、ある意味裏方さんだった所が、ニクイなと😀。

十兵衛は皆に愛され、敬意を表され、ちょっと三枚目気質な所がステキです。

ミッキー和尚のプランニングも素敵。
沢庵和尚のお坊さん達にもご協力頂いたり。坊主になり切れない多聞坊(天飛華音)君の三枚目キャラクターは面白かったです。

更に作品を観て行けば、まだ拾い切れていない十兵衛&和尚の仕掛けの面白さや、人情味溢れるエピソードなどに気づくと思います。

映像等を使った妖艶な舞台演出

大野先生の映像を使った演出は、『阿弖流為』で凄く感動した事を思い出しました。

幕開き前に登場する、舞台両サイドに描かれている経典の文字。デザインとして生きています。何か呪術で私達に暗示でも投げかけそうな、雰囲気が出ていますよね。

大きな可動式ディスプレイを使って、襖絵になったり、戦いのシーンでは炎が出たり、十兵衛の影が出てきたり。香をつかった魔術のシーンは赤い蜘蛛の巣のような怪しい雰囲気だったり。

また桜の花が紫の光に照らされて、何か妖術にかかっているような、妖艶なシーンは幻想的で素敵でした。

宝塚の観客に伝わっているか?

一つ一つ拾っていくと、面白いネタが満載だと思われます、この作品。原作が大変人気のある物語という事で、本が面白い!断然そうだと思います。

宝塚を観に来る観客に、どう伝えるか、伝わっているか、難しい事だとは思いますが、この面白さをキャストが実感して上演を重ねていけば、もっと進化するんじゃないかと思います。

あらためてパンフレットのあらすじをみて、ああ、そういう事だったのね!?って思い出したりしています。

今度はムラのライブ配信で改めて観ようと思っています🙋。だって。。。愛ちゃんのサヨナラショーがありますから😢。

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